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オークと戦力2

オークの巣に着くと、ミソラと作戦会議をする

……と言っても、ミソラが前衛私が後衛なのは変わらないのだが……

オークの数が多いため、大きな魔法で一気にやっつけるのがいいと思ったからである

オークの巣は、洞窟をそのまま住処にしているらしく、中は少し迷路のようになっていて、入口には複数の見張りと、何やら宴をしているような雰囲気のオークが十数名いた


「私が合図したら、ミソラは左からなるべく音なくオークを狩ってって。私は右から行く

見張りが居なくなったら、気づかれる前に中に潜入するよ」

〔否、私一人でも殲滅できます〕

「わかってるけど、私達(・・)への依頼なんだから、私にも活躍させて」

〔……了〕

ミソラ、不服そうに言っても可愛いだけだよ


確かに、ミソラにやらせればきっと私が手を出すより素早く終わらしてくれるだろう

でも、ミソラを物として見れない私にとっては、それは申し訳なく感じるし、ミソラの手柄を自分の手柄とするのは心苦しいとこがあるのだ

それをわかって欲しい


……と、話が脱線してしまった。

思考を飛ばしてる間にミソラは配置に着いたようでこちらを見ていた

(いくよ、ミソラ)

〔了〕

念話魔法(テレパシー)で合図を出すと同時に私達はオークへと襲いかかった



結果から言えば圧勝である。

私が強化魔法を使って頭をかち割り3〜4匹仕留める間に、他のオークをミソラが全て狩ってしまった

すぐさま収納魔法に死体を入れると、灯魔法(ライト)を使って中に侵入し、結界魔法で入口を閉じた


(道は私がわかるから先導するね)

〔(否、それは認められません。マスターであるユウリを守るのが私の役目です)〕

(大丈夫。オークなんかにやられるほどヤワじゃないから。私の結界魔法(チカラ)が信じられない?)

〔(それは……)〕

少々意地悪な言い方をして、何とか先頭を歩かせて貰えるようになったので、探索魔法とMAPを見比べてオークのいない場所を選んで奥へと進んでいく

全部倒すんじゃないかと聞かれそうだが、ここまでの規模だと確実に上位個体が居る。

上位個体は知性を持ち、下位個体を生み出し使役するため、上位個体が出た場合は先に上位個体を潰さなければ意味が無いのだ。

その為、余計な戦闘は避けて奥に行けるのが好ましい。


道中、どうしてもオークのいる場所を通る時は、ミソラが素早く狩り私が収納魔法に入れるという連携で通り抜けた

あまりにもあっさり終わるので、上位個体とやり合う時の作戦会議まで済ませた程だ。

やっぱりミソラは優秀である……


最奥に着くと、予想通りオークに囲まれて、上位個体のオークキングがいた。


作戦通り、ミソラが周りのオーク達を狩っていく。私は、後ろから着いていきながらオークを回収してるだけのフリをした

すると、オークキングが私を見てニヤリと笑い、私を人質にしようとでもしたのか、オークを私にけしかけてきた

「予想通り!」

襲ってきたオークを強化魔法の入った拳で殴り倒していく

その隙にミソラが裏手に周り……



咄嗟の殺気に気づいたのか、まぐれか、オークキングが飛びかかったミソラを叩いた


「ミソラ!?」

〔大丈夫です。それより自衛をユウリ〕


岩壁にめり込むほどの力で叩かれたミソラは、瓦礫を零しながらゆっくり立つが、怪我はなさそうである


その隙に私から潰そうとでも考えたのか、オークキングが私に対して叩き潰そうとする動作をしてきた


「あったまきた」

ミソラを殴られて苛立った私はあえてその腕を受ける

そして……

反射魔法(カウンター)

