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霧の中で

つな渡り

作者: 西の宮
掲載日:2025/07/06

 人生が つな渡りだと気づいたのは 中学生の頃



 言われるまでもないって?


 人生は常に綱渡り ツルりと足を滑らせれば

 どこまでも どこまでも 堕ちていく



 運のいい人間は 再起するチャンスを得るが

 そんな人間は ほんのひと握り居るかどうか


 人生に練習があるのなら 命綱の1つを準備する時間もあるだろうが

 そんな都合のいい命綱を しっかり身につけ歩ける人間は少数で

 

 私は あえなく崖下と言わず転がり続けた


 

 転がり落ちると地獄だと 聞いてはいたが 

 今まで見えてこなかったものがあるもので

 


 漫然と横になりながら 生きているのか死んでいるのかわからない

 汚濁の中で たまたま出会ったのが とある作品


 目の前にあっても 頭に入ってこないはずの 泥まみれの世界に居た私を

 よ~いしょ! と起こしてくれたのだから 文字の力を実感する

 


 あの時は

 カンダタの目の前に現れた 蜘蛛の糸のように輝いてました


 細い糸が 文字となり 文章となり 小説となると

 なんとも心強い命綱に変わるのだから すごい世界



 命綱より 糸を見つける方が大事かもしれない

 

1人で歩くのは怖いです。

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