5話 スカウト
「ここに橘レナはいるか?用がある」
書類の整理を3人でしていると3人組の男が押しかけてきた。どうやら私に用があるらしい。
「私です。一体なんの御用でしょうか?」
彼らの前に所作に気をつけながら歩み寄った。近くに寄ると私に声をかけた男を品定めをするかのような視線を向けてきた。
「橘レナ、うちの派閥に来い。待遇は保証…」
いきなり何を話し始めるのかと思うとまさかの上から目線での勧誘。こいつは一体何様なんだろうか…。
「あっ、結構です。…要件はこれだけでしょうか?私は仕事があるので失礼しますね」
態度にイラッと来てしまったので特に話も聞かずに踵を返した。だれもこんな上から目線の男の下につきたくなんかないってわからないのかな?
「俺からの誘いを蹴る…だと?!不愉快な女だ、もういい行くぞ!」
そう言ってぷりぷりしながらどこかへと早歩きで去っていった。……小物感がすごいするなぁ…。付き添いと思われる2人もあの男の後を追い、走り去っていった。
「ちょっとレナちゃん…あの人やばいよ…。革新派のトップだよ…」
「「そうなの?!」」
「レナちゃんはまだしも、なんでアイリまで知らないの…」
「あっ!思い出した!なんかコグマとか言われてた人だ!」
「"コクマー"だよ、アイリ」
この世界で信じられている10体の神さま。そのうちの1体が知恵の王、コクマー。
「なんでわざわざ知恵の神さまの名前を?」
「私もわかんない…。でも相当なキレ者ってカレンさんは言ってた」
あの言動でキレ者と言われても信じられない…。まあ今まであれで上手くいったから味を占めてたのかも知れないけど。
「まあ言ったあとになっちゃったし仕方ないよね。それに私はあんな傲慢な自己中不細工に従いたくないし」
「めちゃくちゃ言うね…」
「私もあいつの喋り方とか態度は嫌いだからもっと言ってもいいとは思うんだけどさ」
うん?なんかこの流れって前もやらなかった…。
「ねえアイリ…?その続きを言わずになんで近づいてくるの?待って?お願いだから待って?!?!」
「えいっ!!これでもう逃げられないね!」
アイリに正面から抱きつかれて身動きできないでいると…。
「私も混ざる…」
「むぐーーーー!!もごもご!もごーーーー?!?!(待って?!なんでヒヨリまでそっちにつくの?!またかよぉぉぉぉぉぉぉぉ???!!!)」
「「口の悪い子にはお仕置きが必要だよね」」
その後、またしてもドロドロのぐちゃぐちゃにされてしまった。……もう一回甘やかしてもらえたりしないかな?




