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第75話 杖術始めました

 体調を崩しましたー!

 皆様におかれましては

お風邪などお召しになりませぬ様

お気を付け下さいませ。

 とは言え、

気を付けて病気にならないのなら

お医者さんなんて要らないですよねえ!

 具合を悪くした時の為、

次善の策は必要です!

 そんな時!

必殺魔法!時間が許す限りずっと寝まくり攻撃

です!

 言葉が変?いいえ、全く

そんな事は御座いません!

 そもそも免疫という能力は(以下略)おいぃぃぃぃ!

 むむう…何時かちいちゃんが

必要に迫られて

語る時が来るでしょう!

 其の時をお楽しみに!!

 或る日、思い付きで騎士の教練に魔法を使ってみる事にしました☆

 初めて食らったってのも有るだろうけど、全く対抗出来る様子が有りません♪

 駄目だこりゃあぁあ!次行ってみよぉおぉ!!

 うん、騎士ってのは、一応、戦闘のプロな訳です。一応って言っちゃ

駄目ぇえええ!って?

 けど、やっぱり作り話の様に飛び道具やら魔法やらをひょいひょいかわしたり

出来ないのです!

 現実的に考えてみましょう!飛び道具対策というモノは!

 動き、ま、移動をですね。止めない、真っ直ぐは動かない、近くに障害物を

見付けて兎角素早く隠れる。其れ位ですね。

 詰まり!飛び道具使いに狙いを定めさせない、という事に尽きる訳です。自ら

飛び道具をけようだなんて、前提には欠片かけらも無いのです!

 うん、やっぱり避けキャラの様に躱しまくるなんて無理!

 某泥棒さん三人組三世の刀キャラの様に刀で銃弾を斬るだか弾くだかしまくる?

 やってみろよ!出来る奴が居るってんならなああ!!

 うむう。攻撃魔法対策は、防御魔法を、種類に合わせて考えるしか無い

ですなあ。

 風のドラゴンには魔法結界を、かたち的に頑丈にして対抗した様に。

 アレは避けようとしたって吹っ飛ばされるだけだからなあ。

 そう!やっぱり派手に暴れる奴は、対策をられて斃される、愚か者なのだ!

 そうそう、アレが使っていた風の(エア)竜の(ドラゴン)吐息ブレス、真似してみたけれど。

 傷付けない勝負目的で使えるかと思ったのだが、駄目でした!アレはいかん!!

笑っちゃって勝負やってらんないのだ!

 使える所と言えば、遠くから大量の敵を、大雑把おおざっぱで良いから吹っ飛ばす!という位か。

 殺伐としているな!!自分、一人で戦争やらかす気なんぞ無ええよ!

 まあ一応、頭の片隅にでもストックして置くが!使う場面が訪れる事など

有るまい!…無いよね?

「やはり、ドラゴンスレイヤーの称号は伊達だてではない。

 雲の上の存在なのですな、武神殿」

 騎士団の団長さんがそんな事言っちゃって居るが。

「今目の前に居るよ!雲の上って何処さ!!」

流石さすが現人神あらひとがみらせられるちい様です!!

 本来雲の上の存在で在らせられるけれども、現世げんせ降臨こうりんあそばされ、わたくし達を導いて下さるのです!

 わたくしは……わたくしは今!!感動に打ち震えて居ります………!!」

 何だか涙ぐんでいるメイ。ホント、誰かから神様演説でもしろ、とか、言われてんの?

 今日初対面の庶民兵さん達は狼狽うろたえちゃってるぞ?

 騎士達でさえ、ドラゴン討伐の時居なかった奴等は戸惑っているし!

 一方、討伐に加わった連中は何処か宗教信者の様な目をしている。キモい!

 悪いけど、自分、宗教信者、嫌いなんだ。

 何つーか、操られているヒトみたいな感じがしてさ?みんな!自分の人生の

主人公になれよ!作り話と現実の人生をごっちゃにするのは不味いけど、人生の

主導権を他者に握られちゃいかん!人生って、難しいね。

「はいはい、良いですか?自分、おだてられても喜びませんよ?

