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第82話 引率し始めてみた

 あっれぇ~?

 今週休日が有ったという割には

投稿ペース、変わってないぞう?

 しかし未だ未だ!

未だ未だ今週は終わっておらぬよ?

 何時いつもの土曜日は投稿無理!って

すけじゅうるだけれども、

今週は時間が空くのだっ☆

 投稿できるかな?どきどき!

 大勢が移動するというのは、其れだけで大事おおごとだ。

 はい、此れから、刀鍛冶の弟子候補達を連れて村に帰る訳ですね!

 弟子候補達は王都ではあるが王城の外で待たされて居た。はい、注意。

王城というのは住む所ではありません。王族の方々が住むのは王宮ですね。

城って、住環境には造られていないのだとか。城は職場、みたいなものですかね?

 弟子候補達の構成は。男12、女9、か。女達、殆どスカート姿だぞう?

仕方ないなあ。

 自分は先ず挨拶をする。

「はい注目!!

 自分は此れから皆さんを村まで引率致します、武神ドラゴンスレイヤーただ乃山椒のちいと申しまーす!」

 しつこい様だが!名乗りたい訳ではない!ハッタリと名前の(ネーム)価値ヴァリューの為だ!

其れだけなんだからねっ!!

 勿論、弟子候補達はいぶかな顔をするだけだが!

「個人名はちい!只乃は家名!で、ドラゴンスレイヤーとはドラゴンという、怪物と言えばコレって言う、強くて恐ろしいヤツをですね、斃した事が有るという称号ですね!

 武神とは武術の神様!武術とは戦いの技です!

 そんな自分が引率致しますので、大船にでも乗った気で付いて来ればバッチリ

です!」

 勿論、幼くて小っこいのがそんな事言ったからって安心する者は居ない。寧ろ

居たらおつむの心配をしなければなるまい。

 幼いと言えば年齢は、だが。満年齢で5歳に成りましたー!ぱちぱちぱち!

数え年なら6歳ですねー!

 もう赤ちゃんとは呼ばせないぞー♪いや其れよりも!

「実力の程は機会が有れば存分にお見せできるでしょう!

 では、先ずは、ですが。旅装を整えて頂かないといけませんね!皆さん、

はっきり言って、そんな格好で王都を出るのか?って服装をしています!」

 スカート姿の女性は論外だが、男達だって町人服とでも言うか、外に出る様な

格好ではない。

 此れでいきなり出費だよ!其して、村の近く、まあトナー・リーの町だな。其処で更に厚着に成って貰わなくてはならない!山村は寒いからだ!

 更に更に到着まで三晩は掛かるかな?と思っておかなくてはならない!宿代も

三晩分か!

 金掛かるね!世知せちがらいね!世の中は!

 連れて行くのがライナとメイだけならばその日の内に着く想定の所までが三晩!靴の質が悪いって、歩ける距離の効率が相当悪いね!急かすのは鬼ってモノだし!

 故に、先ず行ったのは服屋だ。古着屋だ。新しい服だと、採寸から始めるから

何日掛かるか分かったものではない。仕様が無いのだ!

 しかし…古着と言っても新品と変わり無いかな?というものから、下は…誰か

買う奴居るの?という、もう、ぼろ切れとしか言い様の無いモノまで有る?

ナニコレ?

「店員さん?」

「あ?何だ?」

 男店員なのだが、態度悪!文明度低い世界だもので期待はしちゃあいないが、

其れでも客に対する態度か?って程に悪い!自分が幼いから客とも思っちゃあ

いないのか?寧ろ店を荒らされないかとでも思っていそうだ!うん、世の中全体が貧しい所が舞台の話ではよく有る展開だけれども!

 そんな時、主人公は金をちらつかせて客だぞ~という態度を見せるものだが!

下品だとは思うがなあ。

 …やるか!金貨を一枚、ちらっと見せる。ポケットマネーだ。自分にだって

給料は出ていたのだ!勿論、天引きはされただろうが!村の二年分の税を天引き

なので、庶民兵さん達とは比べ物にならない位引かれた筈だが!

 で、金貨は一枚で百万円弱、八十万円位かな?という価値だ。一般人では見た事無い、というのも普通だという金貨ならば効果は抜群だろう!…が。

「ああ?!ガキ!今の、見せてみろ!」

 やっぱり店員の態度は悪かった。仕方なく一枚渡すと…

 平然と懐に収めた。

 ……

 浸透勁しんとうけい

 どすっ

「ごふっ!」

 ずんっ

 店員…もう本当にそうなのか?と思う奴は苦し気にもだえて倒れる。

 浸透勁とは。中国拳法の奥義だな。拳法家でさえ、ぺーぺーは打撃に勢いを

付けようとするのだが。

 達人は勢いを付けようとはしない。しきの時説明した通り、一定の方向に一定の力を加え続けるのだ。其れが発勁はっけいなのだが。更に、力を一点に集中し、相手の姿勢は全く変えずに攻撃したい部分だけに力を加えるのが浸透勁なのだ!

