第101話 野外で竃を組んでみた
今回、先ずは
炊き出し始めました、と
題名を付けて執筆し始めました。
炊き出し!平成頃は
お馴染みの言葉に成ってしまいましたね。
災害が!多過ぎた為に!!
しかし此のお話には相応しくなかった
為か?
変更と相成りました。
自分の意思ではないです。
七スクロール超執筆した割には、
あれ?未だ竃に火を着けていないぞ?と
成った為です。
自分の村、マウントークの村という所に、刀鍛冶の弟子に成ってくれるという
ヒト達を、王都から連れて来た。が、先ず食べていく事が困難そうであった。
なので村の中央広場で料理するから食べにおいで、お代は貰うけど、と、弟子
候補達に言っておいた。其れには準備が全く出来ていなかったので、今日は道具と食材を揃えて明日から始めよう、と。思っていたのだが。
買い出しを終えてみると広場には弟子候補達が集まって居た!野菜を抱えた
ゾンビみたいな有様で!(笑)何でやねん!!ゾンビが野菜を抱えるて!!
(爆笑)
弟子候補達に向けて、ではないが、聞こえる所で明日からと言ったのだが。まあ村に来た時点で弟子候補達はヘロヘロだったので先ずは休憩、休めたら次はメシ!自力で作る余力は無い!!とは成るだろうが。
其んな面白いザマに成る事なかろうに!(笑)本人達は笑い事ではないだろうが!準備したばかりではあるが料理に取り掛からなければね☆
先ずは竃を組まなければならない。村の中央広場には、雨の日なんかに子ども達が過ごす為の建物は在るのだが。子ども達が過ごす場所なだけに調理場は無い。
子どもに火を使わせるのは怖いので、暖炉も無ければ煙突も無い。其んな建物の中で料理なんぞするのは無謀もいいところだ。
火を使う時は換気をしろ、と言う。現代日本でガスコンロを使っていると其んなに気にならないが。あれは実は大変な文明の利器なのだ。当たり前に使っていると地味みたく感じるけど!
薪を使って火を熾すなんて原始的な方法だと、一酸化炭素中毒が恐いのだ!!
一酸化炭素は無味無臭な毒だからな!本人さえ良く分からない内にパタッと倒れてポックリ逝ってしまうと言うぞ!
密室で火を熾すなんて言語道断だが、岩壁が一寸凹んでいるだけの所で外側に
向かって火を焚いたら死んじゃったなんてのを聞いた事有るぞ!!
もう換気なんてものじゃ足りないな!!外で料理するしかないのだ!
と言う訳で、河原から持ってきた石で竃を組んでいると。
村の子が二人、ヨロヨロと寄ってくる。
髪も瞳も真っ茶っ茶なポニーテイルの子セツと、艶の有る白髪とアイスブルーの瞳の子ユキだ。ユキの髪は巫女さんっぽい一つ結びだ。
村の子は弟子候補達程飢えてはいないだろうに、砂漠で喉の渇きに苦しむヒトか何かの様だ。
其のセツが自分の両肩をガッシリと摑む。一体何?!
「お…………音楽………!」
「何故自分に言う?!」
プロ級の演奏をこなすピュアがずっと村に居ただろう?!!
「ピュアって、新しい事は一切始めないんだもの………っ!もう飽きちゃったんだよぅ!」
あー…ピュアって何故か新しい事はしないよね。一度見せた事は上回る技術で
再現するから凄え凹むんだけどね!!
「新しい……新しい新旋風をおぉ……」
言葉がダブっているぞ?!言いたい事は分からなくもないが!
「分かった!考えておくよ!」
もう知っているのは、全く弾ける気はしないがこんな感じか?!と音を出して
みる位の曲しか無いのだが。其んなのでもピュアに聴かせれば完全版を演奏して
くれるかねえ?
其して、演奏を聴けば作曲家か?!という程にササッと楽譜を描けてしまう位に、セツは二年前には既に成っていた。村の子達、興味有る方向への成長は
凄まじいな?!!もういっそ自分で作曲しちゃえよ!
未だ其の段階ではないってか?
「今は料理しなきゃあいけないから、後でね!」
取り敢えずセツとユキを宥めて料理の準備再開だ!
「さあワット!搬送魔法だけどね!」
河原の石を組んで竃を造るのを、ワットに協力させる。実践練習の為だ。
ワットはどちらかと言うと、感覚を摑んで技術を身に付ける感得の成長形態だが、説明全く無しで良いとは思わない。昔ながらの東洋の技術は、「屁理屈
ウダウダ考えているヒマが有ったら単純な動作をひたすら練習し続けろ!」という所が有る、というか全面的に其んな感じだが。其んなでは技術は発展しないと自分は思う!凄く!
「魔法結界は凄く脆い!分かるよね?
