表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の天使と7人の雄  作者: 神山一姫
第一章 火の国
2/14

1話 キリ・ルイス

本編開始です。

あまり長い文章を一度に書けないので、短く刻んで話を組み立てていこうと思っています。


 「えっと、あとは頼んであった新しい金槌をもらってくればいいのか」

 手に持った紙に書かれている項目を確認しながら、その青年はつぶやいた。


 ここは世界に存在する7つの国のうちの1つ、火の国。

 この国は、上質な鉱石が採掘できることで知られており、国中に鍛冶屋が存在し、日夜金槌の音が響く、活気あふれる国である。

 この国に生まれた子供は、火炎系の魔法を生まれたときから使うことができ、男性は全てが鍛冶屋を目指すのが一般的な考えであった。

 多くの同業者が集まることで、それぞれが技術を磨くことに熱心に取り組むため、この国で作られた武器や防具は世界中で絶賛され、使用されている。


 「はあ……俺もそろそろ何か作りたい……」

 この青年もまた、一人前の鍛冶屋になるために修行中である。


 名はキリ・ルイス。歳は17歳程。茶色い髪と黒い目は、この国の平民の典型である。

 彼は師匠にお使いを命じられている最中だ。

「でもなあ。まだ弟子になって3ヶ月だしなあ。まだ早いのかなあ……」

 キリはまだ金槌さえ握らせてもらえていなかった。師匠が仕事をしているのを、ただ見ているだけの毎日は、彼に鬱憤と焦りを感じさせていた。


 「18になっても鍛冶屋になれなかったらどうしよ……」

 この国では成人は18歳と決まっている。成人になっても一人前の鍛冶屋になれていない男性は、人々からの侮蔑の目を向けられることになる。


 「それだけは勘弁だよなあ……っと、ここだ」

 目的の店に着き、師匠が頼んでいた金槌を受け取ったキリは、来た道を引き返そうとした。


 「ん? 何だあの人だかり」

 店を出た右手側。帰る道とは逆の道に人だかりができているのを見つけた。さっきは考え事に夢中で気付かなかったようだ。


 「少し見てから帰るか」

 ちょっとした好奇心から人だかりに近づいていく。その選択が後に自分の運命を変えることになるとは、このときのキリは知る由もなかった。


楽しんで読んでいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