メモリー
赤ちゃんを亡くしてしまった母親のお話
私はあなたを身ごもってとっても幸せでした。
私は普通に結婚して当たり前のようにあなたを身ごもりました。その知らせを聞いたときは主人と一緒に大喜びしたのを今でも鮮明に覚えているよ、嬉しすぎて涙がこぼれたわ。
大切にしよう、産まれてくるあなたを幸せにしよう、そう思ったの。
あなたが女の子と分かったとき私はわくわくしたのよ。
主人は男の子とキャッチボールをするのが夢だったから少し残念そうだったけどそれでもやっぱり嬉しそうだった。
ああ、こんなに幸せでいいのかしら。
ピンクのかわいいベビー服や小さなかわいい靴を買ってあなたが産まれてくる準備をしていたの。
でも、あなたは産まれてこれなかった。
あなたは流れてしまった。
たくさん、たくさん泣いたわ。
辛くて、辛くて仕方がなかった。
産まれて来たら抱き締めてあげたかった、かわいいお洋服を着せてあげたかった、いっぱい遊んであげたかった。
名前も決めてたのよ。あなたにぴったりの名前。
気に入ってくれるかしら、きっと気に入ってくれてるわよね。
もし、またあなたが産まれる機会があったら私のもとにもう一度来てくれるかしら。
少しの間だった、けれどあなたは私に十分な幸せをくれた。
思いではそっとしまっておくわ。