1.ひと悶着から一夜明けて。
ここから第1章!
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「あの、ところで今日からの活動はどうするんですか?」
「たしかに。問題はそこだよなぁ……」
――翌日のこと。
ボクとデルタはギルドで集合し、今後の方針について考えていた。
というのも、大半のクエストは魔法使いがパーティーを率いていることを前提として設けられている。しかしながらボクたちは、昨日その魔法使いと仲違いしたのだ。
必然的に、冒険者としての活動は縮小せざるを得ない。
そうなってくると日々の生活費の工面も難しくなり、結果的には……。
「ごめんね、デルタ……」
「ええ!? なんでルインさんが謝るんですか!?」
「いや、その……。デルタの家族に、迷惑がかかってるよな、って」
ボクは一時の感情による昨夜の喧嘩を謝罪した。
理由は、いまも言ったようにデルタの家族のことだった。彼は貧困街にある小さな孤児院出身であり、クエストで得た金の大半を仕送りとして送っている。
だから仕事ができないというのは、それが滞るということでもあったのだ。
「いえいえ! 気にしないでください!」
しかしながら、少年は気丈に笑う。
そんな彼の様子を見て、ボクは心に誓った。
次にパーティーを組む相手とは諍いを起こさないようにしよう、と。昨日の一件による可能性の確認もしたかったが、まずは日々の生活が重要だ。
そう考えていると……。
「もし、そこのお二人さん?」
「え……?」
一人の男性が、こちらに声をかけてきた。
金髪碧眼に、長い耳。どうやらエルフのようだ。
顔立ちは二枚目というより、三枚目。皮肉っぽい表情を浮かべた彼は、まじまじとボクたちを見比べて言うのだった。
「ふむぅ……? キミたちが、いま話題の剣士二人か」
その言葉の意味が分からず、ボクとデルタは顔を見合わせる。
しかし、困惑などよそにエルフの男性は続けた。
「なるほど。――いやぁ、キミたちは運がいいね! 昨日の今日で、さらに優れた魔法使いと組むことができるのだから!!」
大仰に腕を広げて。
彼はボクたちに、こう名乗るのだった。
「自己紹介がまだだったね! 私はライド・リンガード!」
自信満々。
なんとも偉そうな態度で。
「【世界最強の魔法使い】、ロイド・リンガードの弟さ!!」――と。
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