第93話 ようこそ!マウント―クの村(笑)へ!
春分の日です!
日付は題名横でご確認下さい☆
朝には少々雨が降りましたが、
昼を過ぎたら青空なんかが
覗いて居ります!
何で天気の話なんかって?
よく有るではありませんか!
夏休みの日記を付けるのをサボって
最後に天気が分からなくて慌てるって。
コレ夏休みの日記かいっっ!!
とうとう村に到着しました!(笑)
とは言え、未だ畑地帯、村の外周です☆
刀鍛冶の弟子候補達は元々何日も歩き続けられるヒト達ではないので早い所建物で休ませて上げないとね!
歩き続けると、木の囲いが見えてくる。村だしね!本当に住宅の敷地を囲って
いるだけの木の柵だ。何も防げるモノは無いだろう。只此処が村です!と、示しているだけだ。
柵の切れ目、まあ、村の入り口な訳だが、其処には村長が、左右にシャールとピュアを従えて立っていた。
勿論村長は村に来た者を察知出来る訳ではない。事前に魔法で連絡してあった
のだ。
当たり前だが、連絡も無しに男八人、女九人の、大人十七人をいきなり連れて
来たら住む所の世話も出来る訳が無い!大分前から言ってはあった。
今村の入り口に居るのはもう少し直前に連絡したのだが。移動しながらなので
簡単な連絡しか出来なかった。歩きスマホは危険ですよー!スマホとちゃう
やん!!
しかし、シャールとピュア…村長の護衛か?護衛の積もりなのか?
…………可愛ぅいぃじゃないか♡真剣な顔しやがってぇえ♡
村長!助さん格さん!とか言い出すなよ?…って、純粋な此の世界のヒトが
そんなネタ知っている訳が無い!
「ピュア!」
自分は、思わず…というか自然とピュアを呼んだ。
勿論、周囲に危険は無いと確信したからだ。例えば、車がぶんぶか走っている
道路の向こう側から、母親が幼い子を呼んだりしたら、超危険だ。分かるよね?
呼んだ訳ではないが、母親がどういう訳でか子どもを置いて家を出たら、子どもが泣きながら追いかけて来て車に撥ねられて死んじゃったとか、聞いた事有るぞ?
幼い子にはいくら気を付けても気を付け過ぎって事は無いぞ!!
其れは其れとして、だ。
シャールが一寸悲しそうになったか?
違うんだよ?自分は村の子みんな可愛いし、順番なんか付けはしないよ?只、ピュアには問い質さなければいけない事が有っただけなんだよ?シャールは
賢いんだし、分かってくれるよね?
ピュアは呼ばれた途端、一気に駆け寄って来る♡何と言おうか、お気に入りの
ご主人に呼ばれた犬みたいな?思いっきり振りまくる尻尾が幻視できるな?
…っつーか、速さも犬並でない?……えー?まさかな??
直立二足歩行なヒトは、思いっきり移動速度を犠牲にしたカタチの生き物で
ある。どう頑張ったって四足歩行の生き物には敵わない。筈……だよな?
況してや薬丸自顕流の練習、ピュアは超鈍足だったやん?!何?モノを持つと遅くなるの?走るのに集中すると速いの?トラックとか、元々大荷物を運ぶ想定の
乗り物だけど、荷物無しだと実は速いとか、そんな感じなの??
何か速かったので、直ぐに抱きついて来た♡勿論しっかりと抱き留めてあげる♡けど、厳しく問い質さないといけないんだからな♡自分は鬼教官(笑)だぞ?覚悟しろ♡
「ピュア!真剣、使ったの?!」
しかし。
ピュアの、見つめてくる眼差しは。
『褒めて褒めて♡』
と、語っていた。相変わらず、喋らないのに。
何故かビンビンに伝わってくる!
おい!自分は怒っているんだぞ?鬼教官(笑)なんだぞ?厳しいんだぞ?
甘くするだけが教育じゃあないんだぞ?
