ざまぁ。今頃俺は美人な風俗嬢と甘々してますよ。傍観者の皆様、お疲れ様です。
1100文字付近にベッドシーンがございます。
そこの点はよろしくお願いします。
若気の至りのセックスも、ゴム無しで経験した俺。
人生勝ち組ですわ。
俺を見下してきた輩へ、一言だけ言ってやろう。
「ざまぁ見やがれ低俗民よ」
俺には恋敵はいないし、いわば甘々な状態だ。
毎日添い寝に毎日セックス。
そんな生活を続けて早2年だ。
稼ぎはあるのかって?
父親がバカみたいに稼いでるから、そこのところは大丈夫だ。
……しかし、心の底から思うよ。
こんなに哀れな者達が、今は俺に嫉妬してきてるというのが、最高に気分が良い、と。
……さて、もう一度言おうか。
「ざまぁ見やがれ低俗民よ」
―――――
ある日、父親の伝で、俺にとある魔術学校が紹介された。
本来そこに入るのには、難関と言われる実技試験を受ける必要があるのだが、俺の父親は何と言っても魔鉱石を発掘する業者の社長だ。
魔鉱石は杖を作るのにはもちろん、魔術学校の授業内にても使用されるため、需要がかなり高い。
そして、俺に紹介された魔術学校は、父親が営む業者から魔鉱石を輸入していたため、かなり双方との関係は濃厚だったそう。
そこで、父親が話を持ちかけた。
「ウチの息子を試験なしで入れさせてくれないか?」
学校側は、断ることができない。
なぜなら、学校の成り立っている基盤である業者の社長の息子を入学させないとなったら、関係が悪くなるのは明らかだからだ。
結果は、もちろん承諾。
しかし、入学後が問題だった。
「……なぁ、あいつさぁ、ここに入ってきた割には魔術のレベル低くねぇか?」
「……俺も思う。
実技の時、あいつだけ明らかに下手だったし。」
教室内にて、そんな蔑みの言葉が飛び交っていた。
なので、俺の友達などできるわけもなかった。
この魔術学校は3学年1クラス制だ。
そして、俺への蔑みは、他の2学年にも伝染し、挙句の果てには、学校のヤンキー的存在達が俺のことをイジメてくるようになった。
「あぁん?
そこのヘタレ、黙ってねえでなんか喋れや」
廊下を歩いていると、そんなヤンキー達が俺に絡んできた。
しかし、俺は気にしない。
そのまま廊下を通過しようとした。
だが、
「ちょい待てや」
そう、呼び止められた。
振り返ろうか、少しだけ迷ったが、俺は気にせずそのまま歩き始めた。
しかし、この輩は黙ってる訳がなく。
「言う事聞けや!!」
こう言って、金属バットのような固いもので、俺の頭を強く殴ってきた。
もちろん、俺は気絶して。
死にはしなかったが、怪我は大きく、右手が麻痺する症状を負った。
これがトラウマとなり、俺は学校を休むようになった。
そこから、暇を持て余した俺は、父親の金を借りて近くの風俗店に通うようになった。
「……あっ、……イッ………ああぁんっ……」
そんな風俗嬢の喘ぐ声がたまらなく好きで。
毎日毎日、それを聞くために足繁く通った。
この声が、日々の不安の捌け口になっていたと思う。
そのおかげで、俺は様々な不安から完全におさらばすることができた。
その後も、風俗店に通い詰めた俺は、いつしかとある風俗嬢と仲良くなっていた。
もちろん、職業上のやりとりから来るものではない。
一度、外へ出かけたこともあるし、デリヘルも頼んだこともある。
これは、俺が好意を寄せる彼女にデリヘルを頼んだときの話だ。
今日は俺に好意を寄せていると言っていた、例の風俗店で働く女の子のミカちゃんがデリヘルに来てくれる日だ。
このために、父親からパクった高い金使って王都にある最高級のラブホを取っておいた。
ここまでしたら、流石にミカちゃんも喜ぶだろうな。
そう思いながら、俺は部屋内の窓を見つめ、美しい外の景色に惚れていた。
美しい夜空だ。
行為中に、
「月が綺麗ですね」
とでも言ってやろうか。
そう考えていると、
「来たよ〜!
