独占欲と支配欲
恋人を愛しすぎた人のお話。
君は僕だけのもの。
君はいつも僕を置いて先に行ってしまうんだ。
僕が声をかけると笑顔で振り返ってくれる、だけど待ってはくれない。
僕は君と一緒に並んで歩きたいんだ。
僕は君に置いていかれるのが嫌で、君が友達と話しているだけで腹が立ってしまう。
こんなにもドロドロな気持ちはどこに持っていけばいい?
こんなにも、汚い感情だけど全部君への愛なんだよ。
だから、受け取ってくれるよね?
僕は君が大好きで、君は僕が大好きなんだから、
どうしてそんなに怯えた目で見るの?
僕が怖いと君は言う。
僕の愛を否定する。
君に否定された瞬間、僕の世界は反転した。
今まで大好きだった君が途端に憎らしく思えた。
そんな目で僕を見るなよ、やめてくれ、そんな目をする君は僕の好きな君じゃない。
君の真っ赤な血で僕は染まる。
僕はそれで満足。満たされたいい気分だ。
これで、君は僕以外の人とは会わないし、話せもしない。
僕がいなくては存在できない。
ああ、今、生きてきた中で一番幸せだよ。
君もきっとそうだよね?
これでやっと君に追いついた。
これからはずっと並んで歩こうね。
温もりのない陶器の様な白い顔をそっと撫でた。