閉幕(エピローグ)
◇◆◇◆◇◆
【9/27 PM12:05】
「あっ……秋里先輩!」
昼休み、総司は購買へ向かう渡り廊下で呼び止められた。声でもう予想はついている。しかし振り向いた時に視界に入った姿は予想と少し違った。
「布尾さん……? メガネ、やめたんだ」
「はっ、はい……視力が良くなったので……あのっ、こないだはありがとうございました!」
「ああ、うん」
「またお願いしますッ!!」
纏はペコリと身体をふたつに折り、真っ赤になって逃げるように去っていった。
友人がそれを見てニヤニヤしながら絡んでくる。
「なになに~? 総司ぃ、『またお願いします』ってなんの事ー?」
「別に。がんばってねって声をかけただけだよ」
「ええー、アヤシイなぁ。あの子可愛かったじゃん」
「え、地味じゃね?」
「あれは地味じゃなくて、清楚って言うんだろ!」
総司の口から、はぁと溜め息がこぼれた。
確かに地味というよりも清楚の方が適切かもしれない。先週とは明らかに纏の様子が変わっている。
メガネをはずし、その奥の慎ましやかに思えた目は大きな二重に変わったように見えた。背もあんなに高かっただろうか。足だけ長くなったのかもしれない。
地味なふたつ結びは、結ぶ位置が上がってツインテールになっていた。髪も少し伸びたようだ。
彼女が魔法生物と契約し、対価として願ったのは美しくなることか……それとも。
(まさか、俺じゃない……よな? それは流石に自惚れすぎだろ。俺、キモいわ)
総司は纏が走っていった方向を見つめ、心の中で自分にツッコミを入れた。そんなバカな事を考えたのは、いつもより心臓がドキドキと早くカウントしていたからだ。
そのドキドキは、魔法の力で彼女にときめくように操作されている……と思いたかったのだ。
【To Be Continued……?】
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