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強過ぎて虚しい魔王様  作者: カン
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1話

コンコン


部屋の扉がノックされたことで俺の意識は戻る。

この世界に生まれて約1年になると、昔のことを懐かしく思える。


「魔王様、セリナでございます」


扉の外から掛けられた声に、そういえば誰か来たのだったと思い出す。


「入れ」


「失礼いたします」と言い扉を開けたのは肩よりも少し長い黒髪のメイドである。

一見普通の人間かと思われるが、彼女の顔や腕の甲など、よくよく見ると皮膚の部分部分が爬虫類を連想させる鱗で構成されている。

彼女は竜族のセリナ、魔王軍のナンバー2でメイド長で、俺の右腕だ。


「魔王様、お食事の支度が整いました」


「ん、分かった。行こう」


そう言い部屋を出る。その後をセリナが足音を経てずに着いてくるのだが、彼女は気配を消して行動するので変に落ち着かない。

そこで一つ、彼女に尋ねた。


「セリナ、お前は何故メイドの仕事をするのだ?

メイドの仕事はお前の部下たちの仕事である筈だが」


セリナは立ち止まると不安そうに眉を下げてハの字にした。


「嫌でしたか?もしかして何か私は粗相を犯してしまったでしょうか?」


「お前は良く働き、何も問題無い。

単に不思議に思って尋ねただけだ」


それを聞いて安心したのか、肩の力が抜け、表情が柔らかくなる。


「私がメイドをしているのは魔王様の近くに少しでも長くいるためです。

御慕いする魔王様のためなら当然のことでございます」


ウチのメイドがあざと過ぎて俺の心臓の危険が危ない。



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