第91話 竹林始まってました
やっとです!やっと村の子一人目が登場です!
さて誰でしょう?
其して、未だ
村には着いていません(笑)!!
やっとトナー・リーの町から村に向かって出発した。
新装備!スニーカーよりは一寸劣る靴を手に入れて!
…ショボくないぞ?自然な素材で此処まで出来ればご立派だぞ?
引率している刀鍛冶の弟子候補達の足取りも、心持ち軽くなっている様だ。
やはり、靴の影響は大きいね!
ニンゲンは考える葦である!…うん、正直、意味分からないとか何で植物の
葦なの?とか思うけども!
「汗搔くなら言ってね!着替える位の時間は立ち止まるからね!」
弟子候補達に声を掛ける。出発前にも言っておいた事だが、アレだ。大事なので二度言いました、という奴だ。いや、何度でも言います、という積もりだ。
ヒトって、一度で聞き分ける程素直なのも其うは居ないからね!後、物覚えが
悪い、という可能性も考慮しなければなるまい。一度では理解が及ばない、というのも気にしなければならないだろう。読書百遍自ずと通ず、と言って、まあ今回は口に出した言葉だが、何度も言えば分かって貰えるものだ、と。
自分が、鼻で息を吸うのが正しいと認めたという件も、自分で自分に言い聞かせ続けて捻くれ者な自分を屈服させた、みたいな感じだからな!
理屈では一遍で分かるのだよ。鼻は空気中のゴミを取り除く能力が備わって
いる。対して口は其のまま吸い込んでしまう。野生生物は自然に鼻で呼吸する。
本能という奴だ。誰からも教わる事無く、自然に正しい体の使い方をする。対してヒトは本能が弱い。其うなると正しくない事もやってしまう。で、口で息を吸うと楽だ。鼻と違って詰まるという事もそうそうは無い。其の所為で、現代日本では
目に付く者は皆口で息吸っているなあ、と、なっているのだろう。
だが、アレルギー反応で息が詰まったら、口でも呼吸出来なく成るぞ?現代日本でアレルギー疾患が矢鱈発生しているのは、口で息吸っているのが割と大きい原因だと思うぞ?
花粉症というものは、初期は誰でも平気なものだが、原因が体に蓄積していって臨界点を突破すると発症するのだとか。詰まり、花粉に触れ続けて体が我慢
出来なく成ると拒絶反応が起こる訳だ。
口で息を吸う、という事は、花粉を初めとした異物を目いっぱい体に取り込んでいる、という行為に他ならない。其して、アレルギー疾患とは、異物に対して体が拒絶反応を起こしている事、なのである。
で、終いには息を詰まらせて異物をシャットアウト!と、成ってしまう訳だ。
息を詰まらせたら窒息死するっつーの!!
しかし、覚えておいででしょうか?体は意思ではどうにも成らない部分が有る
のです。自律神経系ですね。息が詰まったら死んじゃうよー?と、思っても、
アレルギー発作が起こった体は、兎に角異物をシャットアウト!とか成って、言うこと聞いてくれない訳ですね。で、窒息死、と。苦しいぞ?正しく死ぬ苦しみ
だからな!
アレルギー発作というものは、起こったら薬でなければ治まりませんね。自分の記憶に在る現代日本の誰だかさん。医者代を掛けたくなくて喘息の発作を我慢
し続けた事が有るんです。が。
一ヶ月我慢し続けても治まらず、結局日常生活にも支障が出てお医者に行き
ました☆
其の一ヶ月、凄絶だったぞ?呼吸困難だと、階段等高さに変化が有る所の移動が兎に角辛い!!何でかね?まあ、平らでも辛いのだが。
極め付けは、横になって眠れない!!横たわると、気管、空気の通り道な内臓な、が潰れてしまうからだ。其の一ヶ月、どこかに寄りかかって意識を失う様に
眠る日々が続いた。やつれたぞ?物凄くな!骨と皮ばかりか!!って、程にな!!
其れで結局薬を使わなければ治まらなかったのだ!!アレルギー発作って、怖いね!!
其う成る前に、口呼吸している奴は鼻呼吸に直しておけ?身の為だぞ?
これだけの事が無いと捻くれ者は身に染みない訳だ。命に関わる程の事件
だねえ!