 それよか、自分だったらドラゴンの様な強敵とはどう戦うかって、みんなが

それぞれ考えて下さいね?」

 しかし、庶民兵さん達は勿論、騎士達でさえ討伐に来てない者には実感が

沸かない様だ。

 そりゃあそうか。庶民には、ドラゴンって何?って奴さえ居る。

「ドラゴンを直接知らないヒト!自分、ドラゴンスレイヤーだからね!

 自分の戦いっぷりを見れば多少は想像がくってモノです!

 じっくり見て、対策出来るモンならやってみて下さい!

 じゃあ次!レイジ!ヤラレャークさん!出て!」

「えっと?」

「何?」

 一般人と名の有る家の者なのだが。あんまり変わりない雰囲気で呼ばれて

出て来た。詰まり、不安げに。

「自分は魔法と武器を併用するから、君らと自分で二対一!良い?」

「え?武器って、その、冴えない棒?」

じょうだっての!」

 全く!レイジは!

「本気?」

 ヤラレャークさんは心配そうだが。

「一対一じゃあ全く勝負に成らない。見たよね?

 自分は防具を着けた所になら魔法を当てる、君らは自分に対してだけは危険な

武器の使い方を解禁、で、何時もの様に手放した武器が地面に落ちたら負けって事で、良いね?」

 二人はしどろもどろだが。

「上手く連携しなよ?」

 実は無茶な注文だが、さらりと言って間を開ける。

 そして構える!勿論、杖を武器として使う構えだ!

 かなり両手の間を開いて、両手共内側に向けて持つ。詰まり、端には小指側を向ける。

 左手は前、下。右手は後ろ、上。後ろと言っても背中までは引かないからな?

左手よりは後ろというだけで!

 体はやや左半身。足を肩幅に開いて腰を落とす!

 そう!杖を見なければ格闘技のオーソドックススタイルの様な構えだ!

 杖という武器は、片手剣とは又違った感じでだが、徒手空拳と変わらなくね?と思うのだ。

 攻撃射程距離を出そうと思えば、打刀うちがたなよりも出せる。末端を持って先端で攻撃

しようと思えば。しかし、そんな使い方をしても威力は、それこそ直接殴るよりも弱くないか?という所だ。格闘技のこぶしならば完全に上だね!何故なら杖は軽い棒

だからだ。

 だけれども。両手の間をある程度開けて持てば、威力は跳ね上がる!調節も

し易い!

 はい!物理的な話では毎度お馴染み、梃子の原理だが!おさらいしてみよう!

 梃子を動かす部分、力点。梃子を支える部分、支点。目的のモノを押す部分、

作用点。

 力点から支点までの長さと、支点から作用点までの長さを比べ、力点から支点

までの長さが長い程小さい力で重いモノを動かせるのが梃子だ!

 言い方を変えよう。力点から支点までの長さの程の倍率の力が作用点に掛けられるのだ!

 倍率!である!!

 両手の間の長さの三分の一の部分で攻撃すれば、三倍の攻撃力が出せるので

ある!!

 これぞ界王拳かいおうけん三ばあ~あぁ~!

 オラなんも言ってねえぇ~ぞ~?世界はワクワクがいっぺえだぞ~!

 それじゃあさいぼしと同じ名前の王子にしか通じねえとか思っている君?梃子の

原理を使わずに何倍もの力を出せるモンなら出してみなさい!

 コホン!そういう訳で杖は両手を成るべく開けて持ちます!ほとんど端を持って端で攻撃すれば、それはそれは威力が出るだろうけど、杖にはつばけんも無いから、

あまり威力を欲張らないでね?安全第一で!

 それに、両手を成るべく開けて持つ、とは言っても目いっぱいはいけません!

 戦い、いや、運動時には、関節は曲げ伸ばし両方向に、常に余裕を持たせる!

常識だよ!!

 両手とも内側に向けて持つ、それは、左右どちらの端も同様に使う為だ。

 そして杖は、どの方向から見ても斜めに成る様に構える。どんな状況にも立体的に対応する為だ。

 知ってる?フクロウの耳は左右段違いに付いているんだよ!音を立体的に

聴き取る為に!