 相手の姿勢を変えない、というのがミソだ。例えば、相手を殴り飛ばして派手に吹き飛べば見た目には凄そう、というか人力ではそうそう出来る事ではないので

本当に凄いだろうが。威力という点で言えば、相手が移動、まあ吹き飛んでいる

のだが、移動に力が使われてしまっている分攻撃力が減っているのだ。

 本当に恐ろしいのは、打撃をしたのに相手は全く動かない、という事。見た目は地味だが。威力を全て攻撃力として与えたという事だ。浸透、というのは内臓に

響く、という事だ。

 肝臓の辺りに放ってやった。肝臓は回復力が尋常でないというので、まあ、命に別状は無いだろう。多分。

 自分は冷酷に店員(?)に掌を突き出す。

「返せ」

 店員(?)はそれどころではなさそうだが、目は此方こちらを見たので更に言う。

「返せ!」

 店員(?)は苦し気だが慌てて硬貨を一枚寄越す。が。

 銅貨だった。

 銅、と言うと次いでに思うのは青銅の事だが。青銅とは言うものの、最初から

青い訳ではない。十円玉で、一部が妙に青くなっているのを見た事はないだろうか?

 其れは酸化銅、詰まる所はさびである。銅の錆は青いのだ。確か、有害物質だった筈なので、触らない方が良いよ?

 青銅と言うのは、名前からして錆さびの状態を想定しているんだね?で、錆びる前の状態はどういう色かと言うと。きんより綺麗な金色がねいろ、と、言うのだとか。

 十円玉は普通の銅なので一寸ちょっと金色とは言えないが、新しい十円玉って、綺麗

だなーとは思うよね!

 って、騙されるかっっ!!

「舐めとんのか?ゴラ!」

 店員(?)は今度こそ金貨を返して寄越した。

 まあ、金貨が返っては来たので質問を再開しよう。手間食わせやがって!

「此れ、売り物なんでしょうかね?誰がこんなの買うんでしょうね?」

 何事も無かったかの様に訊いてみたのだが。

「ひぃいぃいぃいぃい!!」

 店員(?)は逃げ出した。うのていってヤツだな。しっかし、ひい~とか言って逃げる奴、初めて見たぞ?って言うか、職場放棄するなよ!

 本当に店員なのか?あいつ!!ひんすればどんする、という言葉は有るが。文明度が低い、言い換えれば全体的に貧しい世の中では王都のちゃんとした店…の筈な所

にもあんなのが居るんだね!

 自分が普通の幼児だったら泣き寝入りだったか?油断も隙もあったもんじゃないな!!

「師匠!!今のって、ひょっとして技か何かだったのですか?!」

「間違いなく御座いましょう。通常に考えて、幼女が一殴り、其れも見た目には

軽そうな一撃で大人の男性が倒れる等、そうそう有る筈が御座いません」

 ライナとメイが言う…何だかはしゃいでいないか?

「浸透勁。達人技だぞ」

「おぉ~!!流石さすが師匠!!様々な武器を使える上、素手でも強い!!最っ強じゃあないですか!」

 ライナは肝臓リバー打ち(ブロウ)を真似しながら言う。

「最強だなんてよせやい!それからね、勁ってのは打撃法じゃないよ?

力の出し方」

「えーと?」

「だからね?拳じゃなくても、蹴りでも体当たりでも力の出し方が出来ていれば

浸透勁なんだよ。

 まあ、どうしたって、ヒトが一番器用に使えるのは手だから、他の部分で勁が

使えるなんて奴は聞いた事無いかなあ?」

 漫画なんかではほいほい出て来るだろうが。四つの打撃を同時に放って舞台を

破壊し、極めるとはこういう事を言う、とか言ってみたり?アレは勁ではないが。

「良く分からないです!」

「ライナは頭良くないな~♪」

「師匠酷い!」

「「あはははははは!!」」

 ライナは冗談みたいに笑っているが。自分、全く無根拠な事は冗談にも言わないよ?

 ホントにライナは頭悪いと思っているよ?其処まで言わんで良いって?

 所で、店員と対応しているのは自分だが、弟子候補達は付いて来て居るので見て聞いている。

 一寸怖がっている様だが、実力の一端は見せた、と言う事で!

