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24話 拠点破壊クエスト。爆裂魔法は計画的に!

~冒険者ギルド~

 今日は俺への指名クエストが有るらしい。

 受付に行くと、ローリーがクエストの書類を取り出した。

「ボンベイ平原に作られたネズミ系亜人の拠点の破壊クエストです」

 ネズミ系亜人?

「なっ!?ちょっと待て!ダイスケを殺す気か!?」

 セシールが口を挟んで来た。


 ダイスケはネズミ系亜人って知ってるのか?」

 ネズミの亜人…真っ先に思い浮かんだのは、東京と言いつつ千葉に有るテーマパークのマスコットキャラだった。

「楽しそうな顔してるが、たぶん全然違う奴だ。良いか?ネズミ系亜人ってのは凶暴で略奪を生業なりわいとするゴロツキだ。しかも大集団で行動するから、いくらダイスケが強くても危険だぞ」

 確かに大集団は危険だ。必殺のデスバスターも射程は短く単体向け。囲まれたらゾンビ映画みたいになってしまう。

 圧倒的強さのマッスルベアーを召喚すれば対処できるが、魔力の消費量が激しい。アイツを呼ぶのは最後の手段だ。

「ゲドーみたいにレベル限界突破しないと厳しいな…近づかずに広範囲火属性魔法ハイパーナパームで焼き払ってしまうか?」

「ちなみに、彼らの拠点は穴を掘って地下に作られています」

 地下か…地上を焼き払うハイパーナパームは意味が無い。となると…

「水攻めだな!これなら1人残らず皆殺…」

「あ!今回は指名手配犯ではなく、あの世の遣いの依頼でもないので殺さないで下さいね。あくまで拠点を破壊して追い払うだけです。戦闘は正当防衛の範囲でお願いします」

 あっぶねー!モンスター討伐の感覚で皆殺しにするところだった。


 資料を見ると、この町も過去に何度かネズミ系亜人による襲撃を受けて来たらしい。

「早めに対処した方が良いか…ローリー、クエストの受注手続きを。どう攻略するかは、行ってから考える」

「待て!ダイスケだけでは無理だ。私も一緒に行く」

 セシールも付いて来ると言うが…

「俺1人で良い。付いて来られても広範囲魔法が制限されて邪魔だ」

「だからって1人じゃ…おい!ダイスケー!!…行っちゃった」


「何でダイスケを行かせたんだ!?専門の奴に任せた方が良いだろ?」

「それが…専門の方は首都に行ってしまわれて、今この町でネズミ系亜人に対処できるのはダイスケさん位しか…」

「俺も行こう。ネズミ系とは何度も縄張り争いをやっている」

「貴方は!?」「お前は!?」



~ボンベイ平原~

 ネズミ系亜人の拠点を探すが、見付からない。

 探知魔法にも引っ掛からないとは、かなり高度なステルス性能を持っているのか?


「苦戦してるようだな」

 話し掛けてきたのは、8頭身のイケメンなゴブリンだ。彼はマッスルベアーに拠点を襲撃されて以降、ガルシアの町に住み着いた。ユニーク個体とか言う突然変異のインテリ系で、亜人達とも仲良く過ごせている。

「イケメン?どうしてここに?」

「ゴブリンとネズミ系亜人は敵対しててな。よく縄張り争いを繰り広げていた。専門的な知識を持っているから、このクエストに参加させて貰った」

 専門家か。なら彼がメイン、俺が補助に回った方が良いだろう。

「それと、俺の名前は『ハン・サム・ゴブリン』だ。『イケメン』という名ではない。そうだな…『サム』と呼んでくれ」


 平原を探索し、サムがネズミ系亜人の足跡を見付けた。その足跡を辿る。

「ここだ。足跡が途切れてる。せーの!」

 サムが何かを持ち上げる。

 それはベニヤ板。これに草を張り付けて出入口の蓋にする事で発見が困難になっていた。

「まるでベトナム戦争時のゲリラ拠点だな」

「べとなむ?げりら?よく分らんが、とにかく奴らの拠点はこうやって隠してある。そんで、必ず数ヵ所に出入口を設けている」

 サムがメッセンジャーバッグから缶詰を取り出す。

「それは?」

「空間の歪みから現れた『物凄く臭い缶詰』だ。ラベルに書いてある文字は読めないが、おそらく異世界の兵器だろう。これがネズミ系亜人を追い払うのに最適だ」

 ラベルには『SURSTOROMMINGSシュールストレミング』と書かれていた。俺の前世の食い物だ。


「良いぞサム、やってくれ」

 俺は大きく息を吸い、息を止めた。

 サムがシュールストレミングを開け、奴らの拠点に放り込む。

「…ぷはっ…くっさ!マジ臭い!!サム、お前は平気なのか!?」

 平然としているサム。

俺達ゴブリンは悪臭に強いから平気だ」


~3分後~

 少し離れた所にも出入口が有ったらしく、そこから小人達が這い出てきて、一目散に逃げて行くのが見えた。

「あれがネズミ系亜人?」

「そうだ。成人でもあの大きさ。ゴブリンと変わらん」


~10分後~

「さて…俺は中に入って逃げ遅れが居ないかの確認と、戦利品の拝借をして来る。お前は?」

「この悪臭の穴に?無理だ」

「だろうな。すぐ戻る」


 サムは凄く臭くなった拠点内に潜り込み、戦利品を回収して帰って来た。

「中には誰も残ってない。後はぶっ壊すだけだ。俺は破壊するすべを持たないから、お前がやってくれ」

 ようやく俺の出番だ。


 安全の為、少し離れる。

「試してみたかった爆裂魔法、いくぞ!地中貫通爆弾バンカーバスター!!」

 地中貫通爆弾が降ってくる魔法のつもりだったが、どこからともなく現れた戦闘爆撃機F-15Eストライクイーグルが地中貫通爆弾を投下した。

 俺の魔法は希にこのような演出が発生してしまう。雑念のせいだろうか?

「変わった魔法だな」

「よく言われる。衝撃に備えろ!」

 地中貫通爆弾が奴らの拠点内まで貫通し、大爆発を起こす。

 この爆発で震度4程の地震が発生した。


 ネズミ系亜人達の拠点は巨大なクレーターになった。

「クエスト完了。…やり過ぎたか?」

「そうだな。お前が味方で良かったよ」



~冒険者ギルド~

 何やらギルドが慌ただしい。海賊王でも来たのか?

「騒がしいな。どうした?」

「ダ、ダイスケさん!?じ、地揺れが…それもかなり大きい地揺れが…もう、世界の終わりが近いのかもしれません」

 地揺れ?…地震の事か!?

 もしかして、この町の住民って地震に慣れてない?

「ローリー、その地揺れだが…たぶん俺が盛大に爆裂魔法をぶっ放したのが原因だ」

 騒がしかったギルド内が一瞬で静まり返る。


「拠点破壊クエストで、世界を破壊する気ですか!?」

「そんなつもりは無い。俺は破壊神じゃ…」

「ダイスケさん、どうも。憲兵1課です。詳しい話を聞きたいので御同行をお願いします」

 たまたま居合わせた憲兵に連れて行かれた。


 この後、憲兵と共に現場検証、爆裂魔法を使う際の注意点の復習、そして反省文を書かされる事となった。

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