表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

白百合姫

作者: 山羊ノ宮

あるところに女性しか愛せないお姫様がいました。

「駄目です。姫様。このようなところで」

「僕は全然かまわないけどね。それに君だってこんなに体は反応しているじゃないか」

「そ、それは姫様が御触りになるから・・・」

「それは僕が触るから悪いって言いたい訳?それとも君が触られて反応してしまう淫乱な女だと言いたい訳?」

「違います!私は淫乱なんかじゃ・・・」

「ごめんごめん。僕が悪かったよ。君は淫乱な女なんかじゃない。淫乱な女は僕の方さ。だから、僕が君を滅茶苦茶にしても僕が悪いんだ。許しておくれ。君がどんなに乱れても君のせいじゃない。だから・・・」

「駄目です、姫様・・・ん、あっ・・・くっ・・・ああ・・・」

お姫様は王宮中の女性という女性を食い物にし、王様をほとほと困らせておりました。

困り果てた王様は友人の魔法使いに相談しました。

「どうしたものかのう?」

「では、姫様に、魔法をかけてしまいましょう。貴様ら姫様をここへ連れてまいれ」

「うきゃ♡」

魔法使いがちっこい猿型のかわいい僕たちに命令を下すと、すぐにお姫様は捕まえられて連れてこられました。

「やめろ。放せ!放すんだ!」

「うるさいですね。黙らせなさい」

「うきゃ♡」

ドスッ。

「ぐふっ」

猿型の僕がお姫様の腹にいいパンチを一発入れると、お姫様はぐったりとなって静かになりました。

「して、いかような魔法をかけるのじゃ」

「姫様を男にします」

「ほう」

「しかし、美形ではそこら中の女に手を出しかねませんので、不細工にします」

「なるほど」

魔法使いがちゃちゃっと魔法をかけるとお姫様はブ男になってしまいました。

「それでは起こしなさい」

「うきゃ♡」

猿型の僕がお姫様の顔を往復ビンタし、水をザバーっとかけるとお姫様は目が覚めました。

「うっ、ひどい目にあった。僕は一体・・・」

お姫様は目を覚ますと、僕たちの用意した鏡を見て目をぱちくりしていました。

「これは一体?」

王様が事情を話すと

「こんなの僕じゃなーーーい!」

とお姫様は絶叫して、自分の部屋にこもってしまいました。

それから幾日が経ちました。

お姫様は誰とも会おうとはしませんでした。

心配した王様に心優しき女性が言います。

「私が王子様の心を開いてみせます」

それから心優しき女性はお姫様の身の回りの世話をするようになりました。

初めはお互いの関係はぎくしゃくしていましたが、

「べつあんたのこと心配して、来てやってんじゃないんだからね」

次第に仲良くなっていき、

「一緒にいて居心地いいとか。ただそんな理由よ。別に他に理由なんてないんだから」

なんだかんだあって、

「言葉で言わなきゃ分からないって?そんなのあんたが鈍感なだけじゃない。それぐらい察しなさいよ・・・もう、仕方ないわね。じゃあ、言ってあげるわ・・・その。す、好きだよ・・・」

結婚することになりました。

婚前、魔法使いが王様に言います。

「もう魔法を解いても王宮中の女性に手を出すような真似はしないでしょう」

「そうであるな」

魔法使いがちゃちゃっと魔法を解くとお姫様は元の姿に戻りました。

「どうだい?これが僕の本当の姿さ!」

「・・・ごめんなさい。私、女の人と付き合えません」

婚前でサクッと振られたお姫様は、そのことがトラウマになってそれ以降王宮中の女性に手を出すような真似はしませんでしたとさ。

めでたしめでたし。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これ、ツンデレがやりたかっただけなのでは(笑) 失礼しました。 そもそもタイトルからしてイケてる感じですが、中身も負けず劣らず面白かったです。単なる発想の文章化にとどまらず、しっかりと話とし…
[一言] 面白かったです。むちゃくちゃで、それでいてしっかりとストーリーとなっているところが、なんともいいですね。 ツンデレのくだりは、リズムが良くって好きです。 あと、猿の下僕の語尾がツボでした。…
[一言] 白百合姫が大西賢示さんに思えてしまいました。 面白かったです。 でも好みとしてはもっとグロい方が……。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