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強いのか弱いのか

 与えられた部屋は壁や床などの装飾は簡素なものだったが、質の高い家具な備えつけられていた。


 しばらく休んでいると、霧がに包まれていたような思考がクリアになってきて、徐々に思考が事態に追いついてくる。


 異世界召喚、チート能力、俺TUEEE、無双、ハーレム...


 っていかんいかん。ほとんど妄想じゃねえか。


 気を取り直して。


 救済者として神によって召喚、強力な力を有するようになった、アポラス帝国を討て...


救済者とか言ってたけど、いわゆる勇者召喚だよな。強力な力って言ってたけどチート能力がもらえてるんだろうか?めっちゃ楽しみ!能力使って無双してハーレム作って(ry...


 おっと、また思考がそれてしまった。


 アポラス帝国はマジカロイドと言ってたな、その種族による国。マジカロイドとは魔族とか魔人族みたいなものなのだろうか。


 それなら魔王様がいるのが定番だな。そいつ討ったら返してもらえんのかな?だとしたら速攻で決着をつけたいもんだ。


 歓待してくれるのはありがたいが、ここには俺の大好きなゲームと画面の中の嫁彼女の類が一切ない。由々しき事態だ。


 あっ、でもほんとにチート能力もらえてたらハーレムなんて余裕で作れたり...ふむ、それなら戻らなくてもいいな!むしろ一生ここにとどまってやる。


 どんな能力なのか楽しみだぜ、フハハハハハハハハ!


===============


翌日、俺たちはコロッセウムのような円形ではなく四角形の闘技場?に集められた。サッカースタジアムが一番つたわりやすいだろうか。案内してくれた人が言うには、この闘技場は主に、王国の騎士団内が1体1での模擬戦を行うための場所なのだそうだ。


 闘技場では昨日の3人(国王、王女、教皇)と騎士団団長と騎士団副団長が俺たちを待っていた。国王たち3人はやや後ろに立っている。


「初めましてだな、救済者御一行様、俺はバーナード・ディックマン、バーニーと呼んでくれこの国の騎士団の団長をやっているものだ、お前たちの訓練教官を任された、そういうわけで、よろしくな」


「初めまして、私は騎士団副団長のランデル・オークレーです、団長とともにあなた方の訓練教官に任命されました、どうぞよろしくお願いします」


「これからステータスカードと針を渡してくから、受け取ったらステータスカードに自分の血を一滴でいいからつけてくれ、自分の今の強さが見れるぞ、見れるようになったら俺らに見せてくれ」


「それと、これはこの世界での自身の身分をどの国でも証明できる唯一のものなので、大切に持っておいてください」


 俺たちに金属性だろうか、硬いカードの形の板が配られた。いよいよ、自分の能力がわかるのか、めっちゃ緊張する...


 自傷するなんて今までやったことないから、ちょいと怖いな。だが、男は勇気。せいっ。


―――グサッ


「痛っ!」


 勢い余って、結構深く刺してしまった。


「大丈夫?六角君」


「ああ、大丈夫だ」


 鈴木に心配されてしまった。


 指の痛みに耐えつつ血をカードにつけると、カードに文字が浮かび上がってきた。


~~~~~~~~~~


名前 : スズト・ロッカク

種族 : ヒューマン

年齢 : 16

職業 : 遊び人

才能 : 器用貧乏

生命力 : 380

筋力 : 420

敏捷力 : 390

耐久力 : 360

魔力 : 2000000

技能 : 剣術・短剣術・槍術・弓術・格闘術・体術・投擲術・逆境超越・身体強化・剛力・瞬足・金剛・縮地・空中跳躍・毒耐性・薬物耐性・感電耐性・熱耐性・低温耐性・変質耐性・精神干渉耐性・魂魄干渉耐性・魔力放出・魔力変換・魔力吸収・魔力阻害・呪術・降霊術・幻術・隷属術・魅了・読心術・統率・索敵・千里眼・予見眼・気配感知・魔力感知・音源感知・地獄耳・盗聴・夜目・透視・俯瞰・追跡・念話・覇気・威嚇・咆哮・挑発・消音・気配操作・錬金術・錬成・薬剤調合・毒薬調合・完全記憶・高速思考・治癒力上昇・魔力効率上昇・魔力回復速度上昇・悪食・練達・火属性魔法・水属性魔法・氷属性魔法・風属性魔法・雷属性魔法・光属性魔法・闇属性魔法・結界魔法・回復魔法・歌魔法・付与魔法・念力魔法・空間魔法・精神魔法・魂魄魔法・時間魔法・生命魔法・物質魔法・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 おお、めっちゃ技能多いな!一体、いくつあるんだ?


 それに魔力の値がおかしいぞ、200万!?すごいな、これぞ異世界チート。


 って、この職業と才能―――遊び人、器用貧乏...そこはかとなくいやーな予感がするのだが。


 「よし、皆出来たみたいだな、それじゃ、順番に見せてくれ」


 審判の時は来る。


―――空見勇斗の場合


~~~~~~~~~~


名前 : ユウト・ソラミ

種族 : ヒューマン

年齢 : 17

職業 : 勇者

才能 : 逆境覚醒

生命力 : 460

筋力 : 480

敏捷力 : 460

耐久力 : 440

魔力 : 490

技能 : 剣術・逆境超越・光属性魔法・火属性魔法・剛力・縮地・空中跳躍・身体強化・気配感知・魔力感知・治癒力上昇・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 出たよ勇者。あいつの正確ならぴったりだな。それに見事に俺のステータスを上回ってやがる。


