透の体
またまた投稿です。
頑張りますよー!
検査の結果異常が見つからなかった。
至って健康体であり医師は驚いていた。
「骨が砕けてる時の写真を見せてくれ」と透は言い見せてもらう。
確かに全身の骨が砕けている。
「奇跡か?」透は言ってみたがそんな事は絶対にないと思い直し手がかりを調べようと医務部を出ると有を探した。
有は食堂に居た。
「透もう大丈夫なのか?」
「あぁ大丈夫だよ」
「骨が砕けてた」
「あぁ見たよ、でもどう言うわけか引っ付いてる」
「何で?」
「それを調べようと思う」
「そうだね」
「何があった?鬼を一匹斬り殺したとこまでは覚えてる」
「その後全部一人で殺したんだ、そしたら洞窟の中から少女が出てきて透が攻撃したけど動きが止まった、何て言うか壁にぶつかった感じ、でその後透が立ち上がると何かに貫かれた様な動きをして気絶したって訳」
「俺はパントマイムみたいに一人でに動いてたってって訳か?」
「まぁそうだね」
「恥ずかしいよ」と言うとコーヒーを頼んだ。
「ところでその少女とは一体誰だ?」
「ボスの部屋にいたと思ったら消えたんだ、きっと天使だと思う」
女性の事を考えながらにやけている有は珍しい、余程いい女だったんだなと透は思ったが、
ボスが連れて行ったのが気になる。
有はほって置いてボスの部屋に向かった。
すると北がすでに部屋の前に立っていた。
「北、生きてたか」
しかし北に反応はない。
肩に手を置くとようやく気がついた。
「やぁ透、彼女を見なかったか?」
「見てねぇよ、ただその彼女の事を聞きにきたんだ」
「ボスならいない、それより彼女を奪おうと言うのか?」
「お前の彼女なのか?」
「え……いや……まだ……」
透は不思議に思いながら他を当たることにした。
どこを当たってみても彼女の事を知ってる奴はほとんどいなかった。
知ってる奴は大抵おかしかった。
「どうなってやがる」と透は言いながらボスの部屋に戻ってきた。
北が何故か倒れている。
手刀で倒されたみたいだ。
とりあえずノックをすると返事があった。
中に入れてくれたがかなり驚かれた。
「もういいよ、それより頭をおかしくしてくれる少女はどこだ?」
「覚えてないの?」
「覚えてないんだよ、だから聞いてる」
「隔離したわ、でもあなた本当に何も覚えてないの?」
「しつこいな、覚えてないんだよ」
すると少し考えてから、
「あなたには耐性があるのかしら?まぁそれならいいわ試してあげる」
と言うと部屋から出て行こうとする、
「大人しくしてて」と言うと出て行った。
「はいよ、ボス」と答えてソファに座る。
しばらく待つとボスが一人の少女を連れてきた。
15歳くらいの少女はなせがスエットを着ていた。
「彼女よ」
「このやる気の無さそうな奴か?」
「今はスウェットにはまってしまったの、シリアルとね」
「あぁそうかよ、で彼女は俺に何をしたんだ?」
「え?私?」と命は言う。
「お前しかいないんだよ、どうやって骨を砕いた?どうやって治した?」
「え?わからないけれど……」
「あの彼女は記憶が無いのかも知れないのだから危険を察知して無意識にやった可能性があるの」
「どんな無意識だよ」
「彼女は命と言う名前で神器を持っているはず、鏡は見えないの」
「鏡?」
「ただの鏡ならいいのだけれど彼女のは全ての思考を映し出す事が出来るの、簡単に言えばこの世は彼女の好きなように作り変えれる」
「それであいつらおかしかったのか?」
「いえ、それはまた別の話で……簡単に言えば呪いみたいなものよ」
「そうか、ならなぜ俺に効かない?」
「あなたは特別と言うことにしといてあげるわ」
「あぁそうかよ」
「あの喧嘩はやめたほうがいいと思います、お腹が空いたので何か頂けませんか?」
「あなたまた食べるの?今食べたばかりよ」
「お腹空いたの」と指を咥えて言う。
「わかったわ、運ばせるから」と言うと電話をとった。
「あなたは強そうね」と命は言った。
「あぁ強いぞ、なんて言ったってお前の呪いが効かないからな」
「友達になれる?」と首を傾げて言った。
「あぁ友達になろうか、友達はハグをするんだ」と言って両手を広げた時後頭部に時計が飛んできた。
「死ね」とボスの声が聞こえた。
命は友達が出来たことが嬉しいらしくニコニコしていた。
しばらく待つと食事が大量に運ばれてきた。
「俺にも食わせてくれ」
「うん、友達だからあげる」と言いサラダを渡した。
「そっちの肉をくれよ」と指差すと、
「これは私のだからダメ」と怒られた。
「喧嘩しないで、また頼めばいいから」とボスが言うと、
「人のを取るなんてダメだわ」と説教された。
仕方なく他のものを食べ始めた。
「あの二人とも食べながらでいいんだけど聞いてね」
「うん」と二人は返事する。
「命の呪いは自分でコントロールする事が出来るの、でもそれでと時間かかるから簡単に解決することにしたわ」
「うんうん」
「そこで透君と有君の二人でその輪っかを探してきて欲しいの」
「うん」
「昔暴れ猿に使ったから多分中国にあるとは思うんだけれど……」
「うん」
「聞いてるの?」
「うん」と二人は頷いた。
「そう、それなら良いけどね、ところで中国まで行ける?」
「うん」
「じゃあ食べたら出発してね」
「うん」と二人とも返事した。
絶対に聞いてないと思い有に電話をかけることにした。
「有君、頼みがあるのだけれど」
「少女の事ですか?彼女は美しいです」
「えぇそうね、ところで中国行ける?」
「はい、彼女の為ならどこにでも行けます」
「あぁそう、後で透連れて行くから二人で言ってきてね」
「はい、わかりました」
本当に大丈夫かかなり心配になってくるボスであった。
しばらくすると透は食べるのをやめ、席を立った。
「よし、じゃあ友達の為に行ってくるわ」と言うと出て行こうとする。
服の端を掴むと、
「これ御守り」と肉を食べた後の骨を渡した。
「え、あ、ありがと」と言うと受け取りボスを見た。
「持って行きなさい」と目で言われたので仕方なく持っていくことにした。
後で捨てよう、そう決めた。
読んでいただきありがとうございます。
神と天使と悪魔と人間。
全てが争う時代があったみたいです。
すごい時代。。