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プロローグ


 俺は中村暖人(はると)。20歳の大学生だ。好きなものは、ガ○ダム作品や漫画、軍事関係と時事ネタ等少し変わっているが普通の経済学部の大学生だと思っている。

 そんな俺は今日も大学に通う。


「需要曲線と供給曲線はこういう風に関係していて……」


 そして今日最後の授業が終わり、三時間の部活も終え、電車に乗り、最寄り駅で降り歩いて帰宅していた。


「あー今日も疲れたな。帰ったらまたZZから見直すかな。」


 そんな事を考えながら歩いていると、突然後ろからすごい衝撃がした。後ろを見ると50代位のおっさんがすごい剣幕でこっちを睨んでいた。体当たりしてきたのだ。そして俺を蹴り倒して逃走してしまった。


「なんだったんだ今のは。それよりもスゲェイッテ、ん?」


 当たった付近がすごく痛かったのでさすろうとすると変なモノがあった。それは、自分の背中に深く突き刺さっていた。包丁だった。

 俺はパニック状態になるのを必死に抑えながら助けを読んだ方が得策だと考えて、人のいる方によろよろと歩いていき、


「き、救急車呼んでください?!!」


 と叫んだ。すると、何人かがこちらに来てくれた。だが血が流れすぎたのか、すぐに意識が無くなった。意識が無くなる直前、走馬灯のように、今まで接してきた人や家族に対する思いややりたかった事への未練、そしてもし死んだら神様仏様に会ってみたいな、といった事が頭に浮かんでは消えていった。



 そして





「その願い、確かに聞き取った。」





 そう聞こえたような気がした。





 気がつくと、そこは何も無い所だった。本当に何も無かった。景色とか色々なで表現できる場所ではなかった。


「貴様が中村暖人か?」


 そこには人型のモヤがあった。


「人型のモヤとは失礼な。生前に礼儀を教わらなかったのか?」

「それはどういう事ですか?それよりもここは。ここはどこなんですか?」

「私は大国主命という。貴様の生きていた時代でも聞いたこと位はあるだろう。ゲームという娯楽の範囲でだが。」


 この人は神様なのか。いや、神様だからハッキリと見えないのか。


「おお、よくわかってるではないか。まあ、貴様の持つイメージ次第で変わるのだがな。」


 人の心を読んだ!?それよりもなんだこの空間は?人を納得させる効果があるのか、話す内容に対して全く疑うような気持ちが持てなかった。しかも妙に落ち着くような感じがした。そして前を見るとモヤがジワジワと晴れ、俺がイメージを持っていた、パズ○ラに出てくるあの人物と同じ服装をしたダンディな男性が現れた。


「落ち着くのは貴様が純粋な日本人だからだろう。外国人なら儂の事なんて聞いたことすらないしここは違和感だらけだろうだからな。」

「なるほど、それはわかりました。先の無礼をお許しください。また、ここはどこかという事はお教え願えませんか?」

「まあ、そう固くなるな。分かれば良いんだ。それよりもここはな、黄泉の国と中津国、あの世と日本本土の中間にある空間だ。儂が作ったから貴様の心も読めるようにしておいたのだ。」

「じゃあ、僕は死んだんですか?それとあなたが僕をここに呼んだのですか?」

「ああ、死んだ。正解だ。貴様を呼んだのはこの儂だ。訳を話せば、本来なら黄泉の国、または仏教でいう閻魔の所で審判を受ける筈だったのだが、天照大神様のご依頼で、『ある時期からの日本を立て直して欲しい』と言われてしまったのだ。その為ならある程度は好きにしても目を瞑ってやるとの言質も頂いたしな。」


 自分が死んだ、という言葉をきいた瞬間、脱力感に襲われたがすぐに思考が切り替わり、詳しい話を聞こうと思った。ナニコレ、この空間コワイ((( ;゜Д゜)))。それよりも、これテンプレの転生に近い事起きるんじゃね?と思ってしまった。


「あながち間違ってはいないぞ。その為に呼んだのだからな。

 まず手頃で今すぐ死にそうで尚且つ軍事や国家等に興味を持つ者…つまり貴様を選んだということだ。ま、本来なら貴様は救えた命だが幸運度を下げて死なせてしまったが。」


 この神様、サラっととんでもないこと言っちゃったよ。というか家族や友人どうすんだよ!とか思う自分は普通だろう。


「それで、どうすれば良いですか?」

「んー、貴様はどうしたい?」

「質問を質問で返さないでください。どうしたいってどういう事何ですか?」

「まあ、転生するっていうのが前提で簡単に説明すると、明治から昭和時代初期の日本にならいつでも転生可能、それに伴い誰に転生するのか、転生先の親が実在なら架空の人物でも良い。」

「本当に誰でも良いんですか?というかその日本は僕のいた世界の日本と同じ日本なのですか?」

「ああ、その認識で間違えてはいないが、注釈を付けるとしたら貴様がいた日本とほぼ同じ歴史を歩もうとしているパラレルワールドの日本だな。」


 ええ…最終的に第二次大戦でアメリカと戦うの?そんなん負けてしまうじゃないか…


「それは貴様次第だ。天照大神様の真意はそこを変えて欲しいとお考えになっていると儂は思うのだが、貴様もそう思わんか?」


 それはそうだが自分の能力ではとても無理だ、と感じてしまう。多くの一般人ならそうだろう。俺もその一人だ。


「そこは心配しなくていい。さっきも言ったが、ある程度好きにしてもお咎めなし、それと勝手に死なせなせてしまった儂の謝罪の意味も込めて特典を付けようと考えている。」


 特典キタ━(゜∀゜)━!


