全知全能のシンデレラ
ワイはしいたけや!(錯乱)
シンデレラは今日も意地悪な義理の母と姉にいじめられ、炊事、洗濯、掃除、おつかい、ありとあらゆる家の用事をやらされておりました。
「やっべーわ、DIYのし過ぎでもはやすることなくなったわー、はー、つれー」
シンデレラは頭のいい女の子だったので、全自動炊飯ジャー、ドラム式洗濯機、ルンバ、おつかいロボ、ガ◯ダム等、家事を楽にするためのありとあらゆる発明をした結果、自分では何もしなくてもいいようになってしまいました。
ところがどっこい彼女は生粋のドMだったので趣味で義理の母や姉にいじめられていたのでした。
「このままだと優秀すぎてお義母さまやお姉さまにいじめられなくなってしまうわ、はー、つれー」
ぶつくさと不満を漏らしつつ、シンデレラはせっせと真面目に働き(?)ました。
そんなある日、お城で行われる舞踏会のお知らせが届きました。
義母も義姉も玉の輿に乗ろうとハッスルして衣装を選んでいます。義母はバブリーな時代にジュリ◯ナ東京で躍り狂っていたボディコンドレスを、姉はメキシコで覆面レスラーをやっていた時のルチャ・ドーラのコスプレをしておめかし。
シンデレラは機械油だらけの汚れた作業着を見て、とても舞踏会に似つかわしくないと思い、急いで舞踏会用のオシャレなパワードスーツを作成しました。
「シンデレラ! そんなみっともないパワードスーツなんか着込んで、どうしようと言うの!? 舞踏会には連れていってあげませんからね!」
そう言いながらバブリーな扇子でシンデレラの頬を張る義母。
「ああっ! ありがとうございます!」
思わず本音が漏れるドMデレラ!
「このパワードスーツ猫! 恥を知りなさい!」
そう言いながらルチャリブレ必殺の空中殺法をお見舞いする義姉。
「あんっ! もっとしてください!」
思わず本年が漏れるドMデレラ!
「シンデレラ! 私達は舞踏会へ行って来るから、お前はせいぜい恒星間ロケットでも作ってなさい! それと庭の草むしりと魔王軍の討伐も、私達が帰ってくるまでにしておくのよ! わかった? この薄汚いパワードスーツ娘!」
「あぁん! もっと罵って!」
こうしてシンデレラを置いて義母達は舞踏会へ出掛けてしまいました。シンデレラは何としても舞踏会へ行きたかったので、庭にガソリンを撒いて火をつけ一瞬で草むしりを終え、魔王城に向けて核ミサイルを発射、それから魔女をDIYで作って、カボチャの馬車もDIYしました。
「よーし、私も舞踏会へ行くわよー! っと、でも気を付けないとね! 未成年が遊戯施設に出入りしていいのは夜の10時まで! それまでに王子様としっぽり行かなくちゃ!!」
シンデレラはジェットエンジンを搭載したカボチャの馬車で一路、お城へと向かいました。
お城では沢山の女性がイケメン王子をダンスに誘ってアピールしていました。しかし王子は誰とも踊りません。
シンデレラの義母はお立ち台で扇子を振り回して踊り狂っていましたが、寄ってくるのはちょいワルオヤジばかり。義姉はリングで戦いを始めてしまいました。
「すまない! ホモ以外は帰ってくれないか!?」
王子が言うも、血眼になった婦女子達には聞こえていない様子です。王子好みのイイ男を蹴り倒して、王子に殺到しています。
その時!
舞踏場の窓ガラスをぶち破ってカボチャの馬車が突っ込んできました。王子を押し倒して馬乗りになろうとしている婦女子達の群れにカボチャの馬車が減速無しで突撃、彼女達を撥ね飛ばします。
鋭いドリフトでフロアにタイヤ痕とゴム臭を刻み、颯爽とシンデレラが降り立ちます。
「王子様、今宵は私とダンスしませんか?」
王子の腕を引き、カボチャの馬車へ強引に載せ、シンデレラはアクセルを踏み込みます。
ギャルルルッ!
激しく空転するタイヤが白煙をあげ、動き出したカボチャの馬車は何もかもを置き去りして光の彼方へと消えました。
「運命は誰かに委ねるものじゃない。自分で切り拓くものよ!」
こうしてシンデレラは王子と末永く幸せに暮ら……そうとしたらホモだったので速攻で捨てて金持ちの青年実業家と結婚しました。めでたしめでたし。




