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第94話 お家に帰ってみた。すると?

 休み明けですっっ!

 日付は題名横でっ!

 いやあ、執筆中は

体勢が悪いので、

長時間掛かると辛いのですが…

 頑張りました!仕上げました!

 村に帰るまで長かったですからね!

 自分はとうとう村に到着した!………長ぇーえよっ!!

 しかし先ずは刀鍛冶の弟子候補達を仮初かりそめの住まいとやらまで連れて行かな

ければ成るまい!

 もう弟子候補達はとっくにヘロヘロなのだ!

 其の住まいとやらは、二つの建物だった。そして二階建てだ。実は、村の建物のほとんどは平屋、詰まり一階のみなのだ。此れでも冒険しちゃっているね、というものだ。

 村長が建物について説明する。

「男女で建物は分かれて貰います。お一人につき部屋は一つですが、取り敢えずは住むのに困らない程度の広さは有るでしょう。

 洗面、トイレは建物内で共用となります」

 大昔のアパートの様だ。平成生まれには共用トイレ等(にわか)には信じられまいが。

「勿論、住む内に私財を蓄えて頂き、独自の住宅を手に入れるのは個人の自由

です。

 今後の事はゆっくり考えて頂いて、今はひとず旅の疲れを癒して下さい」

 旅と言っても、何日か歩きはしたが寝泊まりは人工の建物、まあ宿屋だが、

なので少々大袈裟なのだがな!

「えーと………休む前に、一つだけ訊いて良いですか?」

 弟子候補の一人が質問して、村長は応じる。

「何でしょう?」

「………其の子、一体、何なんですか?」

 自分の事である。

「…………見たままです」

「…………其うですか……」

 両者意味深に溜め、具体性には欠ける言葉を交わす。

「自分の事、一体何だと思ってんの?」

「「いやあ!はっはっはっは!」」

 村長も弟子候補も、あからさまな誤魔化し笑いを上げる。おい!(怒)

「まあ、兎に角休んでおいてよ。で、村長、ご飯はどう成ってんの?」

 仕方ねえ!取り敢えず捨て置いてやる!と、必要な事も訊いておいてやる。先ずは食う当てが無ければ何も始まらないだろうからな!

「台所も共用、食料は一人一人に分配、だな」

 其うだろうとは思った。村には店の一軒も無ければ、税は村全体として納める。其れ以外は無いだろう。が。

「特に男性の皆さん、ご飯作れるの?」

   うっっ

 弟子候補の男性陣…全員だな!うめき声が聞こえる。其れから細かい事だが、元々の村人達には畑で採れる作物を分配する他に、各家の周囲、庭と呼べる程区画整理は出来ていないが、其処に個人的な作物を育てている。家庭菜園、と、呼べる程

上等でもないが。

 弟子候補達には其んな土地も無ければ、此れから修業する仕事も作物が育つものではない。食糧事情は完全に不利だろう。

 更に男どもは料理も出来ないときた。放って置けば、遠からず餓死者が出る程

深刻だな!此れは!

「自分、中央広場で炊事すいじをする予定だから。自分でご飯が作れないヒトは食べに

おいで?

 ただ、大人はおだいとして、食糧を持ち込んで貰うけど」

「お代として食糧?」

 弟子候補の一人が質問をする。丁度良い。

「此処ではお金は一切使えません☆欲しい品は物々交換(ぶつぶつこうかん)ですね♪」

   ええっっ??

 今度は女性陣も含めて皆狼狽(うろた)えた。元々王都に住んでいた町人達だからな!

「ああ、自分は町に出て買い出しもする積もりだから、感覚が掴めたらお金も

受け付けるけど、ね\」

「君、商人の子か何か?」

 弟子候補の一人がボケた質問をする!

「だから、村にはお金が使える所は一切無いっての!」

 商人が育つ土壌等、村には無い!という事だ!理解出来る?

「大丈夫なの?」

 ああ、値段設定やらお金のやり取りやらが無茶苦茶にならないか?って、不安か!