攻撃をはね返した。


オークキングは無様に頭から重力に押され潰された


反射魔法は、相手より魔力の高いものが使うと、自身が受けるはずだったダメージの結果を相手に返せる、というスキルだ。

私は結界魔法で無事だが、反射した結果(・・)は、そのままオークキングに返り、結界魔法など使っていないオークキングが潰れたというわけである。


「どんなもんだ!私だってやりゃあできるんだぞ!!」

〔……ユウリ……〕

何か言いたげなミソラを無視して、オークキングを収納魔法にしまう


オークキングがやられると、オーク達は挙動不審になった。

その為、無事瓦礫から抜け出したミソラと巣の隅々まで手分けしてオークを狩った

入口を塞いでた為、撃ち漏らしは避けることが出来たようだ。その証拠に、入口付近でギュウギュウ詰めになってるオークがいた。

ごめんね、来世は魔人にでも生まれ変われるといいね


全てのオークを倒して、収納魔法にしまえたので、転移魔法でギルドの解体所に戻ると、誰もいなかった

おかしいな、と思いつつ、オークを机に並べてると……

「あらぁ〜?噂の人物が帰ってきましたねぇ〜お帰りなさいませぇ〜」

後ろから声をかけられてビクッとした

「ひゃっ……た、ただいまです」

「オークを並べるより〜、早く、ギルドマスターさんに挨拶してきた方がいいと思いますよォ〜?」

「はぇ?」

唐突な、エリさんの発言にハテナを浮かべながらギルドの受付に行くと、

何故かギョッとした視線で囲まれた


え、私またなにかしましたか……??


オロオロしてると、慌てた様子のギルドマスターが受付に出てきた

「そう、早急に!間に合わないかもしれないけれど人数を集めて!出来ればオークの上位個体にも怯まない人達を……」

「あれ……?ほかのとこでもオーク出たのかな……?」

ミソラに語りかけるとギルドマスターが私に気づいたようだ

「!?ゆ、ユウリさん?!良かった、無事だったのね!」

「ふぇっ??」

「他の協力者を募る間もなく行っちゃうから心配したのよ?上位個体もいたでしょう?よく逃げてこれたわね、良かったわ。ミソラさんが優秀だから何とかなるかもしれないけれどユウリさんは後衛なんでしょ?無理しちゃダメよ??」

……なんだろう、話が噛み合ってない気がする


〔「えっと、オーク及び上位個体オークキングの討伐任務クリアしました」〕

「あら?討伐できたのね!それほどミソラさんに戦力があるとは思わなかったわ……オークキングはSランク討伐対象だから、これで心置き無くSランクになれるわね。おめでとう」

〔「あの……?」〕

「そうとなれば、まずは死体の回収ね。さすがに全ては入らなかったでしょう?」

〔「いえ、全部入りました。私が倒した個体は頭が吹っ飛んでますが……」〕

「ええ、だからミソラさんの……待って?ユウリさんが、倒したって言ったの?今」

〔「はい、そうです」〕


「ユウリさん後衛よね?いったいどうやって……」

〔「殴りました」〕

「は?」

〔「殴りました」〕

「……殴るって……え……?ユウリさん、魔法使い件ヒーラーよね?」

〔「物理ヒーラーです」〕

「なにそれぇ……」

〔「物理戦闘、近接戦闘も可能なヒーラーです。あと、勘違いしてるかもしれないので言いますが、ミソラが私の所に来てくれたのは、つい最近です」〕

「えっ、じゃあ、Aランクまで行ったのは……」

〔「(ユウリ)です」〕

「Sランクにならなかったのは……」

〔「私のコミュ障が原因で王宮に行きたくないので行かなかっただけですね」〕

「そんな……もったいない……」


もったいないと言われましても……これが私なのだから仕方ない

〔「……というわけで、オーク共を買い取って頂きたいのですが、死体置くのは解体所でよろしいですか?」〕

「え、えぇ、お願いするわ。」

一気に疲れたような声で返されてしまった……

解せぬ……


ーーーーー


その後、オークとオークキングは素材を買取って貰えた。金額が金額なだけに、一括での支払いは無理だと言われたが、ギルド共通の銀行がある事と、当分の生活費があればこの街で準備を整えて次の街まで行けるため、何も問題ない。

お金が出来たら振り込んでおいて欲しいと、振込先を伝えるだけで済んだ。


オークキングの遺体を見て、リィラさんもエリさんも唖然としていたのは少し笑えた

鏡餅みたいになってたもんね、ビックリするよねそりゃ


そしてギルドランクだが……


「1回目の討伐でBランクに、今回のオークの巣壊滅でAランクに昇格よ。」

〔「えっと、そんな簡単にあげちゃっていいんですか?」〕

「普通なら良くないけど、今回は前提が違うもの。元々Aランクだった人がSランクの任務をこなした、これはAまで戻らなければおかしいじゃない。本当ならSランクにしたいところだけれど……」

〔「む、無理です……」〕

「そう言うと思ったわ。

……ところで、この街のダンジョンには挑戦するの?」

「えっ、この街にもダンジョンがあるんですか?」

「あるわよ。しかも未踏破のダンジョンが。」

「未踏破……っ詳しく教えてください!」

興奮して口から自然と言葉が漏れてしまっているが問題ない

私は胸のドキドキを感じながらギルドマスターの言葉に耳を傾けた

パルデア地方に旅立ちます。探さないでください

(訳︰次回更新遅れます)

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