肉チャーハン作ってみた!
スーパーで買い物を済ませた俺は、一駅前で降り、家までウォーキングしながら帰った。
下腹を意識して、ネットで見た丹田ウォークを実践しているのだが、いまだによくわからない……。
ただ、最初の方は足の裏が痛かったが、最近は慣れてきて家に着いてもいくらか余裕を感じるようになった。
「ただいまっと……」
荷物を置き、早速、料理に取りかかる。
狭苦しいキッチンを見ていると、魔王城が恋しくなる。
やはりキッチンは広い方が良いよなぁ……。
とりあえず、今日は肉チャーハンにチャレンジしようと思う。
ウェザーマートは、肉の種類も豊富だったからな。
書見台に料理本を開いて載せる。
おぉ、見やすくて便利だ。
「まずは……一口大に切る、か」
本を見ながら、俺は実際に料理に取りかかった。
特売だった牛肉肩ロース……ふふっ、かなり思い切ったが、今回は飲み物をコンビニで買うのをやめた分で補った。
節約節約……ん?
「あ……料理は向こうで練習した方が安上がりなんじゃ……」
時すでに遅し――。
今更気付いたところでもう遅い。
そうだよなぁ、10倍だもんな……。
あー、もっと早く気付けば良かった……。
まあ、食材に罪はない。
ちゃんと料理して、美味しくいただこう。
「塩こしょう……おっと、先にタレを作るのか」
本に書かれた分量を見ながら、おろしにんにく、おろし生姜、すりごま、酒、みりん、砂糖、醤油を混ぜ合わせる。
「これでいいのかな?」
少し味見をしてみる。
ちょっと味が濃い気もするが、とりあえずはレシピ通りにやってみよう。
何事も基本が大事なのだ。
フライパンに牛脂……この白いやつか?
「えー、中火で二分、少し火を弱めて真ん中にごはんを置くスペースを……」
ジュワッという音、肉の焼ける匂い……おぉ、いい! すでに美味しそう!
お肉の色が良い感じに変わってきたぞ!
「ごはんごはん!」
急ぎごはんをフライパンの中央へ。
そして、いよいよタレを投入!
「肉にタレを……回しかけるっ!」
ジャーッという勢いのある音、そして食欲をかき立てるタレの香ばしい香り……。
細ネギを散らして、コーンがないのでこれは残念ながらスルー。
「黒こしょうを少々……そしてバター15グラムを入れ、炒めるっ!」
おぉ……結構パラパラになるな。
意外と俺って料理のセンスがあるんじゃないのか?
良い感じに混ざったところで火を止め、器へ……。
「で、できた……!」
お世辞抜きに自分が作ったとは思えない。
たしかに簡単だったが、匂いも本格的だし、見た感じ絶対に間違いないオーラが漂っているゥ!
「あ、ビールビール……」
俺は冷蔵庫から缶ビールを一本取りだし、テーブルに肉チャーハンとビールを置く。
服を脱ぎ、両手を肉チャーハンに向けて合わせた。
「いただきますっ!」
スプーンで一口……。
「――ッ⁉」
ほっぺたがあまりの旨味に、まるでズタズタに切り裂かれたようにきゅっとなった。
「う……うまぁ⁉ え? マジ? こんなに旨いの⁉」
瞳孔がバッチリと開く。
いやぁ……驚いた……。
良い肉ってのもあるのかもしれないが、やっぱり自分で作ったというのが大きいか?
いや、旨いよこれ……。
ランチで780……いや990円までなら出せるぞ……。
「てことは……ここでビールを行くと……」
キンキンに冷えた缶ビールを開け、グイッと喉を鳴らす。
「く……くぅうううう~……!!」
そこからは、あまり良く覚えていない。
気付くとピカピカになったお皿と空になった缶ビールが置かれていた。
とりあえずシャワーを浴び、髪を乾かしてベッドに倒れ込んだ。
「ふぁ……旨かったなぁ……」
うん、料理は良いな!
腕を磨いて、いつかアナさんにも何か振る舞ってあげたい……。
そんなことを考えながら、俺はいつの間にか眠っていた。




