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第85話 ギルドマスターと会ってみた

 あれ?おかしいなあ?

 だ隣り町のトナー・リーの町に

着いてもいないぞお?

 やっぱり団体行動は大変なんだね☆

 何か違う気がするけど。

「行くぞ!」

 男が大声で言い、走り出す。

 其れが合図だったのだろう。同時にもう二人、ばらばらの方向に走り出す。

 もう少し付け加えると、汚らしい男達だった。汚らしい上、ぼろい革鎧を着けている男達であった。

 うん、野盗(?)どもだ。何故なぜ一寸ちょっと疑問か、というと、自分達を捕まえて奴隷として売ろうとしたからだ。野盗と言うより誘拐団の方が合うかねえ?

 で、返り討ちにして町の警備員に突き出して上げる所だったのだが逃げ出した、と。恐らく、いや間違いなく此れで自分がオロオロすれば、全員逃げられる目が

有るぞ!とでも思っているな、こりゃあ。

 さて、三人ばらばらに逃げ出したが、遠山えんざん目付めつけで三人共視界に収めている。

 三人同時に魔法で撃つ!ゼロきょ凝縮ぎょうしゅく水鉄砲みずてっぽう!!

 びびしししっ

 どさどさどさっっ

 おや?水鉄砲は、どうやったって殴るよりは弱い威力にしか成らない筈だが。

思いのほか効いたな?

 走っている最中に、後ろから、不意討ちで小突かれれば、結構確実に転んで

しまうものらしい。してや西洋的な地を蹴る走り方ならばなおのことな!三倍速いと倒れ易いのだよ!…いや何でもありませんけど!

 転んだ三人に水鉄砲の連射をかます。急所を狙うとかは特に考えないが、

四方八方乱れ撃ちで!

「「「うぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっっっ」」」

 傍目はためには何かが当たったかは見えない。水鉄砲の発射は、水量をごく少量に抑えているから。が、当たるたびに振動する、連射されれば姿がブレる程小刻みにブルブルブルっとなるので何かが連打で当たっているとは分かる。

 程々でやめにしておいてやったが、直ぐ起き上がれる気力は無い様だ。此の場にとどまっている野盗どもに言う。

「逃げられると思ったか?」

 返事は無いが。然愕然ぜんがくぜんとしている。よしよし。

「倒れた奴らを回収して来い!で、さっさと歩く!時間掛かっても何も食わして

やらないぞ?!」

「………化け物め……っ!」

「悪党どもに何言われたってちっとも効きませーん!!さっさと行け!!」

 まあ、刀鍛冶の弟子候補達の目も恐ろしいものを見る様だが!

 ライナとメイはご機嫌だけどな!!

 其してアイマの町。一応木のさくで囲われている。町中の道は地面剥き出しだ。

 一応入り口脇に立っていた見張り番ぽいヒト達に言う。

「此の、汚らしい集団は犯罪者集団でーす!しょっいて下さーい!」

「「「汚らしいは余計だっ!!!」」」

「「えっ………?」」

 見張り番さん達は困り顔だな。犯罪者集団を、縛ってもいないからな!

此奴こいつら、汚らしいので縛るのも嫌だったから。けど逃げられもしないんですよ?警備のヒトを呼んで…」

 ダッと。丁度一人逃げ出した奴が居た。自分が話している最中で、隙が出来たとでも思ったか。捕まれば罪が重そうだし、いちばちかで逃げ出したか。

 しかし!

 びしっどさっ

 先程同様に水鉄砲で撃って倒す。更に乱れ撃ち、と。

「うぼぼぼぼぼぼぼぼ!!」

 がくっと地面につくばう。其奴そいつは撃つのをやめても直ぐには起き上がれない。

「こういう訳で。此奴ら逃げられませんから!」

 とは言っても町のヒト達も納得は出来ないだろうが。

「えー……と?逃げようとすると倒れる呪いか何かでも掛かっているのかい?」

「いえ!単純に、今魔法で狙い撃っただけです!」

 此処はきっぱり言う所です!

