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第127話 武器を教え直してみた

 お早う御座います!日曜日、朝です!

 日曜日は週が替わる区切りですが

今回は先週分の二話目です!

 おっくれってるぅう~!

 一話目は急いだのになあ?

 明日もお休みなんだから!

 調子を取り戻すぞ!…多分!(汗)

 今までいそがしい日々が続いたであろうか。自分で言うのも何だかなあだが。

 刀鍛冶の弟子達を連れて来て食わせてやって診察して、一部子ども達が村の外の見回りなんかしちゃっているから文字通り見守って、どうやってだか現代日本の

高校生としか思えない列王れおが現れて庇護下ひごかに置いて…

 列王は外見上はかく会話の程度を考えると、やっぱり日本の本人ではなく

劣化コピーの可能性が有るかなあ?其れともどうやってかは知らんが本当に

異世界転移だったとして、空間を渡るのに何らかの障害でも有ったのか?一時的に精神が安定しなかっただけか?等という可能性も思い浮かばなくもない。と、

ごちゃごちゃ考えたりして。

 落ち着くひま無かったな?!村に帰って来てからというもの!

 列王の服は注文したがぐ出来る訳もなく中央広場で見学だし!学校の制服は

汚れたら大変だからね!

 其れで子ども達を眺めている時間が出来て、やっと気付いたのだが。

「えーっと?玩具おもちゃなのかも知れないけど、一寸ちょっと危なくない?」

 列王がのほほーんと言っているが。穏やかな性格というのも

有るかも知れないが!

「アレは玩具等ではない!実戦に使ったって良い危険な道具だ!」

 何の話かと言えば。木製の武器である!危険なのである!!

は玩具にしないでね?

「えー?!………ダメなんじゃない?色々と」

「色々駄目だなあ………」

 列王と自分とでは色々の部分の内容が食い違っているだろうが!

「文明度が低い世の中というのはな?物騒なんだ!

 ヒトの社会でも治安は悪いし、してや田舎村いなかむらじゃあ其処等そこらに獣が居る!

 獣は当然、文字通り問答無用もんどうむようだし、身体能力は圧倒的にヒトを凌駕りょうがする!

恐ろしい相手なんだ!」

「圧倒的に凌駕?」

「野生では弱者とされるサルですらヒト程度はくちゃくちゃににぎつぶされちゃうと言うぞ?」

 チンパンジーとか動物番組ではヒトにしがみついているだけの生き物みたいな

感じだがアレは子どもで、成体せいたい、オトナは実はヒトには恐ろしい存在らしいぞ?

「くちゃくちゃって………」

 列王は恐ろしがっているなあ。やっぱり動物番組の甘えん坊なサルしか

思い浮かばないんだろうな!

 某サバイバル漫画では、サルというか原人にだがくちゃくちゃにされた女子高生

…なんて悪趣味な場面が有ったし!サバイバルなだけにどんどん登場人物が

死んでゆく漫画だぞ?

「だから武器を知っている範囲で、頭をひねって、何とか子ども達に教えたんだったが…

 留守していた間に、文字通り子どものお遊びに成っている!!」

 其れで自分は愕然がくぜんとしていたのだ!

「仕方ないんじゃない?」

 列王は未だのほほんと言っているが!

「仕方ないじゃあまんのだ!

 其れとも列王、子ども達全員を守って暮らせるとでも言うのか?」

 不可能だけどな!!自分だって出来るとは思わないから、子ども達にはる程度自衛の力を身に付けてもらいたいのだし!

 しかし列王は満更まんざらでもなさそうな顔をし。

「子ども達を守る……かあ」

 テレビのヒーローでも思い浮かべているのか?何故なぜか幼稚園バスを襲う怪人と

戦うとか?

「まあ不可能だから!武器を教えるのは仕方ない!

 ヒトは武装してやっと獣と対等とはよく言うし。

 更に獣は汚い!怪我をさせられたら必ず!傷口からバイ菌が入って病気にかかって死ぬ!と思った方が良い!!」

「えー……?死ぬ病気って、何?!」

 現代日本の感覚では一寸ちょっと怪我したからって、ぐ死ぬとは思わないだろう、が!