「無茶しやがってぇえぇえ♡♡♡」
思いっきりぎゅううっと抱きしめた♡どうだ♡参ったか♡♡ぬぬ?抱き返して
きおったな?生意気なあ♡此れでどうだあ♡♡
「お……女同士で何いちゃいちゃしてんだよ!」
ぬ?ワットが突っ込んできたな?焼きもちか!仕方ないのう♡ちゃんと自分は
みんな可愛いんだぞ♡
自分がピュアごとワットを抱きしめようとすると、ピュアは示し合わせたかの様にワットを間に挟んで抱き返してくる♡相変わらず喋らないのに反応が凄いな♡精神感応でも使っているのか?
「なっ!にゃにしてぃゆんやよ!!」
あはははは♡ワット♡もう蕩けているじゃないか♡可愛いなあ♡
しかし此う成ると。
シャールはぽつんと独りぼっちで立っている、みたいな感じに成る。隣りには
村長が居るのだが。其れでも、だ。
勿論、自分はシャールを独りぼっちにはしないぞぉ~♡
「おいで♡」
自分は両腕を広げてWELCOMEの体勢に成るが。
「え?…えっと…いいえ………」
シャールはまごつく。
そーだよなあ!内気な子は何も考えずに飛び込んでは来られないよなあ!!
況してや、シャールは賢過ぎるから尚の事、恥ずかしいと思ってしまうよ
なあ!!
なので!!
「行くぞ!!」
自分がワットの手を引きながら走り出すと、やはりピュアもワットのもう片方の手を引いて走り出す!
以心伝心という言葉は有るのだが。ピュア、やっぱりエスパーなのか?
何つーか、オプションみたいだぞ?
オプションと言うのは、シューティングゲームで自機に付いて動き、自機と一緒に攻撃を放つ、装備?の一種だ。平成の終わり頃にはシューティングゲームなんてとんと目にしなかったが。兎に角、オプションを一つ付ければ自機と一緒に攻撃
するので攻撃二倍、オプションを二つ付ければ攻撃三倍!と、成るヤツなのだ!
「なななな何だよ!!??」
訳も分からず引っ張られるのはワットばかりなり。
そんなに離れていた訳でもないので、直ぐにシャールの所に辿り着き。
ぎゅぅ~♡っと。
間にシャールもワットも挟んで。ピュアと抱き合った♡
おお♡ヒトの腕は二本なので、三人を抱き抱えるのは難しいかと思ったのだが!
ピュアが協力的なので難無く出来たぞ♡此れが連携と言うものか♡
しょうもねえって?
間に抱えられたまま、ワットとシャールが喋る。
「シャール!」
「はい?」
「ちいが此んなのに成っちまった!」
「あははは……」
「どうしよう!」
「えー?…どうにも成らないのでは?」
「何とかしろよ!」
「ちいは帰って来たばかりですから。直ぐ落ち着くのではないでしょうか」
「本当かよ!」
「お~い♡自分の目の前で、随分とご挨拶だな?」
自分、可愛い二人の会話に割って入っちゃうよ♡
「あはは。何でもないですよ?」
賢いシャールは建前というモノも分かっているね♡誤魔化せてはいないけど♡
「可愛いなあぁ♡自分が居ない間、無事だった?みんなどうして居る?」
「幸いにしてみんな元気です!ピュアが本当に頑張って居ましたからね」
「あぁ可愛い♡其うかあぁ♡有難うねえぇ♡みんな有難うねええぇ♡」
心残りが有ったのだ!いくら急に王都に行く事に成ったとは言え、事前にやっておかなければならなかった事が抜けてしまっていたのだっ……!!
と、言うのも。回復術だ。魔法で治療、というモノを考えなければならなかったのだ!
例えどんなに気を付けて暮らしていても、軽い傷を負う位は避けられない
だろう!具合が悪く成る事も生きて居れば当然に有るだろう!
少なくとも回復と治癒の仕組みを、シャールに説明位はしておかなければならなかったのだ!其うしたら賢いシャールの事、二年も有れば考えを纏め上げるか其れ以上の事はしてくれて居ただろうに!
何しろ魔法で治療、等と、未だ全く手付かずなのだ!早急に確立しなければ
ならない!!
何故なら、文明度の低い所では、軽い傷程度でも致命傷になり得るからだ!!