「おお!」「素晴らしい」「まあ、勇者様!」


 後ろの3人が歓喜の声を上げている。


「...こりゃ驚いた、何も訓練してない状態でこれかよ、俺の苦労は何だったんだよコノヤロー、素晴らしいぜ、一般人のステータスだとだいたい全部50くらいなのだがな」


王国の面々が笑みをこぼす。


 おお、そうなのか、俺の場合一般人の7倍以上のステータスがあるのか。


「俺が、勇者...!」


 空見がかなり嬉しそうに、顔に笑みを浮かべる。


「才能の"逆境覚醒"は、自らがピンチの時に急に成長するらしい、実際に持ってるやつを見たことないから確かなことは言えないが」


 まさに物語の勇者様だな。


「この力で、この世界を...救うのか、よし、やって見せる!」


 おお、めっちゃ目が輝いてる。


「ところで、ステータスにある、魔力ってなんですか?」


「魔力ってのは、その下に技能ってのがあるだろ、あれを使うときに必要になるものだ、技能を使うときに魔力が消費される」


 俺の場合MPやSPの類の値が200万ってことか、あの大量の技能が使い放題じゃん!


――――速水陸の場合


~~~~~~~~~~


名前 : リク・ハヤミ

種族 : ヒューマン

年齢 : 17

職業 : 勇者

才能 : 稀代の勇者

生命力 : 320

筋力 : 330

敏捷力 : 310

耐久力 : 310

魔力 : 340

技能 : 剣術・逆境超越・光属性魔法・水属性魔法・身体強化・縮地・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 2人目勇者様来ました。こいつは俺よりステータス低いがな。


「おお、勇者が2人もいるとは心強い」


 国王と教皇が感激していた。


―――四条徹の場合


~~~~~~~~~~


名前 : トオル・シジョウ

種族 : ヒューマン

年齢 : 17

職業 : 勇者

才能 : 天賦の才

生命力 : 500

筋力 : 500

敏捷力 : 500

耐久力 : 500

魔力 : 500

技能 : 剣術・逆境超越・光属性魔法・雷属性魔法・体術・金剛・縮地・身体強化・覇気・統率・高速思考・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 あれだ、上には上がいるってね。一般人の10倍のステータスかよ、規格外だな。あの秀才君にはぴったりだ。


「勇者が3人ですか、この世界に同時に2人も現れた前例すらないというのに...」


「おまけにステータス500で"天賦の才"か、一体どんな化け物になる想像がつかねえな」


 団長と副団長はもはやあきれたような声を出す。


「3人も勇者がいればいくらアポラス帝国とて、相手になるまい」


「そうですな、ホホホホ」


 国王と教皇はご満悦の様子だ。


―――鈴木風香の場合


~~~~~~~~~~


名前 : フウカ・スズキ

種族 : ヒューマン

年齢 : 16

職業 : 治癒師

才能 : 稀代の治癒師

生命力 : 300

筋力 : 250

敏捷力 : 300

耐久力 : 270

魔力 : 350

技能 : 回復魔法・薬剤調合・風属性魔法・魅了・魔力効率上昇・魔力回復速度上昇・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 うん、勇者のパーティーにヒーラーは必須だよね。役割まで空見(あいつ)とお似合いのようだな。


―――伊丹亮哉の場合


~~~~~~~~~~


名前 : リョウヤ・イタミ

種族 : ヒューマン

年齢 : 17

職業 : 騎士

才能 : 稀代の騎士

生命力 : 330

筋力 : 350

敏捷力 : 330

耐久力 : 340

魔力 : 290

技能 : 剣術・槍術・弓術・氷属性魔法・格闘術・身体強化・剛力・縮地・威嚇・神託・自動翻訳


~~~~~~~~~~


 こいつが騎士?笑わせんなよ。


 あ、いけね。こっち睨んでる。



===============



 俺と空見と四条を除けば、全員普通の戦闘向けの職業で、才能が"稀代の~"で、ステータスが300あたりだった。


国王たちのテンションがとても高い。


 そして、ついに俺の番が来る。


―――六角涼翔の場合


 我が力を見よ!


 俺はバーニーさんにカードを渡した。


 「ん?」


 「これは...」


 バーニーが微妙な表情になり、ランデルが苦虫を噛み潰したような顔をしていた。後ろの国王たち3人組も困惑している。


 「あー、職業"遊び人"か、俺と同じだな」


 「..."遊び人"は、技能の扱いが非常に上達しやすいです、しかしこの職業を持つ人はたいてい不真面目、自由人、賭博好き、女好きといった傾向があります、私にとっての身近な例がここにいる団長で、彼は最低限の業務を終えるとあとのことはすべて私に任せて街に遊びに行ってしまいます」


 「うむ、いつも苦労をかけてすまないな」


 「ほんとにそう思っているのなら、もっと仕事をしてください」


 「いや、面目ない、フハハハハ」


 「はぁ...」


 ひでぇ。俺は賭博なんかやらないぞ。


 "遊び人"に関しては、いつもゲームやってばかりだったから否定できないがな。


「そして、才能の"器用貧乏"ですか、これは見たことがありませんね」


「"器用貧乏"、珍しい才能ですな、それはすべての技能が使える代わりにステータスの成長が遅く、技能の使用が上達しずらい、という才能ですな」


教皇がそう言うと、皆に失笑された。伊丹とその取り巻きたちは完全に俺を見下したような視線を送ってくる。


 嘘だといってよ団長(バーニー)...これじゃいくら魔力あっても意味ないじゃん。


 って、遊び人は技能が上達しやすいんだったよな。それに賭けよう。


 だが、ステータスに関しては...いずれ皆にどんどん追い抜かれるのか。


 何か、強いのか弱いのかわからねぇ...微妙だ。

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