第116話 ご対面してみた
お早う御座います!金曜日の朝です!
………未だ夜中だっちゅうの!
皆様!有難う御座います!
今週の大変な所は
無事に過ごせました!
まあ、大変な所は過ぎても
お寝坊はアウト!なんだけどな!
「又新しいの拾って来たのか?」
イヌやネコじゃあるまいし!(大爆笑)
ワットきゅん♡が列王を見ての一言目が此れだった。(笑)
「村の外に転がって居たからね!(笑)保護したんだよ」
ワットきゅん♡言う事が可愛いなぁ♡
「転がってた?何で?」
「何でだろうねえ♡」
其れは此方が訊きたいというヤツだ。
何しろ、列王は何処からどう見ても現代日本人其のままの奴なのだ!
ラノベ感覚で言えば異世界転移だ!…って状況なのだ!
どう考えても現実的ではないだろうとは思うのだが。
どう考えた所で、現実に目の前に居る以上は保護するしかないのだが。
現代日本人は野蛮な世界では生きてはいけません!
放って置いたら程なく死ぬでしょう!
「何て名前なんだ?」
「列王だよ。行列の列に王様の王って書く!」
村の子ども達には日本語を元にした文字を教えているので
漢字の話が通じるのだ!
「王様の字を庶民が勝手に使ったらしけーなんじゃないのか?」
「此奴は庶民でも簡単には死刑にされない国から来たからねえ」
子どもに聞かせるには少々物騒な話だが、文明度低い所では基本的人権等幻想に過ぎないから、当然として気を付けるべき事を教えてあるのだ。お偉いさんには
何か言っただけで簡単に死刑に成るとか。酷いのに成ると、陰口も密告されれば
死刑に成るとか。其う成ると濡れ衣着せ放題だよな。
念の為!濡れ衣とは無実の罪の事な!
其うでなくとも密告を推奨等すれば、一寸気に入らない奴の事をケチでも
言い掛かりでも良いから密告っちゃえ!と成り、碌な社会には成らない。
何処だかの嫌な国の体制で其んなの有ったなあ。
密告なんか陰険な奴がする事です!心正しく在りたいヒトは真似しないでね!
何で其んな事言うのかって?国の体制って程でなくても其処等でも目の当たりにするからさ!ニンゲン社会ってキタナい!!
「何処なんだ?其の国!此奴、何処から来たんだよ!」
ワットきゅん♡は列王の出身国を訝しむ。当然、此の世界では聞いた事も無い国だからな!
「何処とも言えない、遠い、遠い所……」
だって、異空間世界だものね!
「何だ其れえ!!ちい!オレをからかってんのかよ!」
「ふふふ♡可愛いなあ♡」
「男に可愛いって言うなあ!!」
「あはは♡可愛いなぁ……♡」
「言うなああああ!!」
ワットきゅん♡はお顔を真っ赤にして一生懸命叫んでいる♡其れが
可愛らしいんだけどなあ♡
ワットきゅん♡は息を切らせて今度は列王の方を向く♡
ワットきゅん♡、実は結構人見知りだからなぁ♡やっと勢い付いた様だね♡
「レオ!ダメなオトナなのか?!」
ぶっふぅ!!(笑)ワットきゅん♡は列王を指差して其う言った♡
「え?何?此の子何て言ってんの?!」
列王には此処の言葉が分からないので其う言う。
「駄目な大人なのか?って」
「は?はあ??」
訳してやっても其んな反応だ。現代日本の感覚では未だ未成年ですう!って思うものな?
「ワットきゅん♡此奴には此処の言葉が通じないんだよ♡」
「何だよ其の呼び方!……言葉が通じない?」
「広い世の中、此処とは違う言葉が沢山在るんだよ♡」
其れを知って、ワットきゅんの心の世界が広がったね♡
村の中では一番であろう行動範囲の自分でも言葉が通じない所なんて
見てはいないが。いや?オロチなら自分の知らない所にも行っているか?
態々訊きに行く事でもないが。聞き出すのも面倒だろうし。
オロチは昔ながらの日本人の様で話すのが迚も下手なの!
其う其う。列王にも説明しておかないとね!
