第172話 トンファー始めました!
今晩は!火曜日!
日付が次の日に替わろうか
という所の夜中です!
張り切って行きましょう!
…あ、明日は
忘れちゃいけない用事が
控えておりまして!
一寸奮起!なんです!
国王の命令で隣国との親善試合に出る事に成り。
一応選手の人数を揃え。村の留守を預かる者を用意した。
試合の選手は九名なのだが。準備を整えるにはもっと大勢の手が必要なのだな!
面倒な!
留守番の代表と言って良いであろうティーエに武器を贈り。
王の名指しなので選手に確定しているマルゲリータにも武器を渡さないとな!
何しろ、試合のルールからして武器を持っていないと出場出来ない!
…あ、ティーエに渡した武器は…
忍者刀だ!(大爆笑)とうとう本格的に忍者を目指し始めたか!(大爆笑)
自分の所為だっつーの!(大爆笑)
で!マルゲリータの武器な?
「マルゲリータ!前に来なさい!」
自分は今、教室の様な、広く机が並んでいる部屋の教壇に当たる所に居るのだ!
其して、マルゲリータを始め、体の大きいお友達(爆笑)は後ろの席なのだ!
だって村の子達は小学生以下ばかりだもの!
でかいのが前に居たらみんなが前を見られないのだ!!
「はーい♪」
マルゲリータは素直にお返事して前に来る。(爆笑)
大丈夫か?王女が其れで?(笑)
「マルゲリータの武器は此れだ!!」
「えーと…
変な形の棒?
…が二つ?」
其う!
特徴を言葉にするならば!
最も質素な形で造るなら歪なT字型と成る。
縦棒が横棒の片端のかなり近くに付いていて、横棒は肘から指先位の長さだ。
其して縦棒が握り…柄で、横棒が攻撃部位だ。其れが二つ。
両手に一つずつ持つという事だ。縦棒は内向きに。横棒は外側にして持つ。
其う!!
「トンファーだ!」
質素な形ならば歪なT字型だが、自分は
握りの根元は小さな盾の様な円盤状にした。と言うか盾の積もりで其う造った。
「とんふぁー?」
「此う使う!」
マルゲリータ用に造ったのでサイズ的に使い易くはないのだが実演してみせる。
基本は畳む、詰まり横棒を上腕に重ねた状態にして持ち。
左半身…詰まり体の左側を前にして、腰を落とす…詰まり
脚を曲げて腰を支える様に姿勢を低くする。
左腕は前に立てて右腕は腰に引く。
左拳を繰り出す!かの様に左腕を突き出し、横棒を拳の先に伸ばす!
詰まり、握りを軸にして上腕に重ねていた横棒を回転させ、
先端を手の先へと放ったのだ!
左拳を引き戻した頃には更に回転させて又上腕に重ねている!
左拳を引き戻した時には自身が詰め寄って右拳を繰り出している!いや
動作的には右の突きだが攻撃部位はトンファーだ。今度は畳んだまま!
詰まり握りと横棒の接合部分、根元で殴る感覚だ!
左手から右手の連続攻撃ということは!
ボクシング的に言えばone two blowって事だな!
当然右突きも打ったら直ぐ引く。
「気付いたか?」
訊くまでもないとは思うが。
「徒手空拳の動きが其のまま使える?」
其う!元々トンファーは空手武器なのだ!
ん?武器持ったら反則?スポーツ空手ならなあ?
武術はスポーツではなあい!!
「うむ!其れから?」
「攻撃射程が欲しかったらとんふぁーを回転させて、
威力を出したかったら根元で殴る!!」
「…あー…其うなんだけど…」
殴るて!王女様!!(大爆笑)
此んなのにしちまったのは自分?!(大爆笑)大丈夫か?!(大爆笑)
「其れからだな…!防御はトンファーを上腕に重ねた状態で、だな。
武器としては正直頼りないが、利点は何と言っても
叩き落とせないって事だな!」
「何で?!」
「握りと棒が直角に付いているからさ!
良いか?例えば騎士の片手剣!は柄から剣身迄真っ直ぐだな?
