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魔王少女  作者: mizuyuri
第四部
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第七話 下校時の待ち伏せ

 平穏な日常。

 それこそが、私が一番望んでいるものである。


 いや、正確には『魔法少女である事をクラスメイトに隠して過ごす平穏な日常』と言った方がいいかもしれない。

 実際は『魔法少女』というよりも『魔王』である事を隠している事ではあるのだけれど……


 とにかく、そんな日常にありふれた平穏に混じるスリルとでもいうのだろうか?

 バレたら大変な事になるので、バレないように必死に隠す。


 まぁつまるところ、変身ヒロイン物の王道展開を満喫する事が私の楽しみでもあるのだ。


 そして、本日も無事日常を満喫し、下校時間となる。

 そりゃあね、毎回毎回イベント事が起こってたまるかってんだよ。


「裕美様。今日は一緒に帰れます?昨日はちょっと目を放した隙にいなくなってたんでビックリしましたよ」


 下校チャイムと同時に幸が話しかけてくる。

 おそらく、一緒に帰ろうとしてたのに、昨日は即転移されたから、その隙を与えないように真っ先に話しかけにきたな。

 その証拠に、私が転移魔法使ってもいいように、こっそりと私の着ている制服のスカートの裾を軽く握っている。

 どうする?脱ぐか?


「ほっといてやりなよさっちゃん。裕美だってたまには、欲求不満な体を自分で慰めたくなる時だってあるさ……人間だもの」


 そして案の定、わけわからない事言って絡んでくる前の席の馬鹿。


「そうなんですか裕美様!?あの……言ってもらえれば……その……裕美様の眷属として私が……恥ずかしいですけど……えっと……お手伝いを……」


「さて……帰るかぁ……」


 私はひとり言をつぶやきつつ歩き始める。


「無視かよ!!?」


「裕美様!せめて視界の隅くらいには入れてください!?私頑張ってノッたんですよ!?ちょっとくらいツッコミください!スルーはキツイんで勘弁してくださいぃ!」


 じゃあやるなよ……

 っていうか、幸のやつ最近私にイジメられて喜んでないか?今も私に泣きついてきてる感じだけど、顔は若干嬉しそうだし……

 この前殺した時に変なスイッチ入っちゃったか?スマンが幸……そこまでは私も責任持てないぞ。


「まぁ冗談はさておき……裕美、アタシ達学校終わったら仕事場に顔出すようにヴィグルさんから言われてるんだけど、何でか知ってる?」


 突然通常の世間話に話題を切り替える美咲。

 そしてさりげなく、下校する私についてくる2人。何で一緒に帰る流れになってるんだコレ?


「さあな。私は聞いてないから何かは知らんけど『仕事しに来い』じゃなくて『顔を出せ』だろ。ちょっとした連絡事項とかプリント配布とかじゃね?もしくは説教とか?」


 まぁたぶん絵梨佳の紹介と顔合わせだとは思うけど、どうせ行けばわかる事だ。今ここで教えてやる義理はない。

 ……ってか、もしかしたら違う案件かもしれんしね。

 確証もないのに、わざわざ言う必要はないだろう。


「裕美も知らない呼び出しかぁ……アタシ何かやったかな?」


 何でコイツの頭の中だと『呼び出し=説教』になってるんだ?どんだけ説教され慣れしてんだよ?


「美咲さん。まだ怒られるって決まったわけじゃないですよ。もしそうでしたら、美咲さんはともかく、私まで呼び出される理由がわかりませんから」


 さりげなく毒吐くなぁ幸……


「そっかぁ~言われてみればそうかもなぁ……本当に説教じゃなきゃいいなぁ」


 そして、毒ぶちまけられた事に気付いてないし!?どんだけ馬鹿なんだ美咲!?


「まぁなんだ……私も暇だから一緒に行ってやるから元気出せ美咲。怒られて減給されたら大声で笑ってやるから、な?」


「裕美様、それ単なる嫌がらせしに行くだけじゃないですか」


 そんなどうでもいい会話をしつつ、学校の校門を出る。

 帰宅するには、校門を出て直進するのだが、今回は魔王軍本部へ行くので、右折して町の中心部へと……


「あ……あの……裕美、お姉ちゃん……だよね?」


 校門を出てすぐに声をかけられる。

 視線を向けると、そこには申し訳なさそうに立つ絵梨佳がいた。


「え?『お姉ちゃん』?……あれ?裕美様、昨日一人っ子だって言って……」

「オイ裕美!?ちょっと来い!!」


 私の家庭事情をまったく知らない幸が『??』状態になり、事情をある程度知っている美咲に腕を引っ張られて、絵梨佳からは声が聞こえないだろう位置までつれてこられる。


「どういう事だよ!?何で今更蘇生させてんだよ!?裕美んちのおばさんとかは知ってんのか!?ってかどうやって蘇生させたんだよ!墓の中ほじくりかえしたのか!?」


 そうだよな、この世に残ってる絵梨佳は、墓の下にしかいないもんな……普通に考えたらそう思うよな。


「詳しい事は後で話す。とりあえずちょっとした事故でこうなったんだ。墓を暴くとか、そういうサイコパスな事はしてねぇから安心しろ」


 興奮状態の美咲を落ち着かせつつ、私が魔王だって事は絵梨佳には黙ってろ、という事も釘をさしておく。


「えっと……ああそうか、4年もたってると顔も変わってるからわかりにくいか?……私が裕美で間違ってねぇぞ絵梨佳」


 落ち着いた美咲と一緒に元居た場所に戻りながら、絵梨佳に話しかける。


「あの……えっと、もう聞いてるかもしれないけど、私、魔王さんに生き返らせてもらったんだ……お姉ちゃん」


 うん、知ってる。だって生き返らせたの私だし。


「それでね……私、魔王さんの部下として働く事になったの……あの……お姉ちゃんもそうだって聞いて……」


 うん、知ってる。だって部下になれって指示したの私だし。


「私……死んだ事になってるから、生前親しかった人とは会っちゃダメって事になってるんだけど、事情を知ってるお姉ちゃんとなら会ってもいい、って言われて……早くお姉ちゃんに会いたくて……会いに来ちゃった……」


 そんなに私に会いたかったんなら、何でそんなにオドオドビクビクしながら話してるんだよ!?

 むしろビクビクしたいのはこっちだよ!

 こんな公衆の面前で、幸や美咲という爆弾抱えた状態で……

 一歩間違えたら、すげぇカオスな空間になるぞオイ!?


 お願いです神様……アクシデント等何も無いまま、魔王軍本部に着けますように!!


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