脆い結界を上手く使う為、負担を出来る限り減らす、と考えるんだ。
先ず石を載せる部分は丈夫にしなきゃあお話に成らないけど。其れから周りに
支える部分を付ける。其れは数が多い程支える負担が減る!」
滑車の原理であるが。幼い子にも分かるかな?という感じに噛み砕いて説明
する。
誰にでも見える具体例を示せないのが難点ではあるが。力が発生すれば必ず熱と光が発生している筈ではある。ヒトに感知出来るか、というのが問題ではあるが。其処は工夫と努力と根性で何とかしてもらえないだろうか?日本の在るあっちの
世界では機械で感知出来るだろうか。所謂赤外線センサーって奴。此処では魔法
だな!
此の世界で再現出来ない文明の利器は魔法で何とかしよう!という事に成って
おります、はい。
「同じ支えるにしても、全ての部分に均等に力が掛かれば負担は迚も減る!
其うすれば脆い結界でも重い物を持ち上げる事が可能に成るよ!」
詰まり、持ち難さと重さを工夫でどうにかして持ち上げよう、というのが
搬送魔法なのだ!
此れがまた、体術とも共通する概念なのだ!自分の体にだって重みは有る。
当たり前だね!其して、姿勢によって維持のし易さや動き易さが違ってくる。
具体的に言おう。片足で爪先立ちに成って上半身を斜めにして両手と上げた足を一杯に広げると…立って居られるヤツなど先ず居ませんね!維持のし難い姿勢と
いう事です。
両足の幅を適度に開いて重心を低く、出来る限り左右均等に体重を掛ける、
詰まり体重を体の中心に集中させるのが一番無理のない姿勢なのです!重心を低くするというのは腰を落とす、膝を曲げて中腰に成るという事。ほら、格闘技っぽい姿勢に成るでしょう?真っ直ぐ立つのは比較的倒れ易い姿勢なのです!
格闘技っぽい姿勢とは言うものの、体術は別に戦うヒトだけの為の技術という訳ではない。
日常生活でも体力勝負というヒトなら、体術を駆使すれば随分と快適に過ごせる様に成るだろう。
現代日本では其れよりも運動不足に気を付けるべきか?
それでも尚体術は磨いた方が良いだろう。
例えばギックリ腰。骨と骨の間、詰まり関節に有る軟骨が所定の位置から
はみ出てしまうと硬い骨が直接擦れ合って迚も痛く成る、病気、と言って良いのかなあ?…であるが。
何故軟骨がはみ出てしまうかと言えば、関節に強過ぎる力が掛かって耐えきれずに、である。
何故関節に強過ぎる力が掛かってしまうかと言えば姿勢が悪いと、である。
ギックリ腰に成ってしまうと言えば重い物を持ち上げた時、であるが、体術、
詰まり体の使い方、を知らないヒトは重い物を上からぶら下げる様に持つ。筋力を使わないから感覚的には楽だからである。
しかし重い物を持つのだからして何処からも力が出ていない訳が無い。支える骨から力が出ているのである。
しかも其の姿勢、腰に非常に負担が掛かる。上半身を腰で吊っているからで
ある。
此処で察しの良いヒトは気付くだろうか?上半身を腰で吊るって、上下が逆ではないか?と。
其う、非常に無理な姿勢なのだ!只でさえ重い物を持つ上に姿勢が無理!腰に
非常に悪い持ち方なのだ!
だというのに筋力を使わないから、素人さんは楽な姿勢だと思ってやってしまうのだ!其してギックリ、と。
姿勢維持というものは、骨を使うが筋肉も併せて使う。持久力の赤筋である。
当たり前だ。骨だけでは先ず立つ事から出来ないのだから。
筋肉というものは逆方向に引っ張り合う筋が対に成って付いているのだが、対に成った筋が引っ張り合って関節の曲がり具合を調節する。其して丁度良い所で維持するには同じ力で引っ張り合い続けるのだ。
此の筋力を使わないという事は骨に負担が行く。其の上で悪い姿勢をすれば軟骨もにゅるっとはみ出てしまうと言うものだ。チューブの中身でも絞り出すかの様に!
其う成ると、筋力の弱いヒトがギックリ腰に成り易いと言えるだろう。
お年寄り、子ども、女性、其して運動不足な奴!!(笑)
其ういう筋力の弱いヒトこそ無理な姿勢は避けるべきだ。詰まり体術を良く
考えるべきなのだ!
体術と言ったって何処かで習わなければいけないというものでもない。自分で
体に相談しなさい!良い姿勢を心掛ければ良いだけだ!