「間違い無く、町の食堂より格安に成る筈だよ?」

 大勢が食べる食材を大量に買い込んで一遍に料理すればな!村の中でもうけを狙いもしないしな!ガッコの給食費が食堂より高価に成る等、有り得ないダロ?

 ガッコの女教師でさえ、子ども達は給食で栄養がれているから生きていける

だろー、なんて奴が居た。同様に、昼だけでも弟子候補達に食わせてやれば、

少なくとも餓死者は出ないダロ!元々此の世界のヒト全体が一日二食だしな!更に量も少なめだしな!味も劣るしな!!

 ………此の世界、食糧事情全体的にヒドいな?!

 弟子候補の一人が又村長に訊いている。呆然ぼうぜんと。

「あの子、一体、何なんです?!!」

「え?いや!ははは…」

 今度は村長も返答に困っている。どころか。

「ちいや。広場で炊事等、本気なのか?!」

 此方こちら詰問きつもん、という程にキツく訊いてくる。

 まあ、普通に考えれば。料理は火を使う。生木なまきは燃え難い、とは言え、周囲は

山林。住宅は木造。生木ではない。一歩間違えれば大惨事だ。普通の幼児に料理

させる等、正気しょうき沙汰さたではない。が。

「村長、自分の事をどう思っておいでで?」

「むぐうっ…!大丈夫…なのか?」

「任せて下さい。刀鍛冶のお弟子さん達、食糧を分配すれば後は良い、とか、

思ってないでしょう?」

「そ…其うだがな…!」

代替案だいたいあんでもお持ちで?」

「ぬぐぁ!!…むうっ!…頼んで良い…のか?」

「どんと来て下さい!」

 むしろ、元町人の弟子候補達それぞれが料理する方が恐えわ!

 又々弟子候補の一人が呆然と村長に訊く。

「あの子、本当に、何??」

「ヒトに訊いてねえで自分を見ろぃ!!」

 いい加減()ざわりなので一喝いっかつしてやった!

 弟子候補達はビクリとしたが、ワットは平気な顔して訊いてくる。

「ご飯、作るのか?」

「お昼にね♡今日明日は一寸ちょっと無理だけど、明後日から楽しみにしてなね♡」

 此の世界のヒトの一日二食、というのは朝晩だ。昼に一食入れても全く問題は

無い。寧ろ、二食では少な過ぎだ!一日五食が理想なのだ!

「おお!ご飯、作れるのか?」

「手を出しちゃあ、駄目だよ♡離れて見ていなね♡」

 ワットは熱めのお湯で洗濯した時、ひょいと手を出した前科ぜんかが有る。注意して

おかなきゃあな!

「分かってるよっ!だ前の事()ってんのかよ!」

「ふふふ♡可愛いなぁ♡」

「だから其れ止めろよっ!」

「ふふふふ♡」

 話は纏まったので、子ども達…と、ライナとメイを引き連れて退場だ。ライナとメイはやっぱうちで養う事に成るか?まあ、何処どこいえもキョウダイうじゃうじゃ居るから、問題無く馴染むでしょう。

 村長と弟子候補達は呆然と突っ立って居た。

 まさか、ひとりひとり部屋まで連れてってやらなきゃあいけない訳じゃあない

でしょう?

 さて、いよいよ自宅だ!家族も気になるしな!

 未だ家まで何十メートルかは有る、其んな所で。

 母、サラが、玄関からひょいと顔を出した。え?

 考えてみよう。此の世界、連絡手段なんて普通は無い。どう考えても、自分が今自宅に向かっている事は母には知り得ない。

 何で今、玄関から顔出した?しかも、目の焦点はしっかりと自分をとらえて

いる!!

 其して………

「………ちいちゃぁぁぁぁあああああああああああん!!!!!」

「ふぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!」

 来たああああああああああああ!!!!

「………何でお母さんを見てちいは叫ぶんだ?」

「ふふふふふふふふふっっ!!何ででしょうね!」

 ワットとシャールは呑気のんきに言っているが!!オカシいだろう?!あの母親!!

