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登録2つと珍客

遅くなってしまって申し訳ございません

ギルドに帰還すると、まず真っ先にギルドマスターの部屋へと通された。

まず先に素材を換金したいと思わなくもない(アイテムが仕切られてるとはいえ、虫を入れてるなんてちょっとゾッとする)が、言われた通りについて行くと、


ギルドマスターの正座を見ることになった


〔「体をあげてください?!」〕

「あなたがしてくれたことを考えたら、上から見下げるなんて失礼なことできないわ。本当に有難いと思っているからこその正座よ」

〔「正座でいられる方が落ち着かないんですけれど?」〕

「だからといって恩人を見下げるなんて神様が許しても私の気持ちが許さないわ。本当にありがとう」

正座のまま深々と礼までしてきた。これはなかなか個性的な人を引いてしまったようである


「ところで、ダンジョン攻略はできたの?出てきた時間的にあまり深い層ではなかったのかしら?」

〔「あー。いえ、別の収穫があったので、例のフロアの攻略だけで帰ってきました。ダンジョン制覇はやりたい人にやらせてあげてください」〕

そのまま話し出すギルドマスターに、もう反論するだけ時間の無駄だと察して返事を返すと、キョトンとした顔で「収穫って?」と聞かれた


〔「これです。多分両方、アーティファクトです」〕

「アーティファクト?!」

驚きでか、ようやく正座から膝立ちになった


「アーティファクトが見つかっただなんて、王宮に知らせを届けないと、いや、でも、それはユウリさんが困るのよね確か……どうしようかしら……」

〔「登録だけさせて貰えたら、そのまま次の街に旅立ちますよ。現にミソラの件で王宮からの使いから逃げるために旅をしてるので」〕

「あぁ、ミソラさんの事をどうしたのかと思ってたけど、そのためにこの街に来たというか寄ったのね?

そうね……登録だけなら、すぐに済ませられるから、やってしまいましょうか。

アロゥ!お仕事よ!」

ギルドマスターが手をパンパンと叩いて通路側のドアに向かって叫ぶと、少しした後に、2人の人物が入ってきた


その片方の人物を見た瞬間私は「透明魔法(スケルトン)」で自分とミソラの姿を消した


「お呼びでしょうか、ギルドマスター」

「アロゥ、あなたやってくれたわね……」

「はい?」


アロゥと呼ばれた人は、多分悪気なく連れてきたであろうその人は……王子だった


「殿下、今宵はどのようなご用事でしょうか?」

「人を探している。アーティファクト所持者だ」

「アーティファクト所持者。今回も勧誘でしょうか?」

「いや、今回は傍において語らうことが出来なそうな相手でな。純粋に友になろうと考えて探している。」


友……?王子と??無理がありすぎる

登録予定のアーティファクトだけを残して、ゆっくり部屋から出ようと移動しながら会話を聞いているが、流石に友は無理だろう。そんな事になったら発狂する


聞き耳を立てながらもゆっくりと扉を開け、出ていこうとしたその時、もう1人誰かが入ってきた

不意打ちに近いその動きに反応しきれず、思わず透明魔法(スケルトン)が解けてしまう


「アレン王子!待ってくださ……って、ユウリ!ちょうど良かった」

「アンナ?!どうしてここに……?」


目の前にいきなり、旅に出る時に別れたはずの親友が現れて驚いていると、王子がこちらを見た


「ああ、君がユウリかアンナから話は聞いている。コミュ障なんだろう?無理に喋れとは言わない、だが、同じアーティファクトを愛する者として友人になれないだろうか?」

話の流れが早いっ!オーバーリアクションで首を横に振ると、「そうか……」としょんぼりしたような声が聞こえてきた


ああもうそんな叱られた子犬みたいなリアクションをしないで欲しい。なんだか悪いことをしている気分になってくる


〔「……えっと、ミソラを通してなら会話ができます、断ったのは、まだ信頼関係がないからで……」〕

「無いなら今から作ればいい。それにしても、ふむ……ミソラか……確かアーティファクトの自動人形(オートマタ)だったな。俺でも所持しているのは3体……動くのは2体だけだ、実に興味深い」

〔「2体……どのような子達なのですか?」〕

「ふむ、一言で言うなら、妹だな。

背丈が100ほどしかなく、意志を持たない、ネジ巻式の双子型自動人形(オートマタ)だ。」

〔「意志を持たない……?」

……ユウリ、(ミソラ)のように自我を持つ自動人形(オートマタ)は、私の時代にも少なく、多くは意志を持たない、ひとつの行動に特化した、自動で動く人形の事を自動人形(オートマタ)と、呼ぶのですよ〕

「そう、ミソラの言う通り、意志を持って自分から動く自動人形(オートマタ)は、過去に一体しか見つかっていない。しかも今はエネルギー切れか故障か、動かなくなってしまっているんだ。まるで眠っているかのような、とても素敵な姿をしているよ」

「そうなんですね……だから、自動人形(オートマタ)の情報が少ないのか……」


過去にアンナと語り合った時を思い出してそう言うと、

王子がちょっと嬉しそうに笑った


「どうしました?」

「いや、君の声が思ったより素敵だったから嬉しくなってしまってね」


……ハッ!わたし、普通に喋っちゃってる!!

趣味の話になるとどうも警戒が緩むらしい、お世辞とわかっていても、歯の浮いた言葉に、今更恥ずかしくなってミソラの影に隠れた


これ以上お世辞を言われたら恥ずか死ぬ自信がある。

王子様に言う言葉では無いが、思わず黙ってて欲しいとお願いした

「嫌われては嫌だからね。少し静かにすることにしようか。本題があるんだろう?」

〔「そうだった。ギルドマスター。本題を進めて貰えますか?」〕

「あぁ、登録ね。アロゥ、それにちょうどいいからアンナさんも。こちらの2点のアーティファクトをユウリさん名義で登録してちょうだい」

「「分かりました」」


テキパキと書類が準備されていく。わたしは、美空の影から、腕を伸ばして机の端で書類にサイン等を書いた


ちなみにこの作業中、宝箱は王子と戯れ?ていた。

厳密に言えば、動き出したところを王子に捕まって、隅々まで観察されていた


書類が書き終わり、手続きが終わりそうになった時に、王子が宝箱の署名を見て、「見たことある」と、言葉を漏らした


〔「見たことがある……って、この署名がですか?」〕

「ああ。趣味に合わせて、冒険者登録をしているから、たまに1人でダンジョンに潜るのだが、その時に見つけたものにも同じ署名が書かれていたはずだ」


なんと、早速署名の手がかりが……ミソラ関連の手がかりが見つかった。私は少し興奮気味になる

〔「その見つけたものって、一体なんですか??」〕

「あれは……なんと言ったらいいのか……」

興奮する私とは反対に、言い淀む王子。

どうしてだろうと首を傾げていると、こいこい、と手招きされた


王子はまだ怖い……でも聞きたい……


結局好奇心の方が勝って、ミソラに頼んで代わりに聞いてきてもらう


「ミソラ、なんだった?ミソラ関連のアイテムだった?」

ワクワクと聞いた私が馬鹿だったと後で思う。

ミソラは、恥ずかしげもなく、声を潜めるでもなく、答えてくれた。


「私の男性型ボディーパーツのようです。」

……と。

ミソラのイメージのアバターをRealityで作ってみました。

詳細は画像から

https://40918.mitemin.net/i711238/

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