2話 出会い
すでにボキャブラリーの少なさに泣きそうになってますが、まだまだ続く予定なので、頑張っていきたいと思います。
「君、早くそこをどいてくれないか」
「おいおい、嬢ちゃん。自分からぶつかっておいてそれはないだろ。言うことがあるだろ?」
人だかりの中心では、1人の少女と若い男が向かい合っていた。
少女は14歳程で、男の胸の下くらいまでしか身長がなかった。男は鍛冶屋の格好をしていたが、まだ新米の雰囲気を漂わせていた。
「何があったんです?」
キリは隣の男性に尋ねた。
「あの娘がきょろきょろしながら歩いてたら、前からきたあいつにぶつかったんだ。頭を下げてはいたが、気に入らなかったんだろうな。まったく、大人げない」
男性はあきれたように答えた。キリはもう一度鍛冶屋の男を見た。
「俺とほとんど変わらないくらいだな……それでもう鍛冶屋なのか……」
いまだに修行中の身で、金槌すら握らせてもらえていない自分の現状を痛感させられ、キリはため息をついた。
「師匠のところに帰るか。そろそろ昼飯の時間だし」
その場から離れようとしたキリの耳に、小さいが体中に響く、凛とした声が聞こえてきた。
『跪け』
瞬間、キリの周りにいた全ての人が地に膝をつき、頭を垂れた。
「え……?」
キリには何が起こったのか分からなかった。跪いた人々の輪の中心には、少女が立っていた。つまらなそうに周囲を見る彼女の目がキリを見た。呆然と立つキリを見つけた少女の顔がほころんでいく。
「君は……そうか、君がそうなのだな」
少女はキリに近づいてきて、言った。
「君、私と旅に出よう。私についてくるのだ」
「は……?」
それがキリと、少女レイルカとの出会いだった。
ご愛読ありがとうございました。