 シャールの奴!!笑いを抑えているけど噴き出しちゃうよ~みたいな仕種しぐさ

しおって!!

 母は。まるで短距離走者スプリンターの様に疾走し。自分は片腕で抱きしめられた。左腕だけで。んんっ??

 母の右腕には。

 赤ん坊が収まって居た。

 ……んんんっっ???

「ちいちゃあ゛あ゛あ゛ん゛!!ぢい゛ぢゃ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

「………。母上?」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

「お母さん?」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

「分かったから!!落ち着いてよっ!!」

「ぢい゛ぢゃ゛ん゛ぢい゛ぢゃ゛あ゛あ゛ん゛!!」

「……ああ、うん。………ただいま」

 母の背をぽんぽんする。普通、逆じゃねえ?…仕方ない、か。

 やっと落ち着いてから。

「其の赤ん坊、何?」

 いや、自分の弟だか妹だかしか有り得ないけど。

「ぢいぢゃんの妹ちゃんでしゅよ♡ニニちゃんでぇーしゅ♡」

 母が当てレコした。勿論、赤ん坊が喋る訳無いが。新生児、という程は生まれたばかりではなさそうだ。

 ……何で自分に濁点付いてんの?

 其れに、ニニなんてのが人名で、良いの??

 んで、姉がナナ、ネネ、妹がニニ、其れで自分はちいって、何?いや、ノノとかヌヌなんて名前は御免だけどね?!

 其れより何よりも!

 ニニ、ずっと母の胸いじりしてんだけど?!!何?此の子!!真剣な顔して!!まるでちちみ職人です!とでも言わんばかりに!!

 自分、母に抱えられっぱなしだから、目の前で!っつーか、触れ合ってんだ

けどっっ!!

「ニニちゃん、未だお喋り出来まちぇんねぇ~?」

「いや、当たり前だよね?」

 乳揉みながらぺらぺら喋る赤ん坊とかヤだ!凄えヤだ!!

「ちいちゃんは喋ったじゃない」

「あれ??!此んな頃??」

「其うでちゅよ~♡ねぇ?」

「左様で御座いますか……」

 其りゃあビックリで御座いますね!

「お姉ちゃん♡抱っこちてみまちゅか?」

「おねえっ?!自分?!!」

「其うでちゅよ~♡此れから、いっちょ(一緒)におっぱい吸うお姉ちゃんでちゅよ~!

よろちくね♡って」

「待てええええええいっ!!今何て言ったあああああああ!!!」

「いっちょにおっぱい吸う?」

「恥ずかしい言葉繰り返すなああああああああ!!!」

「ちいちゃんが訊いたんじゃない♡変なお姉ちゃんでちゅねぇ?」

「変なのはアンタだああああああああああ!!!

 いや、何で?!!自分、嫌だからね??!!」

「下の子二人はお母さんのおっぱい吸うのが伝統だもの!!」

 言ったあああああああ!!!とうとう其れを明言したあああああ!!!

「どっ……独立させて頂きますっっっ」

「駄ぁ~ぁ目♡もう離さないんだから♡」

 何とか言うか、きつい感じはしないのにぎゅっと抱き締められる。

「ネネに譲ります!」

 あの姉は母の乳大好きだからなっ!

「う~ん、ネネちゃんは駄々捏ねるだろうけど~、ちいちゃんを先にしてくれたら、後好きにしてくれて良いよって、言おうと思うの♡」

「何故自分を順番に組み込むかっっ!!要らんよっっ!!」

 母は急に泣きそう…いや既に涙をこぼして言う。

「ちいちゃんはね?ちいちゃんは……ずっと居なかったから駄目なのっ!!ずっと居なかったから……

 いっぱい吸わなきゃあ駄目なのっっ!!」

「其処に結論持って行くなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 いや、長く留守にしたのは罪悪感湧くけどっっ!!何で其う成るかっっ!!

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