 と、なると、ヒトの視覚が縦の変化に弱いのは、目がほぼ水平に付いているからだな!

 じゃあ目が段違いに付いていれば立体的な視覚になれるか?いやいや、其れ、

もうヒトとして駄目だからな?いや、精々虫位だな!段違いに、というか、目が

多過ぎるので横並びに出来る訳が無いのは!

 駄目と言うのは全く大袈裟ではない。生理的嫌悪感が沸くのだ。目が段違いに

などなっていたら。

 フクロウだって耳は左右段違いだが目は水平だ。其の代わりだか、首はかなり

後ろまで回るし、確か、顔面も(・・・)回るよな?どんな骨格してんだよ!

 うん、まあ。フクロウの耳を参考に、杖を斜めに構える訳だ。

 レイジとヤラレャークさんも木槍を構える。

 地面とは水平に、穂先を此方こちらに突き出す構えだ。

「始め!」

 団長さんが宣言した瞬間!

「「うぼぼぼぼぼぼぼぼ??!!」」

 ゼロ距離きょり凝縮ぎょうしゅく水鉄砲みずてっぽうを、二人ともに、マシンガンの様に連射で撃ったのだが。

もう、アピールは無しで!

 二人とも、奇妙な音声を発生させるだけのヒトになってしまった。

 二人居る相手に、いきなり突っ込んで行くのは無謀かなあと思っての事なのだが。

 防具を着けている所に当てるなら、痛くはない、筈、なのだが。

 当たる不快感は相当な様だ。

 ガンバルさん、漏らしていたのは不満ではあるが。言語を言っていた辺り、

少なくとも此の二人よりは我慢強かった様だ。

 魔法使っちゃうと、武器の練習には全く成らないなあ。

 仕方ない!今回は魔法無しにしておくか!

 と、魔法を止めて少々して。

「い、今だ!!」

「う………今だ!」

 今も何もないものだが。二人の方から向かって来た。

 ちなみに、先に立ち直った方がヤラレャークさんだ。一応、戦闘のプロって、事だね。そして、向かって右だ。

 向かって左がレイジって事だ。

「ふっ!!!」

 ががああんんっっ

「うっっ!!」

「くううっ?!」

 気を強く吐き、二人ともの槍を大きく弾いた!

 と、言うのも。

 槍で一番恐ろしいのは、好き放題突きまくり攻撃だからだ!!

 …もっと格好良い言い方無いかって?知らん!

 突いて引く、此の簡単な動作を連発されたら、其れは恐ろしいのだ。槍使いの

好きにさせたら誰も防げまい。

 弾けば次の動作に移れなく成る。槍の攻撃を弾くのは必須だろう。が。

 大きく弾いたら次の攻撃が予測しづらくなった。むう!弾く威力は弱めに調節

せねばなるまいか!

 二人に好き放題、突きを連発されたら捌ききれないかと思っての事だったのだが!

 一方、二人は自分が弾く威力が思いのほか強くて戸惑った様だ。

 さて、もう一度梃子の原理を良く考えてみよう!力点から支点までの長さの、

支点から作用点までの長さとの倍率が作用点に掛かる力の大きさになるのだ!

 槍、というかなが柄武器えぶきは、攻撃部位、相手に当てる部分が持ち手から遠い。支点から作用点までの長さの方が、支点から力点までよりも長い!実は梃子の原理と

しては威力が弱まっているのだ!

 別な言い方をすれば、弱い威力でも突けば刺さるという事なのだが。

 そして、長柄武器で薙ぎ払いをすれば、梃子の原理とは別に、遠心力を威力に

乗せられるのだが。

 あ、知ってる?遠心力って、実は見せ掛けの力なんだよ?理科の授業を真面目に聞いていれば、ガッコでも聞ける筈だけれども。実際に円運動するのに必要な力は向心力こうしんりょくだ。

 対して杖は。長柄武器でもやらない程両手の間を開けて持つ!持つ手の近くの

部分で攻撃する!

