一話
多分6〜7話で完結させます。
ここは懺悔部屋、真っ白な部屋に、真っ白なテーブルが一つそれを挟むように真っ白な椅子が2つ。1つは私ようの椅子。
そして時間をはかることのできるよう砂時計が1つ。ここでの記憶は誰にも残らない。誰の記憶にも残らないから懺悔できるのかもしれないし、誰の記憶にも残らないのなら懺悔に意味などないのかもしれない。
それでもここに来る人は悔い告白していく。ここに来る人はそれを必要とする人たちが訪れる。それでもこれは私の話、彼、彼女たちの話ではなく、私のお話。
ぽーん、砂時計の砂が落ち始めた、来客のようだ、制服から推測するに彼女は女子高生なのだろう。
「私さ、友達の彼氏とデートしちゃった、キスもしちゃった。」
私はありきたりといえばありきたりだなと思った。そしてこう尋ねた。
「それを懺悔しにきたの?、あなたはそれを悪いことだと思ったの?」
「わかんないよ!」
彼女は叫んだ
「でも友達に秘密があることがつらい、もしかしたら秘密がばれるかもしれない、関係が壊れてしまうのが怖い。悪者になりたくない。」
もしかしたら一般的には彼女はすごい我儘なことを言ってるのかもしれないが私はそこに少しだけ懐かしい匂いを感じ、彼女が、いとおしく思えた。
「あなたは後悔はしてないんだね?」
彼女は困ったような顔をしてこう返事した。
「そう、後悔はしてない、多分あの時に戻れたとしてももう一回デートするし、キスもする。でも一般的にはよくないことしてるってわかってるんだ。」
私は彼女のことがますます愛おしくなって笑顔になってしまった。
「そうな常識なんて捨ててしまえば?」
彼女も笑っていた。
「それができないから困ってこうやって吐き出してるんだよ、どうしようもないのはわかってるけどね、聞いてくれて助かった、ありがとう」
彼女はいなくなっていた、砂時計の砂は音もたてずすっと落ちきっていた。
ぽーん砂時計がまたひっくり返る、どうやら次の来客のようだ。
よかったら完結済みの作品があるのでそれも読んでください。
晴れのち雨、そして虹 って作品です。