理屈では一遍に分かる、其の筈なのにね!捻くれ者は受け入れないモンだな!あ、自分の事です。はい。
そういう経験…というか、他人の記憶、が有って、教えるには何度かは同じ事を言い続けなければいけないな、と、思う訳です。はい。
他人の記憶、なんて言っちゃっているのは、自分、生まれ変わりなんて信じて
いないからですよー!
異世界転生とかって、創作物だよ創作物!!そんなに「主人公は死んじゃい
ました!で、異世界で生まれ変わりました!」とか、言わんといて?其れは、人口が一億ン千万も居れば、平均して一分弱に一人は死んでいる、とは言うのだが。
まあ良いや。村への行程である。弟子候補達の体調に気を付けつつ、道なき道を進む。もうヒト通りはそんなに無いからね!
其して村に近付いた、という頃。…いや、村に向かっているんだから、村に
近付くのはずっと近付き続けてはいるのだが、そろそろ近いか、という頃、だ。
見慣れないモノが目に付いた。植物だ。
全体的に緑色だ。其して。
幹が節に成っていて、中が空洞に成っている。勿論、中身が透けて見える訳ではない。
自分は知っているのだ!其れを!!
そう!!
「竹…………林………………!!」
竹林が!!それなりの面積広がっていた!!
其れは、雨後の筍、なんて言葉が有る程なのだから、増える時は一気にニョキニョキ生えるモノなのだけど!
ちーい………
その時、自分を呼ぶ幼い声が響いた。
声の主は。
かなり遠くから駆け寄って来る。
上半身は全くブレず。地面と平行に移動しているから、と、言いたい所だが。
此処は山道なので、正確に言えば真っ直ぐ立って重力とは垂直に移動している、という事に成るか。
足を動かすのも、成るべく筋力は使わず、体の重みと勢いだけで足を前に出し、更に地を蹴るのではなく前の足を地に着いてから体を引っ張る様に移動している。
即ち。難波走り!きちんと出来ている!!
近付く程に顔がはっきり見えてくる。いや、初めから誰かは分かっていたけれども。
くすんだ金髪。今にして思えば雲耀を彷彿とさせる、と言えようか。
しかし、瞳の色は青空を思わせるスカイブルーな少年。
けれども、村人の常として、髪は切っていない。詰まり、伸ばしっぱなしの髪を一つに結わえているので、初見で男の子とは…分かるかな?
山は寒い、と言いつつ服装は半袖長ズボンである。慣れちゃっているのかな?
まあ、自分も、なのだが。
子どもは風の子元気な子!!………平成生まれでそんなのが通じるヤツ、居ないだろーな!!自分?えー?分っかんなーい!ナニソレェー??
…こほん!兎も角!!
駆けて来る其の子!!
そう!ワットである!
ワットは、自分の目の前で止まる。息は乱れてはいない。難波走りが正しく
出来ている証拠だ。
「終わったのか?本当に帰って来たのか?」
勿論、兵役が終わったのか?と、訊いている。が。
「お………おお…………おおお!」
自分はつい、言葉に成らない声を漏らしてしまう。
「な……何だよ?!」
うん、そりゃあ、ワットは戸惑うよね!
「な…何て……なんて…………」
「何て?」
「何て可愛らしいんだああああああああ♡♡♡♡♡」
「ほにゃあああああああああああ???!!!」
思わず。ホントに思わず、全身でワットを抱きしめ、両手でいっぱいになでなでさすりさすりしてしまった♡
おかしいな?自分、抱き締めるなんて行為は、何がどうあってもわざとらしく
しか成らない、という認識だった筈!…なんだけどな?まあ良いや。それよりも♪
何だよ何だよ♡可愛らしい鳴き声を上げおって♡♡なでなでさすりさすり♡♡♡
「お、お、お、お、お……」
今度のはワットだが。
「お?」
「男に可愛らしいとか言うなああああああああああああああああ!!!」
「あはははははは♡そうだよね♡そーだよねぇ♡かぅあいいなあ♡」
なでなでさすさす♡♡
「だからあああああああ!!!止めろよおおおおお!!」
未だ幼児の癖に♡……ん?そろそろ児童位だっけ?まあ良いやぁ♡幼いのに意地張っちゃって♡オトコだぞ~って?ぷふふふふ♡
……あれ~?何だ?コレ?アレか?今までかなりの長期間ムサい野郎どもの相手ばっかりしていた反動か?
