第100話 味噌醤油始めました!
月曜日…ですね!時刻は……
もう朝って言っても良い時刻ぅ!!
急ぎました!
で、コレです!(笑)
其れではどうぞお楽しみ下さい!
王都、まあ考えるまでも無く世界でも大きい方に数えられる都から。
刀鍛冶の弟子に成ってくれるヒトビトを村に連れて来たのは良いのだが。
此のヒト達がご飯を食べてゆく当てが全く無かった!
当然、食べる当てが無ければ誰も居着かない。此処は自分が炊き出しの様な事をするしか無いでしょう!と、思い立ち。
大人数分の料理をするには大掛かりな調理器具が必要だ。調味料も自然からは
そうそう手には入らない。
なので町に出て買い出しをしなければ!其う!隣町のトナー・リーの町(笑)へ!!ぶふうっ!!
其うして金物屋さんへ。行ってみたら…
有った!!有りましたよ!!中華鍋と寸胴が!!
似ている、なんてモノではない!!其のもの、である!
ちらほらと生まれ変わったなんてのが居て、しかも異世界転生だ!ってのが散見されるので、異世界の知識其のものが輸入された形であろう。
うん。此処から見れば、日本が在る世界が異世界って事に成っちゃうのだ!
中華鍋や寸胴は現代社会でも通用している道具であり、はっきり言って刀よりはずっと一般的だからな!以前から入り込んでいても全く不思議ではあるまい!
其れから調味料だ。塩と、後は酢は必須だ。塩梅、という言葉は、塩味と酸味の加減という意味だからな!五味の内の二つでもあるし。
後の三つ?甘味、辛味、苦味だぞ?一般的にはな!実は辛味は味覚ではないし。
甘味は文明度低い所では中々手に入らない、とは良く言われる事だ。其れに、
精製された砂糖なんかは、歯医者さんに言わせればはっきり言って毒だ!って事
だし!糖分を分解するにはカルシウムが必要、故に骨を溶かすと言われる。骨は体を支える枠ではあるが、元々カルシウムの貯蔵庫の役割を果たす部分なので、必要ならカルシウムが使われてしまうのだ!精製された砂糖は植物繊維の役にも
立たないし!黒糖の方がマシだ!って歯医者さんが言ってた。
脳に栄養に成るのは糖分しか無いと言うから、只の悪者で片付ける訳にも
いかないが。
辛味は味覚ではない。じゃあ何か?痛覚刺激である!(笑)…笑えない?
毒で痛覚が刺激されているのである!!…洒落に成らない?
フランスでだっけ?朝鮮漬、詰まりキムチが全面輸入禁止に成ったとか。辛子の成分カプサイシンが脳を破壊するんだってさ!日本でも昔は辛いモノ食うとバカに成る、とか言われたが。特に子どもには良くない、と言われたのだが。
けど、何処の国にだって辛子を使う料理の一つや二つは有るだろー?!だったら辛子を全面禁止にしてみろよっ!!出来ないんだがな!!
単純に、辛いモノを食うと体が熱く成る。寒い土地では安直だが有効な手段
なのだ!暑い所でも、乾燥した地方でなら汗を搔いてスッキリする、とか言うし。其う、インドのカレーである!
カレーの材料でもあるが、香辛料は高級食材だろー?!胡椒一粒は金の一粒、とか、聞いた事無い?歴史なんかで!
漢方薬は調味料としても使える、とか、聞いた事無い?漢方薬というか元々生物であった生薬は、食材と見るか薬と見るかは其のヒト次第だし。
知ってるか?薬と毒って、突き詰めると区別が付かなく成るって!だから纏めて薬毒学って言うんだぞ?
人体内でだって出る微量体調調節物質、ホルモン。実はふぐ毒なんか目じゃねえ超猛毒だって。だから微量で全身に影響するのだ!
まあ兎に角、毒は嫌だ、なんて言っていたら生きていけないのだ!
ああ其う其う、呼吸する理由である物質、酸素。其れだって実は毒だし!でも呼吸しなきゃあ生きられないでしょ?
結局、何事も一方的に悪者だなんて言えないって事ですな!
後の味覚、苦味は何の味かって?毒の味です!(爆笑)毒ばっかりじゃん!!(大爆笑)世の中毒が溢れてる!!!(超爆笑)
苦味は大人の味とか言って、ヒトは毒の味を楽しんじゃっているのです!
(超大爆笑)
其れを言うなら酸味は腐敗の味!腐敗ってのは菌類が食べて排泄する事!排泄物が有害!と体が判断すれば不快感が湧く。あ!やっぱり毒じゃん!!(大爆笑)
調味料を買いながら、其んな話を多少加工して子ども達に話した。
加工ってのは、純粋な此の世界のヒトにも通じる様に、である。
自分はもう笑っちゃった話なのだが。笑うでしょう!毒ばっかりって!
子ども達、ライナとメイとティーエ含む、は、嫌そうな顔で聞いていた。ピュア以外。ピュアは聞いているのかいないのか不明って感じだが、反応する時は凄い
からなあ。でも他の子達!知識が有ると無いとでは生き方が違ってくるでしょう!細かい所で!知るべき所は知っておきなさい!
調理器具、調味料、と来たら次は食材だ!今までの食事に一食追加するには、
結局は村の外から買い足すしか無い。
とは言っても、村では殆ど肉は食えないし、野菜にしても村では見ないモノが
結構有る!買っておいて損は無いな!!
