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魔王少女  作者: mizuyuri
第五部
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第十二話 懸賞金額

 無事誤解も解けた事もあり、とりあえずはリリーちゃんの右手を治療する。

 浮遊狐は、何かバツが悪そうな感じになってはいるが、ガン無視しておく。少しは反省しろクソ狐。


「あ……ありがとう」


 照れくさそうに微笑みながらお礼を言うリリーちゃん、クソ可愛いなオイ。


「おい浮遊狐。犯人ノゾミちゃんって判明しただろ?早く、私にしたみたいな説教しに行けよ」


「ノゾミ……ノゾミは……そのうちするよ」


 何か煮え切らない返事だな……もしかしてノゾミちゃんの事苦手なのかコイツ。


「……ノゾミは、気分を害すると、手が出てくるから、色々言い回しを考えてからでないと怖いんだ」


 私の表情で察したのか、聞いてもいないのに言い訳をする浮遊狐。


 そういや前に、寝てるノゾミちゃんを起こしたせいでぶん殴られて、一晩中気絶してた事あったっけな……いまだに根に持ってんのかよ?


「まぁそれはともかくとして……このリリーちゃんは、どっから、どうたぶらかして連れて来たんだ?」


「たぶらかす、とは失礼だな……きちんと事実を説明して、本人の了承を得て来てもらっているよ。出身はイギ……プライバシーは守らせてもらいたいから、海外から、とだけ言っておくよ」


 言いかけてんじゃん!?もろバレだよ?本名もバラしてるし……プライバシー大丈夫か?


「海外ね……にしては日本語上手いじゃん。わざわざ勉強してきたのか?」


「それに関しては、僕が翻訳魔法をリリーに使っているから、わざわざ日本語を習ったわけじゃないんだ。僕等の世界は、キミ達みたいに攻撃魔法主体じゃなくて、そういった補助的な魔法が主体になっているんで僕でも援助できるんだ」


 何それ!?すげぇ便利だな!?私も覚えたいなその魔法……そうすりゃ英語のテストとか高得点とれんじゃね?

 いや……とりあえず今は、そんな事は置いといて。


「あれ?前に、海外からのスカウトはパスポートとか金銭的な問題で無理だ、みたいな事言ってなかったか?」


 その辺の都合があって、海外からの才能ある子がスカウトできないって、昔嘆いてなかったか?


「それが今回に関しては問題解決してるんだ!」


 何かすげぇドヤ顔になってんだけど、この浮遊狐……超うぜぇ。


「今回はレイ様の支援が加わっているんだ。『人間災害を倒すための支援はいとわない』という事で、金銭的援助があって、日本での滞在費用はそれで何とかなっているんだ。パスポートに関しては、レイ様が独自に持っている、僕達が使用している専用の異世界移動ルートがあるから、それを使って来ているから、飛行機や船は使ってないからパスポートは必要なくなったのさ!」


 オイ!?超ドヤ顔で言ってるけど、それただの密入国じゃねぇかよ!?犯罪だってわかってて言ってんのかこの浮遊狐!?


「なぁリリーちゃん……何で、こんな胡散臭い浮遊狐を信用して、日本まで来ちゃったんだ?」


「えっと……お金……欲しかったから」


 うん。清々しいくらいにわかりやすい理由だね。

 やっぱ皆お金欲しいよね。正直でよろしい。


「一つ聞いていいか?……私の懸賞金っていくらなんだ?」


 さすがに、某海賊漫画みたいな懸賞金額はついてないだろうけど、わざわざ海外や異世界から私を狙いに来るって事は、そこそこの額が付いてんだろ?

 いったいどんだけの金額なんだ?少なくとも宝くじ当たるくらいの額はついてんのかな?


「そうだね……この世界での金額に換算すると500億ドルくらいかな?」


 某海賊漫画の懸賞金額軽く超えてんじゃねぇかよ!!?

 おかしいだろ!?私が何したって言うんだよ!?何でそんなぶっ飛んだ額が付いてんだよ!?しかも『ドル』って……日本円にしたら兆いってんじゃねぇかよ兆!!?そんな金額をポンッと一般人にやるなよ!?個人があっさりと手にしていい額じゃねぇぞ!?っていうか贈与税いくらだよ!?


「まさか脱税する気か!!?」


「いきなり何を叫びだすんだいキミは……だいいち、脱税してるのはキミじゃないか」


 言われてみればそうだった!?私も絶賛脱税中だった!

 思った事がおもわず口に出てしまうあたり、私もだいぶ混乱してんな……


「まぁともかく、500億ドル程度とは言っても、僕等の世界は、キミ達の世界とは貿易はしていないから、キミ達の世界の通貨は持っていないんだ。だから、換金すれば500億ドルに相当するだけの貴金属を与える、ってレイ様が言っていたんだ」


 税金対策か!!?いや、さすがにそこまでは考えてない……よな?


「あ~……何だ?とりあえず、リリーちゃんは、その金を目当てに私を倒しに来たってわけか」


 額が額だからな。単純計算でも、年収500億円の生活が100年以上できるわけだろ?私一人を何とかすれば、贅沢しながら一生遊んで暮らせるなら、誰だって目の色変えて殺到するわな。

 ……美咲あたりは、笑いながら「裕美死んでくれ!」とか言って闇討ちしてきそうだな。


「私のウチ……貧乏だから……豪華な暮らし……憧れてた」


 これまた馬鹿正直な回答だな。


「でも、ユミ……私の手、治してくれた……ユミ良い人……私、ユミ好き。戦いたくない」


 そんな理由で好かれていいのか私?ってかそんな理由で500億ドル諦めていいのかリリーちゃん!?


「それは困るよリリー!?僕は、ユミを倒す子の支援をしているんだ。せめて形だけでもやる気を出してもらわないと、キミへの金銭的支援を打ち切って、別の子を探さなくちゃならなくなってしまうよ」


 だったら浮遊狐も、別の子探さないで、リリーちゃんと一緒に、私を倒す事諦めればいいじゃんかよ……やってくる連中全員相手すんのとか正直面倒臭いんだよ。

 懸賞金500億ドルだろ?結構な人数が私の命狙ってくるんじゃねぇの?


「じゃあ……形だけ続けるから、今日の分の食費と宿泊費……頂戴」


 強いなリリーちゃん……この性格、私好きかも。


「ユミぃ……」


 こっちに助け求めるような視線はやめろや浮遊狐。

 テメェでスカウトしてきたんだろ?テメェでどうにかしろよ。


 ん?そういえば……

 リリーちゃんって、こんなボソボソと喋る感じだよな?

 ノゾミちゃんの話だと、エフィみたいな中二病全開トーンで喋ってる感じじゃなかったっけ?

 『右腕吹っ飛ばした』とも言ってたけど、実際は『右手首』だけだったし……


 さてはノゾミちゃん、話盛ったな!?


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