「文明度低い所では大人と認められる…と言うか、看做される年齢が低いんだよ。
少なくとも、列王の年齢で大人じゃないなんて言い訳は通らないね」
「其うなの?何で?」
「取り敢えず体が動く者は幼くても年寄りでも労働力として使いたいからさあ!」
「労働力?!」
「文明度が低いとは即ち食事が貧しいという事であり、自力で動ける者は皆が
労働してやっと細々と食っていけるってモノなんだよ。
昔、庶民に義務教育が浸透してない頃は子どもを学校に行かせるのは猛反発したとか」
「学校なんか行きたくないー、とか?」
列王、やっぱり勘違いしてるな!
「義務教育の義務ってのは子どもが学校に行くのが、ではないよ?親が子どもを
学校に通わせるのが義務なんだよ?」
「えっと?」
やっぱり分かってないなあ。
「だから、昔は親が子どもを労働力として使いたいから
学校には通わせたくない!って、反発したんだよ。
屁理屈捏ね回せば、教育は受けておいた方が将来の為に成ると言うけれど、
庶民からしたら今食えなきゃ将来もへったくれも無え!って成るからね。
まあ、教育ってどうしても押し付けと言うか強制な部分は有るものの、
生活を気にしないで勉強していられるってのは実は幸せな事なんだよね。
自分だって押し付けられるのはやる気なんて出ないけど、其れでも尚、だよ」
「勉強させられるのが幸せなの?」
「ピーターパン症候群とか言って、矢鱈学歴は延ばすけど実は就職して
社会に出るのが怖いからなんて言うだろう?
社会に出るのが怖いなんて言ってられるのは甘ったれている証拠だよ」
「其うかなあ?」
「社会に出るってのは食ってくって事だから!食えなきゃあ死ぬから!
甘ったれてなんか居られないだろ?」
「そ……其っか………」
「列王も!村に居候するのなら何か労働しないといけないよ?」
「いそーろー?歯茎が悪いとか何とか?」
「…」
此奴のは下手な洒落で言っている訳ではない。ホントに馬鹿だねー!
「居候ってのは余所の家に住まわせて貰うヒト!列王だって何処か家に住まなきゃ生きていけないだろお?」
「そっ、其っか………
其したら俺、何処に住むの?」
ダメなオトナだぁ!やっぱ列王は駄目な大人だよぉ!!
「自分家だよ!何か不満か?」
「い……いえ………宜しくお願いします」
「うむ!キチンと挨拶出来るのは結構!好感が持てるな!」
「そ……其う?」
「其うだぞー?今時の奴は挨拶もまともに出来ない!とか言うべ?
まあ実は何時の時代だって一定数駄目な奴は居るんだがな!」
「ちいってさ………何か大人みたいな事言わない?」
「今更かよっっ!!」
列王って……良く見ているんだか何も分からないんだか、良く分からん奴だな!
其処へワットきゅんの横槍が来た♡
「何時までソイツと喋ってんだよぉ!」
ワットきゅん♡構ってちゃんなんだな♡構って欲しいんだな♡♡
「大丈夫だよお♡自分はちゃんとワットきゅんが可愛いぞお♡」
抱き締めて撫で繰り回して上げるぞお♡
「やぁ~みぇ~りょ~よ~!」
ぷふふふ♡嫌がっている様な事言ってぇ♡実は喜んじゃっているだろぉ♡
ツンデレちゃんめえ♡♡
「あ……あにょにゃ……!にゃんとにゃきゅにゃにしゃびぇっていりゅにょきゃ
分きゃりゅんにゃ!」
「其っかぁ~♡にゃにしゃびぇっていりゅにょきゃ分きゃりゅのか~♡」
ワットきゅんはお顔を上気させながら一生懸命喋っていりゅにょにゃ♡
きゃわいいじょぉ~♡
「かりゃかうにゃあ!!」
「うふふふふふ♡」
何を言っているのかというと♡日本語がちょっぴり分かる気がするって事だ♡
とは言え、どんなに感覚が鋭くても完全には理解は出来まい。子ども達には
日本の文字を利用して教えてはいるが、日本語其のものではないからだ。
今度は列王から突っ込みが来る。
「あのぉ~………だからホステスを連れ歩くみたく子どもを可愛がっているのは
何なの?」
「嫌な例えするなよ!ウチの子達はみんな♡可愛い♡♡だろぉお?!」
「え~?男に訊く事じゃなくない?」
「まあな!男には邪な欲情が入るからな!純粋な可愛さは分からないだろうがな!」
「よこしま?」
「邪悪の邪!だよ!野郎共が可愛いなんて言うのは性的に興奮する、なんて意味
だけしか無いだろう?!」
「えー?いや、男が小さい子を可愛いなんて言うのは似合わないって積もりで
言ったんだけど?!
