Epilogue
暗がりに満ちたある街。リアレナ街。
そこには、スラム街に住む親を亡くした孤児達や、有り余るほどのお金で贅沢な暮らしをし続ける富裕層など、たくさんの人々が様々な環境を耐え抜きながら住んでいた。
そして、この国や街を支配しているのは、ロトバトと言う王族民達だった。
ロトバト民達は大昔に、多くの国民を犠牲にしてまでも、守らなければならなかったものがあると言う。
その詳細は明かされてはいないものの、生き残った国民からは多くの非難があった。
そこから、国はどんどん壊滅に向かっていった。
しかしある時、一人の青年によりそれは防がれた。
その青年は、何も明らかにせず、立ち去ってしまったと言う。
ただ、国民の目に焼き付けられたのは、灼熱の炎のような真っ赤な目と、月明りに照らされて光る白銀の髪。
さらに、闇に呑まれるような真っ黒なマントから垣間見える月と太陽のタトゥーだった。
そして彼は国民に向かってこう言った。
「今必要なのは、争いや憎しみではない。しかし、協力や同情でもない。今必要なのは、一人一人の意思なのだ」と。
その言葉を心に焼き付けた国民たちは、それぞれ本当の感情を思い出し、散らばって行ったという。
それから数十年がたった。
これは、この時代に生きる一人の勇者の物語。
?「ここが、リアレナか…」