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魔王少女  作者: mizuyuri
第四部
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第十六話 同盟強化

「えっと……横からすみません……絵梨佳さんの死因って自殺、だったんですね」


 怒れるノゾミちゃんの発言が切れるタイミングを狙ったかのように、申し訳なさそうに幸が声をかけてくる。

 今まで知らなかった絵梨佳の死因を聞いてしまって、何ともバツが悪そうな感じである。


「美咲さんは知ってたんですか?」


 恐る恐る、といった感じに美咲に確認をとる幸。

 そりゃあ美咲は、何だかんだで私との付き合い長いからな。直接その事については話した事はないけど、絵梨佳の事は察してる感じだった。


「あ~……まぁ、いちおうね。学年は1つ下だったけど、同じ学校に通ってたわけだし……当時は、生徒の間じゃけっこう有名な話だったしね」


 そりゃあそうか、絵梨佳が自殺する前から「アレやばくない?」っていうような噂が、半分当事者である私の耳にも入ってくるレベルで知れ渡ってたし、自殺した後には、私は絵梨佳の葬儀やらで学校休んでたけど、全校集会とか行われていてもおかしくはないだろうから、同じ学校通ってた美咲なら、直接話してなくてもある程度は知っててもおかしくないわな。


「あの当時は、まだ裕美ともそこまで仲良くなかったけど、イジメに巻き込まれてるって話を聞いた事あったし、廊下とかですれ違う裕美はいつも、今以上に『放っておいたら人殺しそうな目』をしてたからなぁ……その翌年にクラス替えで、裕美とは隣のクラスになったけど、壁一枚隔ててる程度じゃ、正直生きた心地がしないレベルで殺気放ってたからな……裕美」


 ん?それ今言う必要がある情報か?


「えっと、つまり裕美さんは、今とあまり変わってなかったって事ッスか?」


 何故その話に乗っかってきたノゾミちゃん?言いたい事言い終えたならちょっと黙ってろよ。


「でもそれを考えたら、裕美様が復讐しないのが不思議ですね?イジメに参加してた人が何人いたのかは知りませんが、大量虐殺があった、なんてニュース見た事ないですよ」


「そうッスね……裕美さんだったら、人を『殺しそう』でとまらずに、人を『殺す』、になるッスからね。例え魔王の忖度があって、マスコミが報道しなかったとしても、これだけ近くに住んでれば噂くらいは流れるもんッスからね……それすらも無いっていうのが謎ッスね」


 何なんだコイツ等?私を何だと思ってるんだ?


「何でもかんでも『殺す』か『殺さないか』で分類するとか物騒だなお前等……私だって大人なんだ、分別はわきまえてるよ。ちゃんと平和的に精神を追い詰める程度でやめてるっての」


 私のイメージを改善するためにも、その辺はキチンと説明しておく。


「やってんじゃんかよ!?」

「裕美様……『平和的』って意味わかって言ってます?」

「やっぱ裕美さんは裕美さんッスね。何か逆に安心したッス」


 三者三様のツッコミが入る。仲いいなコイツ等。


「で?それは武本にもやってるんスか?」


 先程からずっと黙ったまま私達の話を聞いている真衣ちゃんへと、視線だけを向けて質問してくるノゾミちゃん。

 若干声のトーンが落ちてる気がするのは、まだ真衣ちゃんに対してイラついてるからだろうか?


「私が復讐したのは、私にまで危害を加えて来た奴等だけだからな……少なくとも真衣ちゃんはそこに加わってなかったから何もしてねぇよ……なぁ、そうだよな真衣ちゃん?」


 私だけの意見では信用されなさそうだったので、いちおう真衣ちゃんにも同意を求める。


「は……はい……何も……されてない……です」


 私に声をかけられた真衣ちゃんは、一度ビクッと大きく体を震わせると、半泣き状態になって声を震わせながら、私の問いかけを肯定する。

 アレ?ちょっと待って?そんな態度されると色々と誤解されるんじゃ?


「あ~……やってんなコレ」

「裕美様……脅迫はよくないですよ」

「何で隠蔽しようとしてんスか裕美さん?」


 ほら!やっぱり誤解されてるよ!


「ちょっ!?待って!本当に真衣ちゃんに復讐はしてねぇって!」


 真衣ちゃんはあくまでも、魔王としての私にビビッてこういう態度になってるだけだってのをコイツ等に理解させないとダメか?


「あのな?真衣ちゃんがこんな態度なのは、昔私に『自分の体が腐り落ちていく』って幻覚を、痛覚オンで永久ループで見せられたのがトラウマになってて、それをまたやられたくないから、こういう態度を……」


「エグっ!!?ってかやっぱりやってんじゃんかよ!?」

「それは十分『復讐』に分類されると思いますよ裕美様」

「ああ……武本の態度が裕美さんの前だとしおらしくなるのは、そういう理由だったんスね」


 私の話を遮るようにして、再びツッコミの嵐がくる。

 ホント仲いいなコイツ等……


「復讐じゃねぇっての!真衣ちゃんが魔法少女として私の前に来た時は、まだ真衣ちゃんの正体知らなかったんだからしょうがねぇだろ!」


 本当に、コイツ等にどう説明すればいいんだよ!?


「え?この子……魔法少女なんですか?」


 ふいに幸の口から疑問の声が漏れる。表情は少し驚いたような感じだ。

 美咲の方へと目をやると、美咲も幸と同じような顔をしていた。


 ああ……真衣ちゃんが魔法少女だって事、この2人聞いてなかったのか。

 ノゾミちゃんが熱くなってた時にポロっと言ってたような気がしたけど、雰囲気にのまれて、その部分聞き逃してたろコイツ等……


「なるほどね……アタシと同じで、魔王にやられてトラウマ持ちの魔法少女だったってわけかぁ……うん、何となく状況がわかったかも」


 一番理解するのが遅そうな美咲に理解してもらえてうれしいよ……

 ってか、この態度の差を考えると、美咲の神経の図太さは異常な気がしてきたぞ。


「とりあえず状況はわかりました……それにしても、絵梨佳さん……ずっと辛い想いをしてきたんですね……それなのにあんなに穏やかな性格でいられて……スゴイです」


 場が落ち着いたタイミングで、幸が話を戻すようにして喋り出す。


「裕美様!私も決めました!!」


 そして突然叫びだす幸。

 え?何が?何を決めたって?


「私も希美さんと同じく、ずっと絵梨佳さんに味方でいたいと思います!」


 え?マジで?


「幸さんも賛同してくれて嬉しいッス!私達で妹さんの心の傷を癒してあげるッスよ!」


 盛り上がる幸とノゾミちゃん。


「あ……じゃあアタシもそれに加わろうかな?」


 オマエは少しは主体性を持て美咲!?いいのかそれで!?


 それにしても、本人無自覚のまま、どんどん味方増やしてるな絵梨佳……

 でもコレって『魔王反乱同盟』みたいなヤツだよね?絵梨佳の姉としては嬉しいんだけど、魔王としてみると何とも複雑な感じだな……


 盛り上がっている3人の隣で、どうしていいかわからずに申し訳なさそうな表情を浮かべている、絵梨佳イジメをしていた真衣ちゃんが何か可哀想に見えてきたな……

 もういっその事『魔王反乱同盟へ反乱同盟』みたいなのを、真衣ちゃん誘って立ち上げようかな?


 あ、いや、実際は面倒臭いからそんな同盟立ち上げないけど……

 私はどうすりゃいいんだろうか?最終的にはコイツ等全員ボコれば収集つくんだろうか?


 ……謎だ。


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