平成生まれ辺りに破傷風、等と言ってみた所で、何其れ?と、返って来る
だろう。素人なヒトに敗血症等と言っても、分からないだろう。
詰まりは、軽い怪我程度でも体の抵抗力は下がるし、バイ菌が傷口から入れば
危険なのだ!況してや文明度が低い所ではヒトビト自身が汚いのだ!!まあ、ウチの子達はお風呂に入っているから綺麗だけどね♡
けど普通は、文明度が低い世界のヒトビトには風呂と言ってもナニソレ?と
返って来るモノなのだ!!昔の西洋なんかだったらな!お貴族さんでさえ、な!!悪臭を香水で誤魔化していた、とか、聞いた事無い?
ニオイというモノは、足し算なんです!!詰まり、悪臭に香水を足しても、
誤魔化せないんです!!
例え良い香り、と、言われているモノでも、悪臭に足すと、もっとヒドいニオイに成ってしまうのです!!ニオイが気になるヒトは、香りで誤魔化すのではなく、消臭を頑張るのが正解なのです!!!
体臭って、厄介ですよね?自分では気付き難いって、言うしね!でも香りで
誤魔化そうとするのだけは、止めてね♡…なんて言っていたら誰かにぶっ飛ばされそうだな……!
あ!ニオイを何とかしても、汚いのは解決していないや!
汚いというのは、恐ろしい事なんです!!昔の西洋、ヒトビトが汚かった故に
大流行した黒死病ですが。
黒死病、とは、腐って死ぬ、という病気です。生きている間に腐って、其れから死ぬのです!!黒というのは腐って黒く成るという事なのです!!
生きている間に腐るのは、大変な苦痛だと言います。当然ですね。腐るとは、
菌が食べて排泄する現象です。腐った部分というのは、食べられてウンチに成った
部分という事なのです!!例え体に繋がったままだとしても!!最早自分の一部
ではないのです!!!
ね?汚いって、恐いでしょう?お風呂はこまめに入ろうね?其れでも最低限度
だな…治療魔法を早い所確立せねば!
「あのー…ちい?」
自分が決意を固めていた所、シャールが申し訳なさそうに言う。
「何だい?可愛いね♡」
「あのー………男というものはですね?可愛いと言われると嫌がるものなのです
けれど……」
「知ってる」
「え゛…………」
「可ぅ愛ぃいなあぁ♡」
思わず頬ずりなんかしてしまおう♡頬と頬をぴったりと、ね♡
「あああのあのあのっ!分かってて言っているのですか??!!」
「分かっているけど止まらない、だよ♡」
河童の癖に海老を練り込んだお菓子みたいだな♡……アレの形って、胡瓜でも
模しているのか?小さいけど。だからカッパなのか?
「なななな何ですか?!其れは!!」
「何で其んなに可愛いんだよぅ♡」
「其の質問おかしいですよね?!」
「おかしいのはキミタチの可愛さだよぅ♡」
「えええええええええええ???!」
しっかり堪能させて頂きました♡
「あー…………ちい?もう良いかな?」
村長が言葉を挟んでくる。自分が子ども達を可愛がるのを待っていた様だ。
「其方は其方で話を進めてくれていて良かったのに」
「其れはどうかと思うがな?!
………コホン!ちいよ。よくぞ無事に戻って来た!村の者は皆喜ぶぞ!
其して、よくぞ刀鍛冶の弟子をこんなにも連れて来てくれた!村は益々発展する事だろう!
新しく村の一員に成ってくださる方々、よくぞいらっしゃった!仮初めの住まいは用意致して居ります!先ずはお体をお休め下され!」
刀鍛冶の弟子候補達は、準備万端な上来たら既に村長が村の入り口で待っていた事に驚いている様だ。普通に考えて、連絡手段も無ければ来訪に気付く手段も無いからな!!
村長は少々勝ち誇った意地悪な笑みを浮かべながら、新たな村の一員達に言う。
「ようこそ!マウント―クの村へ!!」
あー………やっぱり此処、山奥の村って、言うんだあ……
マウントおくの村です!(大爆笑)
誰だ!其んな巫山戯た名前を
村に付けたヤツは!!
はい、自分です☆(大爆笑)
忘れられないでしょ?