破傷風はしょうふうって、聞いた事無いか?

 怪我した所から腐っていって、其う成ったら腐った部分を切断しても少々延命

するだけに成って段々切断していって、達磨だるまに成るとか昔は言ったんだ!」

「ダルマって……」

「あの、願い事が叶ったら両目共入れる、転がしても自分で起き上がる達磨だ!

 体が先端から腐っていって段々切断して、しまいには手足が無くなって、結局

死ぬ!という恐ろしい病気だ!昔は千葉県が一番破傷風菌が多いとか書いてある

図鑑みたいな本が有ったかな?」

「具体的な地名が出ると生々しい話に成るね!」

 列王はやっとブルりと身を震わせる。やっと身に染みたかよ!

「だからもう、野生の生き物は全部毒持ちみたいなモノとでも思って、

絶対に触れない位の心構えで対応しなければいけない!だから素手すでで戦おうなんて思うのはおろかだと言うんだ!」

 作り話では、強いとされている登場人物キャラクタが弱い怪物モンスターに平気で噛み付かれまくっている、なんてのが有ったが。其の人物キャラが強い!と、演出したかったのだろうが、

現実が分かっていない、と言わざるをない。

「忘れていないな?列王だって武器と武術を覚えて貰うからな?」

「う、うん」

 今から嫌そうな顔をするのが予想()くが。槍を教えようと思ってます!其れも、今までやってきたのとは一線いっせんかくすヤツです!楽しみにしてろ?

 しかし先ずは子ども達だ!

 子ども達は、当然二年前とは顔触かおぶれが替わってきている。大人と看做みなされる年齢に成った子は広場に来ている場合ではなくなり、以前は赤ん坊だった子達が自力で歩く様に成ってけいに連れられてやって来る。

 ウチの長女ナナも広場に来る年代からはずれてしまった。

 三男タクには早い所教えてやらないと広場に来る年代から外れてしまう!タクが素振りしている所に寄って行く。未だ体が出来上がっていない年代なので途中で

練習を止めても全く問題は無い。

 タクには片手剣の木剣ぼっけんを持たせたのだが。

 自分の知識を元にさせた練習は刀の素振りの応用だった。だって片手剣の素振りなんて知らなかったもの!今は騎士達の素振りを眺める位はしたが。でも別に

変更させる気は無いな!

 剣を持った腕を振って武器を振るう、のではなく(・・・・・)!関節をしぼった結果、

剣を振っている、という素振りである!

「やあやあ!お待たせ!」

「はあ?何がだ?」

「新装備だ!どっちにする?」

 言って二つの武具を左右の手に持って見せる。

「新装備って……左手のは片手剣じゃねえかよ!」

 其う!左手には片手剣を持っている!さりない様だが、タクは向かい合う相手の左右が分かっているね!

「其う!左右の手に片手剣を一振りずつ持つのを双剣そうけんと言うんだ!

カッコ良いだろ?」

「う?其……其うか?じゃあ右手のは何なんだ?」

「此れは円盾ラウンドシールドだ!基本、防具だな!」

 盾の最下級にはバックラーという物があるが。其んなのは飛ばして良い!

「基本?」

「腕に着ける物である以上、ぶっ叩く攻撃をしても良い!

 裏拳うらけんの要領でだな!シールド打撃バッシュ!!」

 実際に盾を着けてやって見せる。此れが、あまりにも大き過ぎる盾だと

出来ないのだが!

「裏拳?」

こう側から相手に拳骨ゲンコツをぶつける打撃!今見せたろ?

 で、防御の仕方は、飛び道具なんかは前面に構えて受け止めるんだが、

直接攻撃の場合は盾の表面で滑らせる様に受け流すのが基本だな!」

 くいっくいっと盾の角度を変えながら言う。

 もしまともに受け止めてしまうと腕が痛いだろうし、受け止めきれなかったら

命が危うい!