「あ、言い忘れていたが、ファンタジーとかのは無しだぞ。

 ゴム人間になったり、忍術と言ってる癖に魔法さながらの事したり、金髪になってパワーアップしたりする人が分かりやすい例だな。現実の範囲内でなら、いくつか希望にそってやるぞ。」


 デスヨネー、過去に転生するのにジャンルが全く違うファンタジーぶち込んだらどうなるか、もはやカオス以外の何物でもない。


「少し考えさせてください。」

「よかろう。今言って、ろくでもないモノだったらどうしようかと思っていたところだ。存分に悩むが良い。」


  と言っていたので、考えた結果、お月様の型の作品で有名なF○teのステータス表みたいな感じでまとめてみた。


 転生先:皇族

 個人別能力:オールラウンダー(万能者)※全知全能でない

ステータス:筋力B

耐久B++

敏捷A

幸運B

※魔力と宝具は明確なファンタジーに入るので除外

スキル:カリスマB-

直感A

黄金律B+

千里眼C

武芸の才B

コレクターB+


こんな感じかな。すると大国主神が、


「おお、良くできたものよな。詳しく書きすぎると儂が理解できないから簡単に解釈しても大丈夫か?」

「はい。大丈夫ですよ。ですが最後に確認だけとってください。」


そして大国主神が訂正した内容が、


転生先:皇族

特典:身体能力高め

運動(格闘)センス抜群

眼が良い

大抵の事は何でもできる

勘が良い

運が良い

指導者の才がある

金持ち

モノの収集力が高い


「こんなものか。」


と大国主が言う。


「略しすぎじゃないですか!でもこの方が分かりやすくもない…」

「ああそうだ。儂にはこの方が分かりやすい。でこれで良いのか?まだ詳細な点は決まってないと思うが」


そうなのか?と思ってしまったが、大国主神が言うには、


「転生先の詳細が決まっておらぬ。特典の方は皇族が金持ちというのは皇室財産があるからで、黄金律は別に要らぬと思うが。あと、コレクターのランクBなんて前世にも無かっただろ、どの程度にすれば良いか分からんわ。最後にオールラウンダー。こんな曖昧なモノ選ぶのだったら、貴様が死んだ時点でのその世界の知識と器用貧乏(誉め言葉)、すなわち、『全知不全能』を与える方がよっぽど良いかと儂は考えるが?」


と、言うので最終的に、


転生先:賀陽宮かやのみや第二皇子(双子)

特典:身体能力高め

運動センス抜群(武術含む)

眼が良い(視力2.7)※悪化しない

大抵(専門的な事も含む)の事は何でもできる

勘が良い

運が良い

指導者の才がある

金持ち(皇室財産除く)

モノの収集力が高い(高品質)

脳内万能百科事典


とこの様になった。


「決まったのは良いのだが、史実に無い人物だから新たに肉体を作らなければならないな。肉体面での希望はあるか?」

「前世の肉体ベースでお願いします。悪くはないと思ったので。身長が172㎝、あと、肥満にはならない体にして欲しいと思います。」

「よし、分かった。儂からも一つ何か貴様の肉体にプレゼントをしておいてやろう。」

「あ、ありがとうございます!!」

「よし、じゃあ送り出そうと思うのだが、赤子の時から記憶持ちでは気味悪がられるだろう、あの時代の事だから双子は忌み子として嫌われるかもしれん。だから日露が始まったあたりに記憶を戻してやろう。所詮記憶喪失に近いものだ。その方が時代によく馴染むかもしれんしな。」


本当にありがとうございます、大国主様。やはり優しい性格なのは本当だったのかと思、ん?こんな事知らなかったはずだが、


「まだ脳内百科の使い方がなっとらんな。使い方は脳内で言葉を検索するようなイメージだ。検索は自己処理してくれるようにしておいたから楽になっただろう?」


何から何まで本当に…本当にありがとうございます。こんな事をされてはあの敗戦を回避するしかないだろう。


「うむ、精々頑張るが良い。高天原の神々も期待しておるかもしれぬしな。では送るぞ。」


光が大きく眩しくなっていく。その後光に包まれた俺は意識を失った。









「オギャア、オギャア!!」


そして暖人改め賀陽宮邦憲の第二皇子が産まれた。第一皇子で後に恒憲王と呼ばれる方の双子の弟として生を授けた。




その二日前


「近々賀陽宮の所にも皇子が産まれるであろう。だが一人ではない。双子になるだろうが忌み子にはするな。これは天命である。先に産まれた方を兄とし、後に産まれた方を弟とせよ。これからの時代は双子を忌み子とするな。医学が発達すれば原因もわかるであろう。」

「はい。かしこまりてございます。所で、あなた様はどういう方なのですか?」

「儂は大国主命という。その弟の方は天命を受けて誕生した。顔が賀陽宮夫妻と似つかぬかも知れぬがそれは隔世遺伝というものであるから心配はするな。」

「分かりましてございます。」


この話は明治天皇が夢で交わしたやり取りだが、うろ覚えではなくハッキリと覚えていた。それもそのはず天命だったからである。同様の夢は賀陽宮邦憲夫妻も見ており、兄弟が別々に育てられるということは今のところ無くなった。


そして物語は大きく動き出す…

リアルが忙しいので不定期更新とさせていただきます。申し訳ありません。

あと、作者はにわかです。ミリオタガチ勢ではありません。広く浅くがモットーです。

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