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逃げる宝箱と追うユウリ

今回短いです

「まぁぁぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

走りでは到底追えないだろうと即考え、

浮遊魔法で浮きながら猛スピードで逃げる宝箱を追いかける

……が、あと少しと言うところでひょいひょい避けられてしまう

先程なんて、角においつめたと思ったら

天井(・・)を走って逃げた


宝箱が天井を走るな。いや、そもそも走るな。


「ゼー……ハー……ミソラ、コレ、本当に私ひとりでやらなきゃいけないの?」

〔是。私は手を出してはいけないとプログラムされてます〕

「ぷろぐらむだかなんだかよくわかんないけど、これ、挟み撃ちでもしない限り、追いつけないよ……」


頼みの綱であるミソラが一緒に協力してくれないので、少し弱気になってしまうと同時に

逆に、そこまで頼る程心が許せてるのだと思うとなんだか照れくさくなったが、今はそれどころじゃない。

あの宝箱をどうやって捕まえるか考えなければいけない


(暗闇魔法がこの空間にはかかってないのがせめてもの救いだけれど、一人でやるとなると、やっぱり魔法だのみか……)

魔力を余計に使ってしまうので普段はしないが、無詠唱で結界の檻を作る。

結界は無色透明な為、魔力が感知できるわけじゃなきゃ気づかないだろう。

(あとは追い詰めるだけ!)

追い込み漁のように檻に向かって宝箱を追い詰める。

あとは檻に入るだけ!と言ったところで、見えないはずの檻を踏みしめ、宝箱はまた天井へと逃げてしまった


「なんでぇー?!」

〔あの宝箱にはある程度知能がありますから、二度同じ手を使ってきた時点で何かあると勘づいたのでしょう〕

「そんなのあり?」


騙し討ちが無理なら、正面突破しか無い。重力魔法(グラビティ)を発動し、宝箱を中心とした空間の重力を重くする。

分かりやすく宝箱のスピードが落ちたのを確認すると、自分だけ重力魔法がかからないように調整してから、

ノロノロとなお逃げようとする宝箱に近づく

今度は、なにか抵抗されることも無く、宝箱に手が届いた


持ち上げると足をバタバタさせて逃げ出そうとするが、

「捕まえた〜!」と喜ぶと、相対するように足の力が抜け、哀愁を漂わせてきた

「感情豊かな宝箱ってどうゆうこと……」

〔さすがユウリ、試練突破です〕

「本当?良かったぁ」

〔中身を確認しましょう〕

「そうだね、また逃げられても嫌だし」

哀愁漂う宝箱を開けると、

中には美しい細工の入った短刀の双剣だった


「これは…、ミソラの専用武器って感じなのかな?」

〔はい、私に合わせたアイテムが色んなダンジョンに隠してあると創造主はいってました〕

「全部美空に合わせたアイテムってこと?署名とかないのかな?」

短剣をぐるぐると色んな方向から見てみるが、署名はなく、もしかしてと思って、

短剣を取った際からいじけてる宝箱を確認する

「あった!…けど、読めないね…」

その署名は字が下手だとかそんなことはなく綺麗に書かれていたものの、共通語とは違う文字で書かれていた

全く見覚えのないその字は、言うなれば別時空の文字のようなそんな感じのする見た目をしていた

「ミソラは創造主さんのこと、名前で呼んだりとかしなかったの?」

〔否。1度呼びましたが、「その名前で呼ばないで欲しい」という命令とともに、なんと呼んだかの記憶も消されました〕

「名前が知られたくなかったのかな…?犯罪者なのか、それとも…私みたいに名を売りたくなんて無い人だったのか…どっちなんだろ」

どちらにせよ、署名はあったのだ。全く見分けがつかないよりは、ミソラの創造主が作った物だけを集める事が少しは楽なのかもしれない

いや、積極的に集めるつもりは無いけど


「よし、とりあえず、ここから出るか」

〔お任せ下さい〕

前回同様、出口がないか探していると、ミソラが壁をぶっ壊した…

なんてことは無く


宝箱を拾い上げると、〔道案内をお願いします〕と宝箱に語り掛けた

道案内?と疑問に思うまもなく、ガタガタと動き出した宝箱からは腕がニョキっと生え、

あっち、と壁の1箇所を指した

〔ユウリ、はぐれないように着いてきてくださいね〕

ミソラはそう念を押すと、壁の中に吸い込まれて行った


叫びたい気持ちになったが、はぐれないようにと言われたばかりである。意を決して息を止めて壁に入ると、

壁の中なのに何故か少し前を歩くミソラの姿が見えた


宝箱の案内で右に左に曲がっていくと、途中で息苦しくなってスッと息を吸い込んだが、何故か普通に新鮮な空気が肺に入ってきた。

一体どういう原理だ


1分ぐらいたってようやく元の道に出ると、

ボスカマキリがいた後ろあたりに卵らしき物体が蠢いていたので収納する。

収納魔法内は時間が止まるので、孵化するのを防ぐための行動だったが、少しだけ気持ち悪かった


「なんか疲れたし、もう帰ろうかなぁ」

〔ダンジョン制覇しに行くのでは無いのですか?〕

「うん、良く考えたら、ここが脅威だっただけだし、ダンジョン制覇者として名前残したりとかしたくないし……思わぬ収穫があっただけで満足してるから、いいかなーって。」

〔なるほど、それでは、転移魔法で戻りましょうか〕

「うん。


……それはいいんだけど、その宝箱連れてくの?」

ミソラが、ずっと宝箱を両手のひらに座らせた?ままこの会話は進んでいる

ちなみに今はルンルンしている


〔当然です。署名がこの宝箱にある以上、この宝箱も創造主の作品ということになります

それに、同じ署名を探す際に必要になりますから〕

「それもそっか……でも、歩く宝箱なんて……魔物扱いされてもおかしくな痛っ……くない」

私の発言に機嫌を損ねたのかパチンと両頬を挟み撃ちされた


不満だけど言い返せないみたいな念を感じる


「とりあえず、アーティファクト登録はしておくかな……

……こんな短期間にアーティファクト増やしたと知られたら王子に目をつけられそうだけど…」

ゾッとする考えを振り払って、そう決めると、

転移魔法を使ってギルドへと帰ってきた。


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