さて、石が組み上がって竃が出来た。
ワットは結構疲れた様だ。何事も初めてだと無駄に力が入っちゃうモノだからな!褒めて上げよう♡
「良く出来たねー♡偉い偉い♡可愛い♡♡」
「だ……だから其れ止めろよ」
ワットは口では其う言うものの、体は抵抗してないぞ♡
アメリカ辺りの犬を飼っているヒトみたく抱き締める様にして両手で
撫で繰り回して上げた♡ふふふー♡
「其れで、メイとライナはどうだったのかな?」
搬送魔法が見えたか?詰まり魔眼が使えたか?という事だが。
「申し訳御座いません!魔法は見えませんでした!」
「うーん………見えた様な気はします」
メイは駄目でした、と。正直で宜しい。ライナは微妙だな、と。此方から確認
してもやっぱり微妙だなという感じだが。目の辺りに力がモヤモヤっと纏わり
付いてはいるのだが。使えているならもっとはっきりと力を放っているのだ。
「申し訳なくはないよ。二人はもっと練習だね」
「頑張ります!」
「残念ですー!」
メイはやる気有る返事だしライナはめげない性格だし、な。順調と言って良い
のかな?
シャールとピュアが戻って来た。油の壺が浮いている。ピュアの搬送魔法だ。
滑車の原理が出来ていれば壺は安定する。揺らぎ一つ無いな!
「有難う!此れ、何処の油?」
先ずは礼を言って、何処のか訊いておかないとな!
「家のです」
シャールの家の灯り用だった様だ。
「有難うねぇ~♡」
言ってシャールを抱き締め、頬をぴったりとくっつける。頬ずりではなくぴたっとね♡じっくりと感触を味わう♡
「あ・あ…あああっあのあのあの!」
シャールは頬を染める♡可愛らしいなあ♡
「ん~♡油を使っちゃう代わりと言っちゃあ何だけど、灯りの魔法を後で一緒に
考えよう♡」
電灯は、態と電気抵抗が高い所に電気を流して散らすのだ。魔力も散らせば光か熱かに成るだろう。
「!魔法で灯り、ですか?!油が要らなく成ってしまいそうですね!」
知的好奇心をそそられたか、シャールが食いついた♡
「其れはどうかなあ?習慣は中々変わらないからねえ」
「ええ?!でも魔法なら安全で燃料も要らないですよね?!」
「其れもどうかねえ?魔法だって誰でも使える訳じゃないし」
電気を熱に変化させるにも態と電気抵抗が高い所に流すのだ。間違うと危険と
いう事だな!
「誰でも使える訳じゃない、ですか?」
が、シャールの疑問は先ず其処だった。
「村の外じゃあ魔法使いが殆ど居ないとか聞いて凄くビックリだったよ~!」
「えっ?!其れは、村でも大人は使えていないですが、外でも?」
「自分と関係なく魔法が使えるってヒトは、見た事無い!」
「其れって、ちいは魔法の第一人者って、事…ですね…ははは…」
シャールは乾いた笑いを浮かべる。
「其んな大袈裟なものじゃないよ♡魔法で油が一寸浮けば他の事に使える、位に
考えて気楽に魔法を作ってみよう!」
「随分お気楽に凄い事言ってません?
其れで、油を何に使うんです?」
「此れから料理するんだから、料理の材料さあ!」
「ええ?!灯りの油を、料理に、ですか?!」
シャールが驚くと言う事は一般的ではないのだな。
しかし村で採れる油は植物油だ。具体的にはアブラ菜の様な…いや其のものだな!
アブラ菜知らない?確か千葉県の県の花だった所の、菜の花だ!詰まり、菜種油なのだ!あ、後、胡麻油も採れる。
シャールと身を離すと、ピュアが期待に充ち満ちた眼差しで見詰めて居た。
ものっそいじーっと見ていた。
「よーし!行くぞピュア!!」
「♡♡」
ぎゅーっと抱き締めた♡ピュアも抱き返してくる♡
ぎゅー♡ぎゅぎゅぎゅー♡♡
ピュアはライナと違って、あれ?命危なくね?なんて事には成らない!
良いぞ♡其の調子だ♡ぎゅぎゅぎゅぎゅー♡
「………ちいとピュアは何やってんだ?」
「あはは…ちいは二年以上村から離れて居ましたからね!どうしてもああしたく成ってしまうのでしょう」
ワットとシャールが何やらお喋りしているな♡可愛いぞ♡
そろそろ弟子候補達が怨みがましい目付きに成ってきたから止めておくか!
しかし、此の子達は料理の準備をしてくれたんだぞ?一寸労ったからって其んなに怒るなよ!
「じゃあ、料理を始めよう!」
今回、行の修正に
手間取りました!
プレビューを見ながら
行の区切りがおかしな所を
直す訳ですが、
間違って保存しないで
消してしまったのです!
以前直した筈の所が
直っていなかった、というのも
多分保存しないで消してしまって
いたのでしょう!
投稿後のを直して
直っていなかった、というのは
又別だったのですが。
保存、気を付けましょうねえ!(切実!)