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開け放たれた砂の間に日差しが入り込んでいる。
子が石を手渡そうとすると、覇王は拒んだ。
「持っていきなさい。あなたに必要な物だ。」
「そうですよ。この世界には新たな神がいますから。」
フリンが可笑しそうに笑った。
(勝手に神にするな。)
(そう言うなよマイヨール。)
テトラが娘婿の悲鳴を聞きながら言う。
(俺たちも帰ろう。)
(そうね、帰りましょう。)
上空を旋回していた竜とその影、四騎に減った彼らが故郷に帰って行くべく羽ばたく。
旋風がたおやかな婦人の衣を乱した。むずがる子供をあやしながら竜を見守っていた男に話しかける。
「すいません。ちょっと、見ていただけません??」
「えっ?私ですか。」
「ええ。」
子供が男に抱かれると不思議と泣き止んだ。
「あらっ、不思議ね。この子は人見知りがひどいのに。」
「……。」
男は衣装を調える女をじっと見ていた。
「何か?」
「いえ……。」
子供を返すと、暗い顔をしていた男は愁眉を開いたように確かな足取りでいずこかへ去った。
訝しげにそれを見ていたエルは心中が騒ぐのを感じた。
(なんだ?ここは戦場ではないぞ。静まれ。)
(血が欲しい……。)
(わかっている。)
「何かいいましたか?」
「なんでもない、卵。」
「その呼び方、止めてくれません?」
不満そうな若者を黙殺する。
その耳に鐘の音が届いた。
オラシオン中の鐘が一斉に鳴り響いている。ソウルポイント平等配布法が施行されたのだった。
子の帰還と共にアースシーの森羅万象は石に還元され、表層の一部となって消失した。
「そろそろ行きましょう。」
女が石を凝視していた子に言った。
子の手を引いて河原を下りて行く。
水が二人の踝を浸し、膝、腿、腰が水中に没してゆく。
「嫌だ!」
子が手を振り解いた。
「わがまま言わないの、もう……わかるでしょう?」
金切り声で嘆き、泣く女に、子は途方に暮れたようだった。
「でも、僕は生きたいよ。」
迷う様子の子は腕を差し出した。
泣き声が止まった。
掌には石が握られている。
そこには’永遠の絆’があった。
最後まで読んで下さり、どうもありがとうございます。
この文章は数年前に”完成させる”ことを最優先の目標にしてい書き始めました。始めてプロットを書いてみた、思い入れの深いものですが、今(2013,12,28日現在)思えば、至らない点(誤字、脱字、明らかな模倣、人名、構成の誤り、等)が多々あります。書き直そうとも考えました。しかし、直しを入れる事で当時の雰囲気を壊したく無い、と思いそのままの形で投稿させて頂きました。