「さあ!どっちにする?」

「えー?どっちが良いんだ?!」

「其れは好みの問題だが。どっちかと言うと両手で違う物を持っていた方が

色々出来るかな?」

 例え双剣やら二刀流でも、左右同じ様に使えるなんて者はほぼ居ないと思うが。ほとんどのヒトが左手はどうしても補助に成ると思えば、左手は盾を装備するのが最良ベストかなあ?外科医さんだって左手が補助に使えれば早く成るなんて言っているが、

左右同様に使えれば―とは言っていないし。

 自分はどっちの手を主体にしても使えるぜ?別に自慢でもなければ真似しろとも言わないが!

「じゃ……じゃあらうんどしーるどくれるか?」

「お目が高い!タクはラウンドシールドを装備した!ちゃらららーん♪」

 ゲームのファンファーレみたいな感覚で言ってみた!

「何だ?其れ」

 タクはジト目だが!でも盾は嬉しそうに受け取った。

 盾の着け方だが。上腕をベルトで固定した上で持ち手を握る。此れが、最下級のバックラーには持ち手しか無い!盾の面積も小さい!其んなので何が防げると

言うのだろうか?素手よりはマシ、以上の価値が無い!

 タクに持たせたのは木の盾ではあるが。

 革の盾や金属の盾とて木の盾に革や金属の膜を張り付けた物なのだとか。

全金属製の盾も無くはない様だが、当然重いだろうからお勧めは出来ないな!

重い物は使いにくい!使い難い物は命懸けの戦いに使うものではない!のだ!

 と、言う訳で。木の盾は立派に実戦でも使って良い盾なのだ!

 タクはシールド打撃バッシュの素振りばっかりやっているな?其れでも左手使いの練習には

成るか?殆どのヒトが右手専門なのは左手を使おうとも思わないからだからな!

 悪口を言う訳ではないが。

 浦島さんと桃タロさんと金タロさんが出るCMで。両手で算盤ソロバンはじいて

二倍速い!とか言いたいらしい場面が有ったが。

 自分にはどうしても左手動いてねえじゃん!!としか見えなかったのだが?

 まあ右手専門なヒトが一寸演技の練習したって出来る訳が無いのは分かっているから、無理な事は言いませんよ?

 さてさて。次は次女ネネだ。

 ネネにはじょうを持たせたが。騎士達を練習台にしてげて一寸はマシに

成ったであろう技術を見せるとしようか。

「ネネ!頑張っているね!外で身に付いた素振りを見せて上げるぞ!」

 其う呼び掛ける。正直、ネネの杖の扱いは役に立ちそうもない、とは

思ったのだが。

 両端を攻撃に使うためには。両手共内向きに持ち、適度に両手の間を広げる。

関節が曲げ伸ばし両方向に余裕が有る位で余り端っこを持ち過ぎない様に。

端っこ過ぎると攻撃する時自分の手が危ないからね!

 左手を前、右手を後ろにする。後ろとは言っても体よりは少し前だ。でないと、両端を攻撃に使えない。しかし左半身、体の左側を前に出すと相手から見れば

体より右手がやや後ろに成るか。

 更に、左手は腰の高さ右手は胸の高さに。状況に応じてどちらの手でも対応

出来る様に、何処から見ても斜めに成る様に。

 其して腰を落とす。武術や格闘技と言えば腰を落とすのを大事にするものだ。

 先ずは左から!後は右、左、と交互に!打つ!打つ!打つ!相手が

目の前に居るものと想定して!

 此れが、大事なのだ!やっぱり何も無い空中で振っていると思うのとは

違ってくるのだ!合道あいどうは一人でかたを練習するものだが、やっぱり動きだけ

真似するのと本気で相手を斬る積もりで動くのとは、まさしくキレが違ってくる

だろう。

 形と言えばだが。オリンピック競技でかたちと書いて「かた」と読むのを

目にしてからというもの。現代では形と書くのが主流に成った様に思うが。

 昔は大型小型の型と書いて「かた」と読んでいたと思うのだが。

 しかしもっと昔、武術は口伝くでんで伝えていたと言うから、どんな字で書く等考えていなかった、と言うのが本当の所であろうか。空手の形の一つ、「ナイファンチ」等、聞いた話を元に組み立ててみたが本当の動きは正直な所分からない、なんて言っている達人さんが居たし。

 口伝なのも其うだし、本当に伝承する弟子も厳選されたので殆どのヒトには

分からないのだ。自分に言わせればすたれたって事に成るが。

 かく。杖の素振りをネネに見せたが。

「変わんないじゃん」

 其んな味気あじけない事を言ってくれる!