すると!切っ先にかすらせる様に叩いてやれば簡単に
柄を握った手を外してやれる!」
「何で?」
「梃子の原理ですね?!」
マルゲリータは分かっていないがシャールきゅん♡が合の手を入れてくれる♡
「其う!しかも西洋の剣は重心が柄に寄っている!」
だから態々剣身を持って柄で殴ると丁度鈍器と同じ構造に成るのだが!
其う!雷撃だ!!
「重心を支点とすれば持ち手に迚も大きな力が掛かる訳だな!」
「え?何?分からない!」
「うむ!梃子という道具はだな?
少ない力で重いモノを動かそうという道具なのだがな?
其の構造は!だ!
一本の真っ直ぐな棒を!支える点を重いモノに近づけて、
長い方を動かしてやれば!少ない力で重いモノを動かせるという訳だ!!」
「はあ?」
ま、具体例を見せた方が早いよなあ!
「先ず重いモノを置く!」
太めの木材を床に転がす。
「次に梃子を支えるモノを置く!」
太めの木材の直ぐ近くに細い棒を平行に置く。
「で!梃子を支えるモノに乗せて、重いモノの下に引っ掛ける!」
支える棒をコロと言うのだが、梃子の先端は太い木材の下に潜らせて
梃子をコロに乗せると末端は斜め上に向く。末端が持つ部分だ。
「梃子の重いモノを押す部分から支える部分迄の長さと、
支える部分から手に持つ部分迄の長さの比の分だけ、
少ない力で重いモノを押せる!
此れが梃子の原理だ!」
「比?」
「其う!割り算だな!
此の場合…一対六位は有るか?
すると!!
六倍の力で重いモノを押せるのだ!!」
「おおお!ろくばい?」
王女様…反応が幼児みたいなんだけど?
子ども達の仕種が伝染っちゃった?(笑)
「此ういう仕組が有って相手が剣を持つ手を弾き飛ばせばちゃうんだな!
しかしトンファーは!
攻撃を受けるのは棒部分!相手の攻撃力は握りを押し込む方向に働く!
相手の攻撃力はトンファーを弾き飛ばせる方向には掛けられないのだ!」
「な!なるほど~!!」
だからマルゲリータ!其の反応!!(笑)
「試合のルールは手放した武器が地面に落ちたら負け!ならば!!
トンファーは!使い手がしくじらなければ負けは無い!!
今回のルールに於いては最強に反則な武器だな!!」
「おお~!はんそくてきにTUEE!すげ~!!」
マルゲリータぁぁぁ!!(大爆笑)
「…うん!其ういう事だ!使いこなしてくれ!」
「やっほー!!私だけの!私専用の武器だぜ~!!」
おいマルゲリータ…手紙持って来た騎士達が机に突っ伏しているぞ?(大爆笑)
「ちいってば私には何時迄経っても武器くれないんだもん!
待ち兼ねたよ!!」
「王女様の手に武器を握ったタコでも出来たら悲しむヒトが多いんじゃねえ?
套路には武器要らないだろ?」
「其うだけどさー!!」
套路とは拳法の個人練習だ。日本の武術の形に当たる。
「此れで…みんなに武器は行き渡ったかな?」
今日の所は準備完了!後は明日以降の備えか、と思ったら。
「せんせー!私から!良い?」
もう前に居るというのにマルゲリータは元気に手を上げた。
自分は同年代と比べても小さい幼女だぞ?近くででかいのに手を上げられたら
うぜえわ!
「何だよ?」
「私からみんなに上げたいものが有るんだ☆良い?」
「はあ?何をだよ」
「其れはー…今持ってきたいんだけどー…良い?」
「ああうん。分かった」
「行ってくるねー☆メイ!ライナ!行くぞ!!」
すっかり二人を従えていて部屋を出て行った。
「じゃあ明日からの事だけどなー…」
マルゲリータ以下三名が居なくても決めておかなければいけない事は有る!
「風呂!どうするか?」
さて大問題だ!