 そう!最大限に梃子の原理を使える武器なのである!!まあ、持ち方にも拠る

けれども。

 何時いつぞやナナとネネにも言ったが。杖は何処が攻撃部位で、何処がつかかは

決まっていない。使い方次第で変幻自在なのだ!自分の使い方も、単なる一例に

過ぎないなこりゃあ。

 ま、兎に角。今回は、自分の杖が二人の槍よりも威力で上回るのは当たり前

なのだ。

 二人もやがて戸惑いが晴れ、自分は威力を微調整し。打ち合いが始まる!

 がががががががががががががががががががががが―――

 二人との打ち合いだから激しいな!

 見ている庶民兵さん達がどよめきだす。

「こっ此れ、本気で勝負してんのか?!」

 其処へ声をだいにして一人の騎士が言う。

「演技だとでも思うのなら真似してみろ!!出来ないだろう!!

 此れが武神様の実力だあっ!!」

 …自分を信仰しちゃってる奴だあ!!

 そんな事言ってるヒマが有ったら、もう少し良い勝負出来る力を身に付けて?!勝たせてはやらんけど!

 しかし。しばらくは打ち合い続けられるけれども、このままではらちがあかないな!と、言う訳で!!

「四倍っ!!」

 っがあんっっ

 ヤラレャークさんの槍を一際ひときわ強く打ち上げ、その隙にレイジと向き合う!

「何があぁ?!」

 ヤラレャークさん、疑問顔だが。そんなの決まってんじゃん!

 界…かい~よ~的な四倍だよ!

 此処で思った事だが。攻撃部位が手に近い!のも危なっかしいが。支点には

作用点と同等の力が掛かる!

 此処で言う支点は杖を持つ手だ。手の負担が大きく成る!!対策せねばな!!

 其れから。刀とて梃子の原理は使って居る筈なのだが。持ち方は違う。で、

思った、というか、多分間違ってはいないので、気付いた、だが。

 斬る場合、相手に当てる部分は、支点に見立てているのだっ!!

 まあ、今は言っている場合ではないので又後で!!

 レイジと向き合った瞬間!

「ひっ!!」

 レイジの顔が引き攣る!

 んな、夜中に不審者とばったり対面したお嬢さんみてえなツラしてんじゃねえよ!!

 ががあんっがらららん

 槍は両手で持っているので、都合二度。

 一打目は穂先を左端で横殴りしてレイジの左手を外し、右手だけで持っている

状態になった槍を右端で打ち落とした。

「レイジ敗北!!退場!!」

 団長さんが宣言する。自分は既にヤラレャークさんと向き合って居る。

 今は右手が下、左手が上。初期とは逆だが、自分にとっては全く問題は無い。

「「…………」」

 少々見合っていると。うん。見合って、だ。自分、基本遠山の目付だからね。

見た目ぼんやりの筈だけど。それでもヤラレャークさんには耐えがたかった様だ。

「へぁっ!」

 ががんっがららん

 やはり左端から右端の連撃で打ち落としたけれど。

 何でそんな情けない掛け声で突いて来るの?

 うおおおおおっ

 庶民兵さん達が盛り上がったが。

「はいはい!此れは見世物ではありません!

 皆さんも此れ以上が出来ないと困るという見本です!」

「「おれら越えられる存在なの??!」」

 そんな所で抜群の連携を発揮するレイジとヤラレャークさん!!(笑)

「待て!おれらも、その、冴えない棒を使うのか?!」

 庶民兵のひとりがそんな事言うが。

「冴えない棒じゃあねえ!!杖だっての!!」

 勿論、庶民兵さん達が使う武器は槍だが。

 笑っちゃう事に、親衛隊、詰まり、王の護衛だなあ?其の連中に、杖術が必須の技能に成った。

 まあうん。謁見の間等では武器の持ち込み禁止なのだし、護衛とは言え真剣

持ったのがずらっと後ろに控えて居たら、王だって常に落ち着けないだろう。

必要も無いのにな!

 2019/01/22、訂正致しました。

 連撃、攻撃を連発する所が

練習の練になっていた為です。

 溜め攻撃かよ!投稿する前に気付けよ!

 不思議と、

後にならないと気付かない事って、

有りますよね?

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