「魔法?!」

 呪いとか思い浮かべておいて、魔法で驚くかい!

「自分はランク6冒険者、武神ドラゴンスレイヤーちい!…と申します」

 しつこい様だが!名乗りたい訳じゃないんだからねっ!名乗りつつ冒険者証を

見せる。

「「え?ええええ??」」

「此奴ら、自分と此のヒト達を奴隷として売ってやるとか言って襲いかかって来たので、返り討ちにした訳なんです!警備のヒト呼んで?」

「「たたた……ただ今!!」」

「おーい!一人行けば良いでしょが!此処をからにする気かい!」

「「そそそ其うですね!!」」

 何で自分が初対面のヒト達に助言しなきゃあならんねん!!

 其して。警備のヒトを呼んで来たは良いが。犯罪者どもの数が多過ぎて警備の

ヒトの手に余ったので、牢にぶち込むまで手伝った。警備のヒトも汚い犯罪者どもを縛ったり連行したりと触りたくはないだろうしね☆

 犯罪者どもに声を掛けてあげよう。

「クサいメシ、食って来いよ?」

「な…何だ?そりゃあ?」

「此処じゃ言わない?獄中生活の事を其う表現するんだよ」

「ぐぎぎぎぎっ!!」

 悔しそうだ。が、自業自得だろ!

 警備のヒトが自分に言ってくる。

「え、と。お仕事、お疲れさまです!此奴ら、冒険者ギルドに討伐依頼をしていた連中の様ですので、ギルドで報酬を受け取って下さいね?」

「おー、思いがけず小遣こづかかせぎになった?」

「ははは……小遣い程度の認識なんですね………流石さすがランク6の冒険者……」

「自分、他のランク6には会った事無いけど、どんなヒト達?」

「おれだって初めてですよ!えーと、君が!」

「はー、珍しいんだね?」

「はははは……」

 警備のヒトは乾いた笑いを浮かべているなあ。

 で、冒険者ギルドに行ったら応接室に通されてギルドマスターとか言うヒトが

出て来て。

「いやー!歓迎致します!!こんな素晴らしい方が此の町にいらっしゃる

だなんて!」

「んー?通りすがっただけだけど?」

「え゛っっ??此方こちらを拠点になさる訳ではないので??」

「一泊位はするけどね?ほら、あの団体さんを引率している最中だしね?」

 刀鍛冶の弟子候補達は別室待機だ。応接室は団体さんが入れる程広くないからね!ライナとメイは両脇に座って居る。

ただ通りすがって、ばったり犯罪者どもと出くわして、返り討ちにして、連行してきただけ」

「ははは………規格外ですね……流石ランク6冒険者……

 其れで、他の方々は本当にランク2、なので?」

「此の二人はランク3相当だと思うけど…仕事を達成しなきゃあ認められない

でしょ?」

「ギルドのランク判定員と試合――」

「結構です」

「えー?!師匠!試合させてくれないんですか?!」

 ライナはやってみたい様だが。

めておきな?自分、ランク5に認定された時、試合をやって、其れで言って

いるから」

とても困難、という事でしょうか?」

 メイが訊いてくる。自身が試合したい訳ではなく、ライナの為に訊いている

のだ。仲良く成ったね?

「ふふふ~♪後で話して上げるよ~♪」

 余所のギルドの悪口だからなあ。此処のギルドマスターには言われる筋合いは

無いし、此処があんなのとは限らない…というか、あんなのじゃあないよね?

あんなのばっかりだったら困るよ?!!

