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真夜中のパウンドケーキ

作者: しゅっとう希林

午後10時。

ホットケーキミックスと牛乳と溶かしたバター。

ボウルに1つずつ材料を入れ、優しく混ぜる。


私の中のイライラの虫が疼く。

理不尽な態度。心無い言葉。感謝もされず日々溜まる澱のような感情。多分、他人からみたら大したことの無い事だろう。だから人に愚痴ることなく、黙々と。



この間、喫茶店のマスターからお裾分けで頂いたジューンベリーのジャムも入れてみよう。




30分後。パウンドケーキの焼ける優しい甘い香り。


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