第39話 ふぁいてぃんぐぽーず・どらごんふらい!!
あっれぇえ~?おっかしいぞぉ~?
新キャラ一言も喋ってねえ!!(爆笑)
脇役よりも影薄い新キャラてwwwww!!
さて問題です!新キャラってどれでしょう?(大爆笑)
素振りをする為に。
練兵場に向かっていた。
前を歩くのはメイドのメイ。と、場所を管理しているヒト。弱そうなのでホントに管理しているだけかな。
練習に使って良いよーという場所へ案内されていたのだが。
案内人に素通りされた場所なのだが、気になる気配が有った。ので勝手にそちらを向く。
「あ、こら!そっちは良家の方専用の場所だ!」
案内人が何か言ってるが構わん!
ズカズカと踏み込む。其処に広がる光景は。
「あ!………あわわわ………」
案内人は途端にまごつく。と言うのも。
一人、両手を地に着いた、這いつくばった人物。それを囲って見下ろす四人の男。
私刑だねえ。
「感心しないねえ。男が寄ってたかって女性をいびるとか」
そう、這いつくばった人物は体の線からして女性だった。
それよか、自分がそう声を掛けたらギャーって顔をするメイと案内人。役立たず。
男達はニヤニヤと御託を並べる。
「おれ達いびっちゃあいねえぜ?」
「コイツが鍛えてくれって言うからなあ?」
「おれ等自分の時間を削ってまでコイツを鍛えてやったんだ」
成る程ねえ。
男達がこういう態度なのも分からなくはない。
騎士団は基本男社会だ。女がしゃしゃり出て来んじゃあねえとかな。
況してや命懸けの戦いを想定したら、足手纏いにしかならなそうな弱い女はもう存在自体が邪魔。それは否定出来ない。
しかし、其れを聞いたら言うしかあるまい。
「じゃあその分は自分が君等を鍛えてあげるよ」
とな。
「何だと?」
声は抑え気味だが明らかな怒気を滲ませて男の一人が言う。
「試合形式でやろうか。さて、君等は四人一遍に来るかな?」
自分は言って構える。勿論、一遍に相手する事を考えて東郷示現流蜻蛉の構え、即ち八双の構えだ。
「舐めるな!そんな事するわけないだろうが!」
「まあ、世の中をまだ甘く考えてるガキに、一対一で教えてやらなくもないがな!」
「じゃあお前がやれよ」
「はっはっは!そうだよな!おれ、審判やってやろうか?」
おや、一人しか出て来ない様だ。一遍に掛かって来るって、実は簡単でもないんだがな。それは、数が多い方が単純に有利ではあるが。
まあ、もう構えたのでそのまま行くが。それはそれとして。
「メイ!」
「は、はい!」
這いつくばっている女性をどけてもらわなきゃあな。
しかしメイ、自分が声を掛けておいて何だが。名前を呼んだだけの指示で、しかも幼女にアゴで使われて、はい!って言う事聞いちゃうの?まあ、聞いてくれて面倒無いけど。デキるメイドさんだね。
さて、出て来た一人がそれなりの距離を開けて名乗りを上げる。
「おれの名はソノタオ・ゼイ!お前も名乗れい!」
わあお。素敵なお名前ですね。それはそれとして。
「お前呼ばわりは嫌い」
「お?おう。貴様も名乗れい!」
お前も貴様も相手を見下げる呼び掛けだけど、文字だけを見ると上等っぽいよね。皮肉なのかね?
「自分はちい。只のちいだよ」
因みに、タダ、無料という意味でロハなんて言う事が有るが、只という字を崩して片仮名みたく読んだものだ。雑学だけど。
「ん?ちいって名前か?」
「そう」
「ふっ!貴様、何処の田舎者か知らんけどな!」
山奥の田舎者で御座いますね。マウントークの村だし。
「此処では個人名が先、後に家名を名乗るんだ!」
ああ、そう。
「と言う訳でチイ・タダノ!一つ聞いておいてやるがな!」
おや、タダノって名字だと思われちゃったよ。まあどうでも良いや。
「その変なポーズは何だ!」
そりゃあ片手剣で八双の構えは一寸無いだろうけどね。失礼だよね。
「東郷示現流蜻蛉の構え」
「何て?」
「とうごうじげんりゅうとんぼのかまえ」
「えーとトンボ?」
「うん」
何だかほのぼのとしてしまった。
その他大勢さんは木剣をフェンシングっぽく構える。
そして審判役をやると言ったもう一人の男が試合開始の宣言をする。その瞬間。
「きええええええええええ!!!!」
「おわあああああああ??!!!」
がんっ!!からららん
自分は気合を発し、その他大勢さんはすげえ吃驚しちゃった。
で、一瞬で木剣を打ち落とす。
「ぐあっ……」
その他大勢さんは呻く。身には木刀を当ててはいないが、持っていた物を叩き落とされればそれなりには痛いだろう。
すると、さっきから怒りっぽかった男が又吠える。
「手前ええええ!!