「えー………では、人攫い集団の討伐報酬ですが……」

 此れもトレイ、と言うのだろうか。皿に硬貨を載せて寄越してくる。大銀貨

三十枚だった。金貨三枚と同等、240万円位の価値、持ち金が倍位に

なっちゃったよ。

「ほー、結構な額に成りますね?」

「人数が居る集団ですからね。一人頭はそんなでもないです。

 其れよりも、本当に、貴方お一人で、討伐なさったので?」

「師匠はですね!先ず魔法で敵ぜんぶをぶぁーっと吹き飛ばしちゃったんですよ!!

 其れから、ひとりひとりを高速連打でばっしばしと打ちのめしてですね!!」

「何だか自分が卑怯なヤツみたく聞こえるだろ!」

 ライナは大はしゃぎで言ってはいるのだが!

「いやいや……簡単そうに言ってますけど、規格外ですからね?」

 ギルドマスターに突っ込まれちゃったよ!!

「「「其うなの?」ですか?」」

 ですか、とは言っていないのが自分、後はライナとメイだ。念の為!

「先ず、おれはギルドマスターですが、ランク6冒険者に会ったのは貴方が初めてです」

「おー、それはそれは。初めまして」

 おちょくって言っているのだが!

「え……はい。初めまして。其れに、ですね。二十人超の相手を一遍に吹き飛ばす魔法等というモノも聞いた事無いんです」

「冒険者は技能を秘密にしますからねー」

「いやいやそう言う次元の話ではなくてですね?!

 ギルド職員が冒険に同行したり、職員が引退した元冒険者だったりね?其れで

聞いた事も無いというのは、今まで誰も使った事の無い何かという事になるのですよ!

 其の魔法とやらは一体何処で?」

風の(エア)ドラゴンの真似しただけだよ?」

風の(エア)………ドラゴン??!!元素エレメンタルドラゴンの一角の??!!」

 何やら御大層な言い方だな!ファンタジー定番の四元素が名前に付いていると

上級なのか?

 何故か魔法は使うけど知能的には只の野生生物という感じで、ファンタジー

作り話的には低級レッサードラゴンとしか言われなさそうだが。

 まあ、作り話に出て来るような、ヒトより賢い…処かコンピュータ並の頭脳を

持つ神級グレータードラゴンとか古代エインシェントドラゴンなんてのは現実的には出て来る訳無いか!

 全長四メートルも有れば充分でかい怪物だしな!動物園でワニ、でも良いから

見てみろ?あんなのと対峙したらと思うと冷静で居られる奴はどれ位居るよ?

 作り話ではハッタリ効かせたいのだか恐竜を意識してだか何十メートルだかのがポンポン出て来るけれども!

「ちい様は武神でドラゴンスレイヤーですからね!斃したドラゴンすらちい様にとっては只のかてなのです!」

 メイはしたり顔で言うが。何で君が誇ってんの?

「斃した???!」

「勿論、ちい様お一人……いえ!ひとはしらで、です!!」

 とうとう一柱になっちゃったよ!!あ、神様の数える単位は柱だからね!

 メイは胸を張って誇っているが。

 ギルドマスターはわめいた。

「おかしいからな?!!お前等疑問には感じてないみたいだけど、普通じゃない

からな??!!」

「お前呼ばわりは嫌いっっ!!」

「あ………はい」

 何か酷い評価された気がしたけど、先ずは其れだった。

 野盗だか人攫いだかの奴らが言ってたのはスルーしたが、あの時は魔法に意識が行っていたからな!ピクリとはキてはいたんだよ?

 ヒトが嫌がっている事はしないのが礼儀ってモノです!

 「這い蹲う」ですが。

 今時、誰に訊いても

はいつくば()、と言うと

思いますよね?!

 けど、古い世代の国語辞典を見ると、

はいつくば()としか

書かれていない訳ですね!

 何で古い国語辞典が有るんだよ?って?

 有るんだから仕様がないじゃん!!

 答えに成ってない!!

 2019/03/27、訂正致しました。

 誰が言った台詞セリフかが

多少は分かり易く成ったのではないか、と

思います。

 台詞の内容は全く変わり有りません。

ご安心ください。

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