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橙色に染まる日

作者: 平均的人間

涼しくなってきましたね。

すりガラス越しから見える夕焼け空を眺めて、なぜだか夏が終わり、秋の始まりを感じていた。


橙色の光が差し込み、部屋の中がその色で染まる気がしたから電気を消した。

馴染み深い自然光が私の体を温めてくれているのか、私自身の心がそう錯覚させたのかはわからないが、薄い心地良さを感じた。


二、三日前に物を捨てたから、部屋の中には私と白いテーブルとベットのみ。

私は何かをするわけでもなくポツンと佇んでいるだけ、頭の中で違う部屋から自分を見ている人を意識すると、なんだか芸術性がある。


夕焼けを浴びてしばらくすれば別に悲しいわけでも憂鬱なわけでもないのだが、心地よさと共に寂しさも生まれる。

薄暗い橙が私を包むほどにこの地球には私以外の人間はいないのではないかと思ってしまう。

それはこの空間が静かで、なにかに縛られることなく自由なものであるからなんだろう。


またしばらくすればその寂しさも死んでいく。

外からトラックの音が鳴り、街がガヤガヤしだす。

小学生が駆けているであろう足音や、アスファルトを擦る車の音、カラスが何かを求め飛ぶ音。

それたちと私の心拍が揃う、これが命の音。


夕焼け空も暗く、夜に差し掛かる頃合いにはスズムシやコオロギが鳴き出す。

私を包んでいた夕焼けは、ほどなく離れていってしまった。

次は月あかりが私と街を包む、夜に生きるものたちに、道を示すために。

そして、いよいよ夏が寿命を迎える、これからは秋が命の音を鳴らす。


これから何万回と訪れる、夕焼けと共に。

お久しぶりです。

初めて単一のものを書きました。これからちびちび投稿していくつもりです。

面白いと思えばブックマーク、評価をよろしくお願いします。

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