「見る目無いぞお?さあ!練習練習!…疲れない程度にね!」

 幼い体では無理はしない!!大事だからね!

「ぶつ!ぶつ!ぶつ!」

 ………ネネは武器扱いは駄目かも知れない。他の子に頑張って貰わねばならないだろうか。

 駄目そうと言えば。セツの薙刀なぎなたも、だな。そもそも、セツは武術には興味が無いし。しかし文明度が低い世の中は物騒なのだ!出来るだけは教えておかなければ!

「セツ!薙刀というものはね?」

 武器を色々揃えるのも大変なのでセツから借りて構えるが。

 なが柄武器えぶきは左手を前にして両手で持つのが当たり前!で、今回は切っ先を、

う様に斜め下に構える。

「体のしない!其れから見せかけの力、遠心力えんしんりょくを使って振るう!!」

 地面すれすれを薙ぎ払う!!

 知ったふうに言ったが。正直自分、詳しい訳ではない。薙刀漫画は存在は

知っているが…見てませんでした!実写映画にも成ったよね!

知ってはいるんだけどね!

 しかし教えるという行為は、自信満々な振りをしなければいけないのだった!

 所で撓い、という言葉だが。現代では撓()、と言いそうだが、撓う、撓い、と

言うのが正式だ。弾力が有る、という事だな!

 薙刀は女性のしなやかさを使うのが有利!という知識位は有るので。

 其れから遠心力だが。

「見せかけってどう言う事?!」

 はい!セツさん苦情を言ってきましたね!

「真っ直ぐ進めば円の中心から遠ざかるかの様に見えるって事。

 けど武器がすっぽ抜けたら困るでしょ?だから手でしっかりおさえて

振り回すんだよ。

 振り回す攻撃、薙ぎ払いは攻撃範囲はとても広いけど、其れはすきが大きいという事でもあるから気を付けてね?」

 薙刀は、薙ぐ刀と言う位だから遠心力を使って威力を出すのだ!

 長柄武器は攻撃部位が持ち手から遠く成る。物理でお馴染み、梃子の原理では

威力が出せないという結論に成るので別の方法で威力を付けなければ

いけないのだ!

 長柄武器は威力を出したかったら大振りに成る、隙が大きい、けど遠くから攻撃出来る、其ういう武器なのだな!だから近付かれたら弱い、と。

「ちい!一寸良いですか?」

 練習を見た限り、不安要素は全く無いシャールきゅん♡が声を掛けてきた。

「あの、ピュアの構え?を見て欲しいのですけど…」

 其のピュアたん♡の構えとは。

 ピュアたんは木刀を持っている。すなわち剣術なのだが。

 剣道で見る正眼せいがんの構え、詰まり中段の構えと比べると。

 もっと腰を落としていた。しゃがむのに近いか?という位。横向き、と言うに

近い程右半身に成っていた。剣道はかなり正面向きだ。前傾姿勢だった。剣道は

上体は真っ直ぐだ。両手の間がかなり開いていた。剣道では両手の間は拳一つ分だが、ピュアたんは三つ分位開いているか?

 其して。

 前傾姿勢ではあるが、角度的に言えば。

 右腕は肩の高さ(・・・・・・・)だった…!!

 其ういう事かよっっ!!

 …と、驚愕していると。

 シャールきゅんが不安そうに聞いてくる。

「あのピュアの構え…一体何なのです?!」

 シャールきゅんも分かっているのだ。ピュアたんは、児戯じぎを見せても達人級の

腕前を再現してみせる事を!!ただのいい加減とは切って捨てられない事を!!

 自分は声を絞り出す。

「…言うなれば……」

「言うなれば?」

「古流剣術、真・正眼の構え!!」

 其ういう事だったのだ!!

 何コレ?

 最後は自分が教えられましたってオチ?

 今注意している本が!

 本って言ってもラノベですが!

 アニメ化されたアレです!

 えー…っと…平均値さん?

最強の古竜も含めてなあ!!…という

お話ですね。

 今日買うのかなあ?かなあ?

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