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第50話 槍は剣よりも強し

 はい、また今回も出て来ました。

 手懐てなずけるという言葉なのですが。

 なつくと言う時は「つ」なのに点々が付くと「す」に

なっちゃってます。

 国語辞典でも確認しました。てなずける、が公式です。

 納得出来ねええ!!けど、世の中そんなのも有るさ!

 騎士達の訓練場で。騎士達に稽古を就けてやろうという日々が始まった。

 普通に考えれば誰でも分かるだろうが、だいの男が幼女の言う事に只黙って従う訳も無し、先ずは実力を見せ付ける所から始めなければなるまい。

 の実力を見せるというのも、騎士達の気を引きつける事から始めなければ

ならず、少々変わった自己紹介をした上挑発しまくってやっと此処からだって所

まで漕ぎ着けたというモノだ。

 最初に挑発に乗ってくれたのは比較的穏やかそうな騎士さん。名は

ヤラレャーク…酷過ぎる…変な名前の君に幸あれ(泣)。

 さて、使う武器としては槍対片手剣という構図になった。自分が槍だ。

 と、言うのも、此の世界のヒトビトの槍の持ち方が間違っている!!と言いたかったからだが、槍は剣よりも強いよ、と言った事から騎士達を怒らせる結果となった。挑発MAX(最大限)だ。

 只挑発する為だけに言った訳ではない。実際、刀だってどんな名人でも槍や飛び道具相手には手も足も出ませんよ~と散々言われているのだ。その決め手は攻撃

射程の長さだ。となれば、片手剣は刀よりも短いのだからもっと弱い、という理屈になってしまうのだ。

 と、言う訳で自分は圧倒的有利…の筈…なのだが。相手が当てようと思ったら

当たりそうだなあ。自分が小さ過ぎるから槍もやっぱり短いのだ。まあ何とかするか。

 ハラハラしちゃってる騎士団団長さんが宣言する。

「始め!」

 ヤラレャークさんはこちらの槍を叩き落とそうと普通に木剣を振るって来る。

対して此方こちらは。

「内回し!!」

 すなわち、先ずは穂先を降ろしてくるっと右手首を腹側に回す。するとどうなるか。

 相手の剣をすかし、更に上から穂先が剣に追い打ちを掛ける!

 こん!からららあんっっ

 ヤラレャークさんは剣を振り下ろしている所を追撃されて簡単に剣を手放して

しまった。

 うん、第一回目成功!

「ち…ちいの勝ち!」

 団長さん、もっと自信を持って言ってよ!

 ざわっ……

 はっきり言って自分に否定的なざわめきが起こった。剣は騎士の魂だからね。

 其処そこへ空気を読まない声が掛かる。

「ちいよ。おれ、練習道具用意したんだけど何時いつヤクマルジゲンリュー見せてくれんだ?」

 あほあほさん、メイザスだ。

 ざわざわっ

 騎士達がざわめく。内容は、何でメイザスが此処に居るんだ?というモノだ。

メイザスが来るのは珍しい様だ。

「大勢に教える時は、先ず大部分のヒトに聞かせる内容から始めるモノだよ」

「みんなでヤクマルジゲンリューやりゃあ良いじゃんか」

 …ホントに図体ずうたいばかりでかくて頭は幼児並だねえ。

「ちゃんと待っててくれたら此れあげるよ」

 少々騎士達の囲いを抜けて、用意してあった物をメイザスに渡す。

 其れは木刀だ。木刀、なのだが。

「何だこりゃあ!すげなげえな?」

 そう。メイザスの身長よりも長い。

 文明度が低いという事はメシの質も劣るという事であり、結果此の世界のヒトは日本の在るあっちの世界のヒトに体格も劣るのだ。生活自体が体力を使うモノなので筋肉が引き締まっているとは言えるが細いので、実は若い男であるメイザスも

そんなに体は大きくない。自分と比べなければ、だが。

野太刀のだちだよ。

 刀は長さで種類分けされていて、野太刀は迚も長い刀。野戦用の武器」

「おお?野戦ってえと?」

「障害物の無い只広い場所で大勢がチャンバラする戦争。ならば武器は大きい程

良いって事になる、ね?」

「おお!良いなそれ!!」

薬丸やくまるげんりゅうは本式には野太刀を使って、ぞくには野太刀自顕流とも呼ばれる。

 けど本場のヒトが聞くと、ソレ正式名と違う!って言うから気を付けてね?」

 薬丸自顕流の使い手と出会うとか先ずえよ!って?

「俗にって何処でだよ!聞いた事無えぞ?」

「何処だろうねえ?」

 異世界ですって言っちゃうか?

「真剣を手に入れるのは本当に難しいだろうけど」

 自分が知る限りはオロチに個人的に頼むしか無い。

「真剣?」

「金属製の、本物の刀」

「おお、そっか」

「けど、ロングメイスなんかが使えるんじゃないかなって思うんだけども」

「あー、長えメイスか」

 現代のゲーマーなんかだと打撃武器は戦士の武器じゃないとか言うか?

 けど、鎧を着た相手には刃物より鈍器が効くって言うからな。

 態々(わざわざ)剣を逆に持って柄で殴るなんて技術も有るだとか。トニトルスとか言う。

「ロングメイスで薬丸自顕流を使ったら…相手は叩き潰された死体になるだろうね」

「エグいな?」

「戦争は殺し合いでしょう。どんな殺し方したって綺麗って事は有り得ないよ」

「其れはそうだ!んじゃあノダチ?コレ貰うぜ!有難うな!!」

 メイザスは玩具を貰った子どもか何かの様にニカッと笑う。ホントにあほあほ

さんは図体と頭の年齢が違うねえ。

 体は大人、頭脳は子ども!其の名はあほなメイザスさん!!ダメだそりゃあああああ(笑)!!