何と言うか、格好悪いみたいな?」
「はっはっは!列王はもう既に充分格好悪いけどな!」
「何でっ?!!」
「家に居候しなきゃ生きていけないから!」
「え?………生きていけない?」
「生きていけると思うなら今から村出て行くか?」
「えっ?!……いや……居ちゃあ駄目?」
「駄目ではない。何だな?生きていくってのは、格好悪い事でもしなきゃあ
いけないってモノだな?」
一寸、いやかなり脅しに成ってしまったか。けど、格好悪くても何が何でも
生きていくってのが生き残り戦略ってモノだろう。
其れから、男が小さい子を可愛いと言うのは格好悪いというのも解る。
現代日本では男が小さい子を可愛がると、犯罪者を見る目で見られるからな!
格好悪いという事にして子どもの面倒を見る役割から離れた方が無難って方向性にどうしても成るだろう!
李下に冠を正さず、と言う。疑われる事はしない方が良いと言う事だ。
言い掛かりを平気で付けてくる奴が幾らでも居る世の中では幾ら気を付けても
キリが無いが。
問題は実際に犯罪やっちゃう馬鹿共が存在するって事だがな!
さて、次はピュアが帰って来る。
「お帰りぃ♡ピュア~♡」
ピュアたん♡はもういつも通り即座に抱きついてくる♡熱烈に抱き締め合う♡
「……………あの~………何?恋人同士の再会みたいだね?……………」
列王は居心地が悪くも成っているのだろう。ポツリポツリと突っ込んで来るが。立場の確立を要求したいのだろう。
心ゆくまで抱き締め合った後、ピュアたんは列王の前に立って
じっと見詰め始める。
「え?なっ………何?」
列王にも言葉が通じないとは言った筈だが。其れでも言葉を零さずには
いられないのだろう程、ピュアたんは列王をじっと見詰め続ける。
何やらスキャンでもしているかの様だ。
其れに、ピュアに関しては日本語が通じていないのかいるのか定かではない所が有る。結局は喋らないんだけどね!
ピュアたんはしばらく列王を見詰め続けた後。
列王にきゅっと抱きついた。
「ななな何??!」
列王は狼狽えるが。
「おー!列王!ピュアたんに受け入れられたね!
村で暮らしても大丈夫そうだぞ?」
「どう言う事??」
「其の子は何か特殊な子だからねえ!何だったら其の子の家で居候って選択肢も
有るぞ?」
「え?!ちい以外は言葉が通じないんだよね?!」
「其の子、殆ど喋らないからあんまり変わらないかな?まあ、列王がどうしてもと言うのでもなければ自分家に連れて行くけどな!」
「うっ!ちいは悪口がヒド過ぎるから、喋らない子の方が良いのか?!………」
「はっはっは!自分の様な奴でも言葉が通じる相手が居ない所で、列王はどれ位
耐え続けられるのかな?」
「えっ?!耐えられないの?!!」
「知らん!自分は其んなに辛くは感じないからな!
けど日本人って、矢鱈仲間意識が強い所が有るよな?
オリンピックなんかでも日本人が勝った~とか矢鱈盛り上がるけど、
自分からしたら、知り合いですらねえだろうが!としか思わないね!」
「冷めてるね?でも選手なんかも応援が力に成るとか言わない?」
「ふ~ん?良かったね?」
「投げやり!投げやり過ぎるよ!!ちいも絆を大事にしようよ?!」
「ぷっ!絆!(笑)」
「ちい!ホントにヒドいよ!!」
其れは其れとして。
日本語通じる処か其んな話題が出て来る自分を、列王はどう思っているのかね?列王の事だから気にもしてなきゃ気付いてすらいないか!
「で?列王、ピュアの家に行くか?自分家に来るか?」
「え……………!……………と………………
ちいの家で良い?」
やっぱり言葉が通じないのは辛い様だ。(笑)
「おう!来な!」
未だシャールきゅんをお出迎えしてないから、其の後だけどな!
「何と言うか、ちい、漢らしいね?小っちゃいのにね?」
「まあな!」
「えっと……宜しくお願いします」
「どんと来い!」
列王の意思も確認して自分家に居候する事に成った!
週に二話投稿するならば
今回は一話目!なのです!
もう金曜日だけど!
な……何とかするぞ?
何とか出来るぞ?………多分!