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ラグナアント掃討作戦(1)

 B01の指揮の元でクオンの部隊指揮の訓練は、順調に消化されていった。

 B01は、クオンに指摘された点をすぐに改善。同時に各構成員に専門性の高い訓練を行い、部隊全体の実力を底上げして行った。

 それによりクオンの部隊は連勝を続けることになり、上位の評価を受けまでに至った。


 先に惨敗をした部隊との対戦にも大きな変化が出た。

 あれから3戦して2勝1敗。負けた一戦についても惜敗と言える結果だった。

 作戦評価についてもA評価1、B評価1、C+評価1と平均以上の評価を記録していた。惨敗した際に貰ったD評価のマイナスを打ち消すには十分すぎる結果である。

 クオン自身も次席指揮官としてそれぞれで高い評価を獲得している。

 作戦立案の補助&前線対応能力の二つが高く評価された形だ。


『指揮訓練の最終工程については実践訓練となります。開始まで施設内にて待機してください』


 仮想空間での指揮訓練を終えたクオンに、サクヤが次の予定を告げる。

 スクリーンにタイマーが表示され開始までの時間が表示される。

 どうやら三時間程余裕があるようだ。


「実践訓練の内容は?」

『ラグナアントの駆除が予定されています』


 スクリーンにターゲットの情報が表示される。

 ターゲットは体長20cm程度の白い昆虫だ。姿形はクオンの知識にある蟻と呼ばれる昆虫に非常に酷似しているのが見て取れる。

 ただ、サイズが異常なほど大きい。クオンの知識の中では、蟻と言う生物の通常サイズは1㎝以下である。20㎝の蟻などクオンの知識に存在しない。


『地下に巨大なコロニーを形成していたようです。調査の結果、基地近くに入り口を複数確認しています。複数の部隊を投入しコロニーを完全に破壊します』

「破壊って言っても蟻相手に殲滅ってどうやるの?うち漏らしが出そうだけど」

『巣の最奥に存在する女王蟻の排除&卵の完全破壊を持って第一目標は完了したモノと判断されます。女王は巣に1体しか存在しないことが判明しており、対象が死滅すると蟻たちは攻撃性を失い新たな女王が誕生するまで沈静化します。後は、沈静化した残った蟻を丁寧に駆除します』

「丁寧に駆除って……、何匹いるの?」

『推定6万匹』


 クオンの想定を大幅に超えた数字が出て来た。


「何日かかるのよ」

『不明です』


 6万の蟻の群を丁寧に始末するとなるとかなりの重労働となる。

 恐らく殺して終わりではない。蟻たちの死骸は貴重な資源として有効活用されるだろう。つまり殲滅後の回収も視野に入れなければならない。


「今のうちに装備の選定をした方がいいかな。部隊編成に関する情報を表示」

『B01率いる部隊は装甲車両とコンテナ車両を中心とし、ラグーンの随伴での機動打撃部隊を形成するようです。クオンには随伴ラグーンと戦闘ボッドの指揮権が与えられる予定です』


 首席指揮官であるB01は装甲車内で全体指揮とり、次席のクオンが外で直積指揮を取る形になっている。スレイブユニットは20人、うちラグーン編成の5人と多脚型の戦闘ボッド20機の指揮権が与えられている。


「今回はステルス性を排した面制圧特化の戦闘ボッドか……。接近された際の兵装も十分、機動力も許容範囲内。私たちの役目は、巣穴の入り口の露払いと突入部隊の退路の確保だから最適解と言えるけど弾切れが怖いかな。火炎放射とガス散布の兵装の選択は可能?」

『可能です』

「なら全体の三割を火炎放射兵装に、二割をガス散布兵装に変更。燃料とガスを多めに摘みたい。コンテナに空きはある?」

『コンテナには余裕がありませんが、外部タンクを取り付ければコンテナスペースを圧迫しません』


 コンテナ車両にタンクがセットされた場合のステータスが表示される。

 外部タンクを付けると当然重量が増えるが、性能がいいコンテナ車両のお陰で機動性は許容範囲内に収まっていた。


「なら増設案でB01に提案。理由は兵装の多様化による状況対応能力の向上の為」

『了』



 スクリーン上のサクヤが各種ステータスなどの情報を纏め、B01へ提案を送信する。

 纏めた情報がサクヤの手元で鳩になり飛んでいく様はどこかチープに見える。


「申請や提案を飛ばす度に妙な演出入れているけど、それって必要あるの?」

『結論から言えば全く必要ありません。あえて理由を付けるなら、クオンの反応を観測するためでしょうか』

「ええぇ」


 真顔のサクヤが手の平に鳩を生み出し、スクリーン越しに鳩を差し出してくる。

 額に眉を寄せながらもクオンは、鳩を受け取る仕草をしてみる。するとスクリーンから鳩が飛び出しクオンの指にとまる。当然、重さは無い。


「この居住ポッドって、3D投影機能も備えていたのね」


 今まで正面のスクリーンに映る情報のみを利用していたので、3D投影機能があることを知らずにいた。手に乗った鳩が情報に変化し、空中に新しい情報を投影する。


「提案が通ったみたいね。B01は感心するほど判断が早いわね」


 先ほど飛ばしたばかりの提案を承認する通知だ。


「直下の各スレイブユニットに3機の戦闘ボッドの操作件を移譲。割り振る戦闘ボッドは、各種一機ずつとする。残り5機は私の直轄とし各所をケアする。装甲車を中心として縦長の方円陣形を構築、私はセンター後方につきます。各ユニットに通知」

『了、各ユニットへ通知します』


 再びサクヤから通知が飛ばされる。

 今度は複数の鳩が一斉に飛び立つ演出がされる。


「私の装備だけどグレネードランチャーを追加。それと念のためS-01装備を」

『当基地に存在するS-01装備はブレードとナイフのみです、どちらを選択しますか?』


 片端のブレードとナイフが表示される。

 どちらも飾り気がなくシンプルな形をしている。通常の兵装と違うのはグリップに小さなスイッチが存在している点だ。


「両方よ。 カートリッジも十分に用意して」

『了』


 グリップに存在する小さなスイッチ。なんの変哲もないナイフに備わるスイッチそれは極めて殺傷能力が高い兵装であることを示していた。



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