最早村人達は一日風呂に入れないだけでも我慢出来まい。
しかし!風呂を入れるのはー…魔法依存でありー…
なんと魔法でお湯を出せる者はみんな試合の選手だ!
自分は王に名指しされているし自分だけが王と知り合いみたいなものなのに
外れられる訳が無い!
マルゲリータ?王女ではあるがー…何も任せられない!
「列王はー…」
「うん?何?」
「役に立たないなあ」
「行き成り酷くない?!」
だって此処で言葉が通じなきゃ列王一人置いて行ったって本当に仕様が無いし。
精々ユキとセツをお母さんの顔してあやしていてくれよ。(爆笑)
「ピュアたん?」
ぐりっ!!
珍しいな?!即座にそっぽ向いたぞ?!
…今回ばかりは村に残りたくない、と。
「自分が…魔法でお湯を出すしかない…な!」
遠隔で王都に居ながら村でお湯を出すって事だ!
「しかし…風呂掃除だけは無理だから村の誰かにやって貰わないと…かなあ?」
「「「おれ達が!」」」
「「わたし達が!!」」
「「「「「やるっ!!!」」」」」
「お…おう」
名乗りを上げたのは。今年の最年長さん達、ガキ大将だった。
ガキ大将は村を抜けられない、とはもう結論しているが。子ども達を守る為に!
ガキ大将達の名前は。
男の子達はジェイク、ディー、シャア。
女の子達はサイニー、ネイティアだ。
…個人で突っ込まれそうな名前も有るが。三倍速そうとか。
全体的に見て何となく、ガァキ、大ぃ、将ぉあ。最年、年長…
狙ってんだろ?狙って名付けているだろう!!
みんな最年長なだけにみんな別々の家の子だけど!!
「しかし子ども達を見ながら風呂掃除出来るか?」
「五人も居れば手分けするさ!」
あーうん。其う言えば人数配分が
男女同権主義が通ってからの戦隊モノみたいだね?
いや、作り話とはいえ女が戦いに半分近く関わりたいか?って思うけど。
後、女の子ばかりが戦う番組なんかも合わせたら男より多く戦っていねえ?(笑)
其んなに戦い好きか?オンナノコ!(爆笑)
いや戦隊モノは兎も角!!
「風呂が汚かったりしたら其処から病気が広まっちゃうぞ?」
「しっかり掃除するよ!」
「湯船にお湯を張るのはなんとかするけど、個人個人までは面倒見切れんぞ?」
「湯船から汲み取れば良いでしょう?」
「大丈夫かねえ?」
「ちいは二年居なかったけど、其の間も何とかしただろう?」
まあ其うなんだが。今最年長なのだから、
此の子達は自分が居なかった二年を知っている。
「けど今回はごっそり十五人か?抜けるからねえ」
「ちい!甘々過ぎるよ!
わたし達だってお世話されているだけじゃないでしょう?」
「お…おう。…成長したな?(感涙)」
「泣かないでよぉ!お母さんじゃああるまいし!」
「誰がお母さんかあああああ!!!」
「其う言えば!」
「ちいって、お母さんって感じだな!」
「小さいのにな!(笑)」
「余計なお世話じゃああああ!!」
「「「「「あはははははは!!!」」」」」
「全く!…任せたからなっ!!」
「「「「「うん!!」」」」」
頼もしい子達だよ!全く!!!
其して。話が付いたら。
マルゲリータが部屋に来た。
全裸で。
「ぶっふ!!何やってんのおお??!」
一応此のアホを庇う様に言うと。
王女は着替えも風呂も大勢のメイドに囲まれて全身を弄くり回されるから。
裸は恥ずかしい、という感覚が麻痺してしまっているのだ。
頭が弱い訳でも変質者な訳でもない。
………はず?(庇ってない)
お知らせです!
ポケットに入らねえだろボールの
怪物さん達!
えーと!
先ずさいとに登録するのが
手こずる様です!自分、未だしてない!
怪物さん貰えるとやら
期限が過ぎちゃいそう!!
…無理かなあ?
………不親切に成ったよおぅ………