海のモノは見られなかった。仕方ないな!海藻類は、日本人以外は消化出来ないと言うし。
買ったモノは搬送魔法で、後に付いて来るかの様にふよふよ浮いている。ので、注目の的だ。其れは、他に魔法使っている奴なんか見た事無いからなあ。
「じゃあティーエ!又ね!」
「あはは!其れじゃあ♪」
ティーエは町のヒトなので買い物が済めばお別れだ。未だ用事が全て済んだ訳
ではないのだが。
「後は、河原で石を幾つか拾って行こう!」
「石?何の為だ?」
ワットが訊いてくる。
「竃を組む為。内部で火を熾して鍋を載せる道具、だよ。
後、枯れ枝も拾っておきたいね!」
「薪にするんですね」
シャールは解釈してから確認してくる。正解!
さて、河原の石だが。下流程、小さく丸く成る。流されて削れる為だ。組むには大きくてゴツゴツしていた方が良い。ので、上流の方で石を採取する。自力では
持てそうもないな!!魔法もピュアが居て凄く助かっているしな!!
其うして村に戻ってみると。何とも言えない光景が広がっていた。
村の中央広場では。ゾンビみたいって言えばぴたりと嵌まるだろうか?刀鍛冶の弟子候補達が、野菜を抱えて力無く立ち尽くしている。おや?オロチとマジョオも居る?オロチは小さい樽というか、桶というかを二つ抱えて居る。
村の子ども達は、其の可笑しな大人達をじっと観察して居る。
警戒はしていない。只不思議そうだ。
可笑しな大人の内、マジョオが真っ先に此方に気付く。
マジョオはエルフのお婆さんだ。エルフとは言え、此の世界では作り話の様な
非常識な寿命はしていない。けど文明度が低い此の世界に在っては中々長生きが
出来る一族の様だ。
「な………何だい?!其れは!!」
何だかギョッとしているな?買ってきた物に目を遣っているので答える。
「食材だよ。此処で料理しようと思って」
聞いていて此処に来たんじゃないのか?明日からの積もりだったので、気が早いな!と言いたい所だったのだが。其うも言っていられなさそうな状況だな?
野菜持ったゾンビみたいな弟子候補達が、凄く超現実的だぞ?
「何で其れが浮いているのかって訊いているんだよ!!」
「んー?魔法!」
知らなかったのか?もう二年以上村に居てて。
「ま…魔法じゃとお?!一体何処で身に付けたんじゃ??!」
マジョオはワナワナ震えて居るが。此方に気付いた弟子候補達が其れ処では
なかった!!
「め……メシ!」
「お代!!」
「く……食わせろぉ……!」
余力が無いのか、皆片言で言い寄って来て。…食わせろとか言って来た奴!
ネタかよ!!(笑)笑っている場合ではないか!
「はあい!じゃあ急いで準備しちゃうからねえ!
シャール!ピュアと一緒に、油持って来てくれる?」
急遽、なのだが、即座に対応するのがサバイバル精神というものだ!
「油って、夜の灯り用の、ですか?量は?」
シャールは適切な質問をしてくる。が、一人では運んで来られないだろう。
ピュアは持ってくるだけなら素早いだろうが、兎に角喋らない。黙って持ってくるのは問題に成るだろう。なので二人に行って貰う。
「其う!其の油!量は…結構使うと思っておいて?」
量の説明が適当に成ってしまったが。ギリギリの量だと使うのにケチりながらに成るだろうから、出来るなら容れ物ごと持ってくるのを期待する!
「ワット!搬送魔法、実践してみる?」
「お、オレ?!」
正直、ワットを当てには出来ないが。やらせてみなければ何時まで経っても
見てるだけ、に成ってしまうだろう。勿論、自分一人でも出来るが、其の上で協力させてみるのだ。
「竃造りは、少々穴を掘って上に石の台を造るんだ。穴で火を焚く、台に鍋を
載せるのを意識してね!」
「お……おう!」
「搬送魔法は靴底魔法の応用だから!石は自力じゃ持ち上がらないぞ?」
「分かった!」
「わ……わたし達は?」
ライナが訊いてくるが。
「此う見えてワットの方が魔法の先輩だからね!ライナとメイは見学!
ああ、次いでに、魔眼でも試してみる?」
「魔眼とは確か、魔法を見る眼…で御座いましたね?」
メイは確か、と言ったものの。記憶が定かでない、のではなく。言葉は兎も角
魔法自体が未だ理解出来ていない為の確認だろう。なので。
「石を持ち上げている何か、が見えたら魔眼修得だよ!」
身に付いた目安を教えておく。自分は魔眼で確認出来るので、出来たフリを
したって見れば分かるし!
其して竃を組みながら。オロチに訊く。
「今此処に来たのは、どう言った訳で?」
「此奴等が言うもんでの」
弟子候補達を眼で差しながら言う。
「昼はちいがメシを作るからちな!鍛冶仕事は半端な所で止められんけん、
昼を空ける様に頼まれた訳じゃな!」
「ふむふむ。で、其の、手に持つモノは?」
匂いでもう判るのだが。確認だ。
「此処で食うにはお代が要るんじゃろ?コレじゃあ!」
勿体ぶっているのだか、言葉では言わずに桶の中身を覗かせて来た!
片方は。茶色い、ねっとりとした物体。一見、ウンおっと!…に、見えるモノ。
もう片方は。一寸色が付いているけど殆ど透明な液体。ニオイは有る。
詰まり!
「味噌と………醤油!!」
其う言う事だった!!
味噌と醤油が!
文字としては
やっと最後に出て来ましたねえ!
味噌と醤油は日本の心ぉ!
……とも言い切れないのかな?
中国から来たって?