でけえ声出して驚かせて剣を落とすとはせこいマネしてくれんじゃねえか!!」
ピクリ。自分のこめかみが引きつった。マンガ的に言えば怒りマークが付いちゃった。
その他大勢さんが一生懸命首を振って驚いて落としたんじゃないとアピールしてるがどうでも良い。
それは本来悪口として言っていても何て事無い一言だった。
が、自分の記憶に在る現代日本の誰だかさんの癇に障った。
と言うのも。
ヒト様の作品の事で申し訳ないが、見てムカついてしまった内容が有ったのだ。
一つ、震脚は相手をビックリさせる技だ、とか。
もう一つ、ウォークライ、詰まり戦闘時の雄叫びは、勢いが付くかもしれないし相手が恐がるかも知れないけど、必要じゃあないよね、とか。
違う。
先ず震脚だが。
高が相手をビックリさせる為なんぞという理由で、石畳が凹む程練習し続けられるものか!
震脚とは地面を強く踏み締める事により、擬似的に自身を固定する技なのだ。
と言うのも、打撃のキモは自身、それから相手を固定する事に有るのだ。何故なら、固定されてない自由状態だと、全方位に力が散ってしまうからだ。
拳法家はスパイクシューズを履く訳ではないので本当に擬似的に、しかも一瞬なのだが強い踏み込みで自身を固定して打撃力を跳ね上げる。その上地面からの反作用を拳に乗せられれば更に上がる。
そういう技なのである。
次にウォークライだが。
確かに声など出さなくても武器は振れる。いや、寧ろ余分に力を使っているとさえ言える。理屈では。
だが、一度でも命懸けの戦いをやってみろ。平和ぼけした現代日本人が思い浮かぶ平常の精神状態でなど居られないのだ。
いくら理屈では、しないと後々困った事になるという行動が有ったとしても、命が懸かったとしたら途端に誰も行動に移せなくなる。当たり前だ。誰だって死にたくはないのだから。
しかし命が懸かったとしても必要な事ならばしなければならない。ならどうするか。
先ずは恐怖心を誤魔化さなければならない。気休めでも、自分を騙すのでもだ。それで大声が出てしまうのだ。これは勢い付けよりも前の段階だろう。相手を恐がらせるだなんて考える余裕も無い。
ウォークライとは命懸けの戦いを経ても生き続けたいという命の発露、魂の叫びなのである。声出しの必要は無いよね~とかへらへらほざく奴はぶっ飛ばしてやるぞ!!!
……という気持ちを目の前の相手にぶつけたら八つ当たりではある。
済まんな。けど許さん。
「じゃあ次は大声出しても驚かないよねえ?
それから今度こそ三人一遍に掛かって来なよ」
提案している風でいて相手を追い込む一言を放つ。
三人はある程度広がって目の前に立つが。
「ぶつからない様にもう少し離れた方が良いんじゃあないかな?」
集団戦で最低限、絶対に起こさない様に気を付けなければいけないのはやっぱり同士討ちだろう。
そう思って言った。
次に気を付けるのは味方の邪魔をしない事だ。が、現代日本では戦いは起こらないが、共同作業ではっきり言って邪魔って奴がいかに多い事か。ああ、それは今は良いか。
「うるせえんだよ糞ガキ!余計なお世話だ!!」
怒りっぽい奴は聞く耳持たない様だ。まあどうせ相手がどうしようが高速連打で片付けるだけだがな!
怒りっぽい奴、さっき審判役やった奴、あともう一人の順に名乗りを上げる。
「おれの名はモブ・ノヒトリ!!」
「チョイデル・ハヤク!!」
「キシエイ・ビイシ!!!」
おあー……皆さん素晴らしいお名前で……自分は三人目が一番酷えと思うけど。
みんなは誰が一番酷いと思うかな☆……て、自分、誰に訊いちゃってんだ?
「ソノタオ!審判やれ!!」
怒りっぽい奴、モブの一人さんがその他大勢さんを急かす。
「は…始め!!」
その他大勢さんが宣言した瞬間。
「きえええええええええええええええええ!!!!」
「「「うおおおおおおおおおおおお!!!」」」
自分は気合を発し、三人は張り合う様に雄叫びを上げる。
ががああああんっっっ!!!
がらがらがららぁぁぁんん
「「「ぐぅうあああああ!!!!」」」
三打の音が一つに!!……は聞こえなかったが、三人の木剣を一瞬で打ち落とした。
音はかなり速く連発しても聞き分けられるんだよ!!三つの音が一つに聞こえる連打なんて無理無理!!
「なあ?!!剣を叩き落とされた感覚有っただろ?!!
おれ、吃驚して落とした訳じゃねえよ!!」
その他大勢さんが一所懸命言ってる。あははは。
取り敢えず男達をしばいたのでメイ達の方を振り向く。
と、目の前に土下座をしている人物が居た。這いつくばっていた女性だ。
自分、小っちゃいもんで、大人サイズの人物が土下座すると目の前いっぱいのDOGEZAだった。
違うんです!違うんです!
って、いきなり言い訳かい!(自分ツッコミ)
ちょっと今回も長くなっちゃって新キャラが又先送りになっちゃっただけなんです!
きっと彼女はそういう扱いになる星の下に生まれたのでしょう!(酷い)