ミカだよ〜!」
そんな声が、入り口から聞こえた。
聞こえた瞬時に、俺はすぐ入り口のドアを開け、ミカちゃんを迎え入れた。
「……えへへ、お邪魔しま〜す」
中に入ったミカちゃんは、早速ベッドに飛び込んでいた。
まだ、俺ですら飛び込む前なのに。
……しかし、今日のミカちゃんは気合が入っている。
胸元にハート型の穴が空いた胸チラの服と、どこか無防備なノーパンスカートを身に着けている。
すると、俺がミカちゃんの胸元を見ていたのを察されたのか、ミカちゃんは赤い顔しておっぱいを隠した。
「……うぅ、そんなところ、見ちゃダメですよ…」
……キュン死しちゃう。
ベッドの上に寝転びながら、必死に小さなおっぱいを隠してるところ、最高に絵になります。
そうして、こんなことありながら、いよいよ行為の時間がやってきた。
「……ミカちゃん、こっち」
俺は、自身が寝ているベッドの横をポンポンと叩いた。
すると、ミカちゃんは素早くその横に来てくれて。
しかも、俺はまだ何もしていないのに、自分から服を脱ぎ始めた。
これに、流石に俺も戸惑う。
「……ちょ、ミカちゃん!?
どうしたの!?」
そう慌てる俺なんて見向きもせず、ミカちゃんはベッド上で全裸になった(布団で身体は隠れているが)。
すると、ミカちゃんは今度は俺の服も脱がしてきた。
しかし、この脱がされる感覚が絶妙に心地よかったので、俺は抵抗しなかった。
「………好き、ですよ」
俺の服を脱ぎ終わらせたことを確認すると、ミカちゃんは自分から攻めてきた。
その感触はと言えば、最高で。
風俗嬢なだけあって床上手だった。
しかし、やられるだけやられて終わる俺じゃない。
すぐにミカちゃんを押し倒し、俺も突き始めた。
夜が明けると、ミカちゃんは下着だけ身に着けて心地よさそうに寝ていた。
今は朝である。
鳥のさえずりが心地よい。
隣のミカが尊い。
隣のミカが愛らしい。
俺は、気づけば無意識にミカの口元にキスをしていた。
何か、可愛いものを見たら無意識に口付けしてしまう的な病なのだろうか。
……まぁ、それでもいいが。
「……んんっ…………ん」
すると、ミカが起きた。
ミカはまだ眠たそうな顔をしている。
過酷な行為に疲れたのだろうか。
しかし、そんなことに構わず、ミカは身を起こした。
少し時間が経つと、何やガサガサ聞こえた。
音の正体は、ミカだ。
昨日に持ち込んだカバンから、何やら書類らしいものを取り出した。
すると、ペンとその書類を俺に渡してき、こう言った。
「……結婚しよ…」
(………。)
……少しばかり、理解できない。
そう思いながら渡された書類を見ると、それは婚姻届だった。
しかし、それを見ても理解できない。
……いや、嬉しいよ?
だけどなんで今?
セックス気持ちよかったから?
俺達まだ付き合ってすらいないのに?
え?え?え?
俺は困惑する。
婚姻するのが今だと思わなかったからだ。
もっと彼女とは段階を踏みながらの交際をすると思っていた。
しかし、俺が思っていた以上に彼女は愛が強くて。
いきなり何段階か飛ばして婚姻届を持ってきた。
現在、その事実を、まだ飲み込めていない。
すると、ミカは悲しそうな目をして、悲しそうな声を出して言った。
「……私との結婚、嫌なの?」
その悲しそうな声が、どこか深く思えた。
ミカは俺のことを本気で愛していたんだ。
そう気づくには十分すぎる判断材料だった。
ミカは確か、施設育ちなんだっけ。
じゃあ、恋愛もまともにしてこなくて、稼ぐためだけに風俗嬢やってたのかな。
それで、仕事しながら俺と出会って、恋して。
でも恋愛なんてまともにできないから、きっと、踏み外した解を出してしまった。
それを、なぜ俺は理解できなかったんだ。
自分への怒りがこみ上げる。
そして、同時に、彼女を幸せにするという使命を誓った。
この後、俺はミカの持ってきた婚姻届にサインした。
そして提出して、後日に父親が結婚式を挙げてくれた。
辛かった学校生活のことをたまに思い出すが、ミカにそれを全て話して、身を任せて、いい関係を保ってる。
父親の金から始まった恋、そう言えばそうだ。
だから父親には最大限の感謝をしている。
ありがとう、父さん。
そういや、結婚式をあげるとき、魔術学校の同級生から招待してくれなんて頼まれたが、即拒否しておいた。
おそらく、父親が魔鉱石発掘の業者だって知って、手のひらを返すように俺に謝罪しに来るためだったんじゃないか。
あと、嫉妬してるってこともあるんじゃないか。
怒りで結婚式をめちゃくちゃにしたかったりしたのかな。
自身の欲望を晴らそうとするのはやめような。
……さて、俺の気分が良いことだし、あのセリフを言おうとしますか。
「ざまぁ見やがれ低俗民よ」
俺は一生ミカと甘々して、お前らを見返し続けます。
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