 ざわざわっっ

 騎士達がざわめく。内容は、メイザスが幼女に手懐てなずけられているぞ!というモノだ。

 メイザスは気にしていない。のだか聞こえていないのだか。

 それよりか、放ったらかしになったヤラレャークさんに声を掛けなければ。

「もうひと勝負、いっとく?」

「い、いや。もう良いよ」

こころざし低いね」

「いやいや!おれ一人が時間を取ったら周りがいい顔しないから!」

「ふうん?自分、此処の全員と勝負する位は余裕有るから、大して変わらないよ?」

 ざわっ……!!

 騎士達は不満そうやらむかついてやらでざわつくが。

 別に騎士達を見下している訳ではない。自分はサバイバルを常に意識している故、だ。

 大自然の野生の生存競争と言うものは。何時肉食獣が襲って来るか分かったものじゃない。

 今疲れているから一寸待ってとか、言い訳出来る訳も無い。ならば、常に余力がなければ生き残れないのだ。たかが練習の、勝負の様なモノごときで音をあげる訳にはいかないのだ。

 だが。

「……やっぱやめとく」

 ヤラレャークさんは引き下がった。まあ、ニンゲン関係とか面倒臭いだろうしね。

「さあて、次は誰が勝負してくれるかな?」

 勝負というものは相手が居て出来るものだ。一応感謝してると態度に表しておかなきゃあな。

「わしだ!」

 おお!

「鬼教官(嗤)殿!!」

「教官役は降ろされた!!それに、貴様の呼び方はどこか悪意が感じられる!!

名前で呼べい!!」

「そりゃあ最初の印象が悪かったからねえ。で、名前は?」

「マッケイヌ・トゥーボエだ!!」

「ぶほっっ!!!」

「何か文句有るのか!!」

「い…いえ。何も…」

 名前が!!名前が可哀想過ぎる(笑)!!!

 だからひねくれちゃったの??(大爆笑)

「ふん!!其れが貴様本来の武器だったと。そう言う訳か?」

 今自分が持っているのは木槍だ。

「いや?皆さん槍の持ち方間違えているから実際使って見せてこうだよって言おうと思って」

「何だと……?!ふん!必要有るか!!騎士の武器と言えば長剣ロングソード!!剣こそが

騎士の魂なのだ!!スピアなど庶民か原始人の安っぽい武器だ!!!」

 マッケイヌさん、魂を絞り出すみたいな心の叫び。其れよりも。

「やっぱりかー…」

 そういう印象だから槍は見下されているのだ。あっちの世界の現代人にもな!!

 ついでに。長剣ロングソードというのは騎士が使う剣。歩き専門、詰まり歩兵ほへいが使う剣は小剣ショートソードと言い、実は長剣ロングソード小剣ショートソードも長さは余り関係無いんだって?名前意味

無えだろ!!で、どっちも片手剣だ。

 そして、片手剣だって無理矢理両手で持つ時も有る様だ。そりゃあ、真剣だったら金属だから重いし、疲れたという時も有るだろう。だからタクに作った木剣は

片手剣だが何とか両手で持てる長さの柄にしたのだ。

 其れから、あんまり槍をろすと、御前試合でスピアを使ったヘイキンさんを貶しているも同然だぞ?だからマッケイヌさんはヒトに気遣いが出来ないと言うんだ!あ、言ってはいないか。

「はい、剣は騎士の魂。其れは其れで結構です。しかし、実戦は魂やら誇りやらで勝てるモノではないのです。はい!みんな聞いてね!!」

 此処で声をだいにして周囲全体に言う。

「武器の強さは攻撃の射程距離に比例します。だからやっぱり長い武器や飛び道具の方が強いという結論になってしまうのです」

「だったらランスを使ったおれは正しかったって訳だ!」

 あほあほさんが口を挟むが。

「ランスはダメだ!!」

「おいいいいい!!!」

 笑いネタかよ。不満そうだが、ランスは騎乗状態前提の武器だっての!!

「ちいには負けたがな、それまでは負け無しだったんだぜ?!!」

 ざわっ

 あほあほさんの言葉に騎士達がざわつく。あほあほさんの言葉の裏付けだな。で、あほあほさんが負けたのは騎士達ショック!という訳だ。

 まあ、片手剣でぺちぺち叩いても、重量的にランスを叩き落とせなかったのだろうな。

 改めて説明再開する。

「まあ、世の中例外と言うものは有ります。ランスは特殊過ぎるので除外しますが。だから比例、という言葉を使いました。絶対、とは言い切れない部分は確かに有るのですが、やはり長い武器の方が圧倒的に有利なのです。

 と言う訳で槍は剣よりも強し!!というのが結論ですね」

「このっ!!腹立たしい餓鬼がきが!!」

 マッケイヌさん、吠える。

 悪目立ちしてはいるが。騎士達の総意と思ってよいだろう。

 と、言う訳で。

「だから勝負してはっきりさせましょう。

 団長さん、審判お願いします」

「……場を仕切っているな……」

 アンタがオロオロしてるからでしょうが!!

 あれええええ?今回も戦闘っぽいのって、

攻撃って言えるのかどうだかなのが一回だけ

だぞぉおぉおぉお?

 しかし!しかしですね?今回武器の名は

結構色々出ていてですね?武器好きの方々には

喜んで頂けるのではないかと!!

 ゲームに出そうな武器の名を聞くと燃えるとか、

ゲームでは語られなくても武器の詳しい話が知りたいとか!

 兎に角喜んで頂けるならば幸いです!

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