何時も傍にはおバカな女どもという生き物も居た筈だが!癒しに成って
いなかったんだねっ!
「可愛いよ♡ワット可愛いよ♡ぷふふふふ♡」
何と言うか、田舎の子って、純粋で素朴と言うか、ね♡況してや幼いし、ね♡
「だみぇなんらぁぁぁ!しょんなのらみぇなんらぁぁぁ!!」
蕩けちゃってんじゃないかよ♡其れに、口では反発している様でいて腕は
しっかり抱き返してきているし、身はぴったりと密着させてきているじゃあ
ないか♡体は正直じゃのう♡うりうり♡
たっぷり堪能してしまった♡なんかスッキリした感じがする♪ワットはぐったりしているが、ちゃんと抱き支えてあげてます♡
「其の子、男の子……でしたでしょうか?」
何やらメイは少々不満そうに訊いてくる。何?男の子だと不満なのか?
初対面ではないのだが、いちいち名乗りと同時に性別まで言う奴は普通居ない
からねえ。
「そ……其う言うそっちは、オトナの癖にちいに養われている奴!」
流石、口の減らないワット♡ぐったり自分にのしかかったまま言い返している♡
「ち………違いますよ?!わたくし、元々偉いお方の身の回りのお世話をして
お給料を頂くお仕事なのですよ?!」
「きゅーりょー?」
「見た事御座いませんでしょうか?お金、という、物々交換を円滑にする為の品物で御座います!」
「あー、お金か。エライオカタって?」
「ちい様で御座います」
「やっぱりちいに養われているんじゃないかよ!」
「え?いえ?あのその………」
メイ、ワットに口で負けてる!ぶふふっ!
「どうだいメイ!この子、可愛らしいでしょう!」
「だから止めろおおおお!!」
「左様で御座いますね……」
「何言ってんだ?!此のオトナ!!」
ワットは自分にもメイにも逐一突っ込みを入れる。可愛いなあ♡
「良いかな?ワット。ワットは何かと言い返さずには居られないよね?」
分かって居ない様なので解説して上げる事にする。
「当たり前だろ!!」
「ワットは口が達者だよね♡」
「喋るのが上手って、事だったろ?其れがどうした!」
「普通、口が達者なのは女の子なんだ♡」
「がふうっ?!!」
「其れに、一生懸命言い返すのが、健気でひたむきで、可愛らしいなあ♡って、
ね♡」
「お、お、おっ……オカシイだろ?!言い返されて可愛らしいとか、頭変
だろおっ!!」
「ふふふ♡狼狽えちゃって、可愛いなあ♡」
あれえ?以前はワットの言う方に同意出来たかな?おかしいね♡ふふふ♡
「一生懸命駆け寄って来て、抱きついてきたしねえ♡」
「一生懸命なんて走ってねえし!抱きついてきたのはちいからだろっ!!」
「其うだっけ?ふふふふふ♡」
「ちいがおかしくなったああああああ!!」
「其うかなあ?ふふふふふ♡」
「この子何ですか?!さっきから!!師匠に失礼でしょう!!」
もう一人黙って居られなかったのが。ライナだ。
「そっちこそ!ちいに養われている癖に!!」
勿論ワットも黙っていない。普通、男女では言い合いに成らないんだけどねえ♡
「えぅ??!わたしだって、師匠の身の回りのお世話を……」
いや、ライナに至っては、一方的にこっちが面倒見ていた様なモンだが(笑)!
「ほおら!言い合いは帰ってからにしようZE?弟子候補達がヘロヘロなんだし!」
「弟子?……ちいが養うオトナが、こんなにぞろぞろ増えたのか?」
違うからっっ!!
ヘロヘロだった弟子候補達だが、此処はワットに一斉突っ込みした!(笑)
あれ~?竹林、目にはしたけど
後は其っち除けだぞ~?(大爆笑)
竹林、題名に成っているのに!!www
後々大きく関わってくる
重要アイテムなのに!!(大爆笑)
其れだけちいちゃんが
村の子と再会して感情が溢れちゃった、と
思って頂ければ。
母性溢れまくっちゃってます♡
直接言われれば拒絶するがな!
だから周りが
お母さんお母さん言っている
訳ですな!




