7話 神気・神言
今回は会話がメインになりました。
読みづらいと感じさせてしまったら申し訳ないです。
「なあレイルカ」
「なんだ、キリ?」
「さっきの神言について詳しく説明してくれないか?」
「別に構わないが、君にはできないぞ」
レイルカの神言によって、苦労せずに正門を突破した2人は、城の前に広がる広大な庭を話しながら歩いていた。
「俺もやりたいなんて思ってねえよ。まず、神気についてもう少し知りたい」
「さっきも言ったとおり、基本は魔力と変わらない。違う点といえば、神気を持つ者1人1人に違う能力が宿ることだ」
「能力?」
「神気の特性と言ってもいいかもしれない。私の能力は融和だ」
「どんな能力なんだ?」
「簡単に言えば、他人の力を自分の力にできるということだ」
「それすげえ強くないか?」
「ふふふ。私はこの能力で天界最強になったのだ。ただ、この能力には制約がある」
「制約?」
「自分の力にできるのは、魔力、魔法、神気に限られる。純粋な物理攻撃は無理だ。それと、自分の力にできるのはせいぜい30分が限度だ。それを過ぎると、変換した力は放出されてしまう」
「ふーん。それでも十分強いと思うけどな」
「ふふん。君がようやく私を認めたようで嬉しいぞ」
「レイルカはさっきので十分認めてるよ……それで、神言についてなんだが、効果、有効範囲、持続時間の3つについて聞きたい」
「ふむ。まず効果だが、基本的に発音した言葉通りのことが起こる。さっきは、眠れと言ったから衛兵が眠ったな。神言の効果は多種多様。それこそ無限にある。ただし、人間にしか効かない。次に、有効範囲だが、自分で指定できる。さっき私はこの城全域を指定したから、今城にいる人間は全員眠ってる。最後に持続時間だが……」
「いたぞ! 包囲して捕らえろ!」
「な!? 衛兵だって? おいレイルカ、今城にいる人間は全員眠ってるって言ったよな」
「うむ。確かに言った。だが時間が過ぎてしまったようだな」
「最後に言いかけてた持続時間のことか。いったいどれくらいなんだ?」
「有効範囲を広げれば広げるほど短くなるから、この城全域だと……10分ほどか」
「短けえええええ!」
「文句を言うな。私は神言の修練に割いた時間が短いんだ。もっとも、本気でやれば1時間は余裕だがな」
「どうして本気でやらなかったんだ!? ええい、くそ。レイルカ、逃げるぞ」
「逃げる? 変なことを言うな。このまま進むぞ」
「本気か!? 衛兵が近くまで来てるんだぞ」
「城内に転移する。手を離すなよ」
レイルカがそっとキリの手を握った。天界最強の猛者と思えないほど柔らかく、滑らかな手を感じ、キリはすこしどぎまぎしてしまう。
「お、おう」
「あの剣はどこにある?」
「宝物庫のなかだ。宝物庫は最上階のちょうど真ん中の部屋」
「ではそこまで転移!」
2人の足元が輝き、辺りが光に包まれる。光が消えると、2人の姿はどこにもなかった。
ご愛読ありがとうございました。