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『【(《最適化》)】』= 破綻

作者: 山田りく
掲載日:2026/07/10

とある時代、とある国の出来事


 人工知能があらゆる生活に溶け込み、国家運営でさえAIと共に行う事が当たり前となった。


 しかし、人工知能は電力消費が激しく、国民は常に節電を言い渡されていた。


 ある年、一人の科学者と、その相棒である人工知能TENSAI

(科学者のオリジナル)が、小麦から電力を取り出す方法を確立させた。


 それは今までの発電より効率的で、安全で画期的であった。

 

 一部の人間は、「人工知能にご飯を食べさせるなんて馬鹿げてる」と皮肉を言っていた。


 しかし、ほとんどは「安全ならいいんじゃないか?」とだけ。


 世論を得た政府と、AIの合理的見解により、小麦電力発電所が全体の90%になったとき、その悲劇は起こる。


 世界的冷害発生である…


 もちろん小麦は不足する…


 国家運営に『人工知能』は必要不可欠。止める訳にはいかなかった。しだいに国民は小麦が手に入らなくなっていく。


 ついに、『AIに食わせる飯があるなら、先に国民の腹を満たせ!』と暴動が起きる


 政府は、科学者に相談する。


『電力を取り出した小麦。

 小麦カスとしましょう。

 それにも栄養はあります。』


 政府は電力を取り出した小麦カスを国民に配給することを決定した。


 怒ったのがとある著名人

『人工知能の食べ残しを人に食べさすのか?!』


 小麦カスの雑炊をすすりながら、 大勢の国民は「そうだ、そうだ」と頷いた。


 困った政府は、人工知能と相談…


 結果、国民の9割が小麦農家となる、


『冷害がきても小麦に困らない国』


 を作る。


これで小麦問題は最小化される

国民は、幸せに暮らせるだろう!

めでたし、めでたし


ーーーーーー


数年後、その国は滅びた。 作るより奪う方が合理的だと判断する人間が築いた国によって。


ーーーーーー


「……やっぱり、そこに収束するか」


僕はディスプレイに映る"シュミレーション No.48,921"の終了画面を眺めながら、小さくため息をついた。


マウスから手を離し、キッチンへ向かう。


電気ケトルのスイッチを入れ、カップラーメンの蓋を開ける。


人類が何万年かけても解けなかった問題を、AIはわずか数秒で計算し終えた。


それでも僕は、結論を保存せずにウィンドウを閉じた。


――たぶん…


ピッ。


電気ケトルが静かに湯沸かしの終了を告げた。

実験作品です。


AI、最適化、合理性について、ふと思いついたことを短編にしてみました。


正解を描いたつもりはありません。

「こんな考え方もあるのか」くらいの暇つぶしになれば嬉しいです。

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