「お客様…」

 おや?別の店員がやって来た?今度の男はさっきよりは礼儀が出来ていそうだ。

「暴力行為はご遠慮頂きたいのですが」

「聞いて頂けます?」

「はい?」

「自分、こんな幼いなりしているもので、お店側からすれば本当にお客なのかなあ

って、不安だろうとは分かる訳ですよ」

「恐れ入ります」

「で、さっきのヒトにお金を持って居るのを見せたら、あのヒト、お金を懐に

しまっちゃったんですよ!

 どっちが悪いです?」

「もっ……申し訳御座いません!此方の不手際ですっ!!」

「で、ですね。やっぱりチップとか、払わないといけないでしょうかね?」

 店員にチップを払うという文化圏では。店員の給料は少ない。少な過ぎるので、チップが生活費、とか聞いた事が有る。それにしたって金貨を懐にしまっちゃう

とかえだろ!とは思うが。其処は勘違いするな?

 チップを払う風習だったら、払わず仕舞じまいにしたら店員が哀れ過ぎるので一応

訊いてみた。

「いえ!当店ではチップを頂く様な体制では御座いません!御安心して、品物の

御値段のみをご検討下さい!」

 …さっきのヤツはただのダメ野郎だった様だ。

「質問したいのですが」

「はい!何なりと!」

「此の、正直、誰か買うヒト居るのか?って思うコレ、何ですか?」

 ぼろ切れの様な服である。

「奴隷用の服ですね」

「奴隷…」

 そう言う事か!自分で着る為に買う奴は居る訳無いが、奴隷には適当に安いモノ着せておけ!って事だ!

 其して、奴隷という階層が有る世の中だ、と。

「自力で生活出来ないヒトは、奴隷に堕とされてしまいますよ?」

 店員はお化けの話ででも子どもを怖がらせるみたいな口調で言う。一寸でも

さっきの仕返ししようと思ってないか?

「まあ自分は村の税二年分をまかなって来た所だから、自分一人位はどうとでも生活

出来るけども」

「は?村の税?二年分??」

「おう!もう過去の事だから揺るがぬ事実だぞ?」

「御貴族様?」

 一般人は自身の税か、精々扶養する家族の分まで納めるのが精一杯だろう。其れが、どれ位の規模かは分からなくとも村の税二年分を丸ごと賄える等貴族位しか

居ない、と。そう言う計算だ。

 貴族だって領地から搔き集めた税を王に献上しているだけだが。何だか昔の不良社会みてえって思う。

「村人の子が自力で稼いだだけだぞ?」

「んな村人居るかあああああぁぁ………済みません!」

 つい突っ込んでしまった様だ。

「兎に角21人分…んん?ライナ、メイ。其の格好のままで良いの?」

 メイド服である。

「以前もこのまま付いて行ったでは御座いませんか」

「そうだけど」

 メイは其う言うけれども。

 本来はメイド姿で山登り等、イカレた者がする事である。まともならやらない。

 が、以前は、準備に時間を掛けては居られなかったし、その日の内に村まで行くので勢いでって所が多分に有った。けど、今回は勢いが付けられない。弟子候補達が付いて来られないから。

これがわたくしで御座います!不都合が有れば、小物で調整致します!」

「ああ、そう…」

 あいでんてていーってヤツ?

「師匠……ご相談が有ります」

 対してライナは何か有りそう。

「わたし………弟子を脱却したいんです!」

「はあ?独り立ちしてどっか行っちゃうの?」

「何でですかあああああああ!!!」

「ええええええええ?!」

 其れ以外の意味は無いだろう?!まあ、コイツの言語力がアレだと思えば違う

のだろうな、とは想像つくが!

「わたしはずっと師匠と一緒です!」

「ああ、そう」

「そうじゃなくて!もっとこう!今までは只見ているだけだったけど、戦える様に成りたいと言うか!

 メイド服を卒業しても………良いでしょうか?」

「すれば?」

 そもそも、ライナが勝手にメイド服着ているだけだし。

「投げやりですね!もっとわたしのメイド姿を見ていたいとか無いんですか?!」

「何が言いたいんだよ!自分は何も言わないから、好きにすりゃあ良いだろ!!」

「何も……ですか?」

「言わん!」

「可愛いね、とか、似合ってるよ、とか、言ってくれないんですか?」

「メンドくせえな!?」

 ライナ、バカの癖に…バカだから?面倒臭い女なの?

 見ている弟子候補達は、笑いを堪えているのやらうんうんと頷いているのやらが居たりするが!何に頷いているの?

「はあ…店員さん、22人分の、旅が出来る服装をお願いします!

 特に、コイツのは戦える、という位動ける服を」

「そうです!わたしは特別なヤツです!」

 誰か此のバカ何とかして?

 何だか、王都を出る為の準備だけで今日は終わって、王都で一泊とかならね?と思った。

 なった。

 大勢が移動すると成ると、其れだけで大事なのである!

 本当になっ!!

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