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短編

神の選定

作者: 神通百力

知的→知性

犯罪者→犯罪人

に修正させていただきました。

 人間は争いや犯罪を絶え間なく引き起こす。

 神はそんな人類に呆れ果て、人類を滅ぼし、創りなおすことにした。神は大いなる力を使い、全人類を一度滅ぼし、新たな人間を七人創造した。

 優しさや力、母性、知性、創造力、愛、友情をそれぞれに分け与える。

 神は新たに生まれた人間を天界から見守る。


 ☆☆


 母性を持ったものはその包容力で、みんなを包み込む。

 知性を持ったものはその頭脳を駆使し、指示を出す。

 力を持ったものはその力を用いて、建設や農業に励む。

 創造力を持ったものはその創造を働かせ、夢を形作る。

 優しさを持ったものはその優しさを活かし、憂える。

 愛を持ったものはその愛で、みんなを平等に愛した。

 友情を持ったものはその友情で、分け隔てなく接した。


 七人の人間は汗水たらして働き、やがて街は完成した。


 ☆☆


 母性を持ったものと優しさを持ったものは結婚した。二人の間には包容力と優しさを兼ね備えた子供が二人生まれる。

 知性を持ったものと力を持ったものも結婚する。二人の間には頭脳と力を兼ね備えた子供が二人生まれた。

 創造力を持ったものと友情を持ったものも結婚した。二人の間には創造と友情を兼ね備えた子供が二人生まれる。

 愛を持ったものは結婚しなかったが、みんなとその子供さえも、心の底から愛していた。


 ☆☆


 年月が流れ、その子供たちが結婚し、また次の世代の子供が誕生する。そうして子孫たちは繁栄していく。

 最初の七人は亡くなった。

 世界は平和だった。

 しかし、それもほんの僅かな期間に過ぎなかった。


 犯罪人が生まれてしまったのである。知性を持ったものの家系に。


 悪意と関係ないものを与えたとて、知と力を兼ね備えたものはいずれ野心を抱く。

感想いただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 犯罪人に愛情は届かなかったんですね…
[一言] そうだったのか。知と力が罪を作り出していたか。 5人の世界なら住みやすかったのに。 誰も指示を出さず、夢以外は何も作り出さない世界……
[良い点] 神がすばらしい恩恵を与えても、愚かな方向に走ってしまう。 人間ならではの、罪深い性を感じました。 文章もお上手ですね。 言葉を選択して丁寧に綴っていらっしゃる姿勢は、見習わなくては! と…
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