7話 嫌がらせ
「ねえ…この本の山は何?」
またある日、仕事のために部屋に入ると大量の本が机の上に乱雑に放置されていた。古そうな本から真新しい本まで様々だ。
「これねはね…あのクソ男に押し付けられたの…」
「前にレナちゃんを勧誘してた男の召使みたいな人に"ハル参謀長からのありがたい仕事だ、受け取れ!"って言われたんだよ?!酷くない!?!?」
「私が断っちゃったから腹いせにこんな嫌がらせを…。ごめんね2人とも…、これは私が片付けておくよ…」
そうして本を手に取り、価値の高そうなものとそうで無さそうなものを仕分けていく。2人は何も言わずに手伝い始めてくれて、山のようにあった本はものの1時間ほどで仕分けることができた。
「2人とも、ありがとう」
「困った時はお互い様…、いつでも頼って…?」
「私もやる時はやるし、友達は見捨てないからね!ちゃんと頼ってよ!」
二人の温かさに感動しつつも本に再び視線を落とした。さっきから同じような内容ばかり見ている気がしてならないのだ。
「ねえ2人とも?この分けた本ってさ、全部同じ内容じゃなかった?なんの内容だったか教えてくれない?」
「「どれも神さまはいないって書いてある……。…え?」」
2人も気付いたのだろう、ここにある本の内容は全て同じということに。
「私の確認したやつも同じ。つまりこの本だけ何かしら処分しなきゃいけない理由があるってことじゃないかな」
「おい、整理は終わったか?」
おそらくこの仕事を押し付けたクソ野郎の部下だ。この短い時間で終わらせていなかったら何かしら罰でも与える気だったのかとあらぬ推測を立てていると…。
「終わってなかったらお前らはク……ビ…?」
あっ…、正解なんだ…。
「もう終わったよ!これ早くコグマに渡しといて!」
「こ……こ、こぐま?」
とんでもない間違え方にさっきまで威勢もどこかに行って慌てちゃってるよ…。
「ちゃんと終わらせたので帰ってもらえますか?まだこちらには仕事もあるので」
そうやって促すと舌打ちをしながら帰って行った。どうせまたしょうもない嫌がらせをしてくるんだろうなと思いため息を吐いた。
「(さっきアイリはあの男たちがハル"参謀長"と言っていたことを話してた。つまりはこれは一種の言論統制…?いや、考えすぎか…?)」
なにかよからぬ企みの前触れか、それともただの嫌がらせか。その真実は今はまだわからない。




