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石の剣

有は疲れを覚え始めていた。


透は休む事なく進み続けている。


「そろそろ休まないか?」


有が声をかけても透には聞こえていないみたいだった。


水を飲みながら登っているが早い。


山頂に着くと日が暮れ始めていた。


「ここで寝るのは危険だ」


有が言うと透は頷く。


「下のとこで寝るか」


ロープを張りながら降りていく。


これで次登る時は楽だ。


火を起こすと持ってきた物を食べる。


「やっぱり何か言われたのか? と、言うか言葉通じたんだな」


「あぁ、通じた。 何も言われてない。 ただ急ぎたいだけだ。 有は寝ててくれ、俺はもう少し探してくる」


透は軽い食事を済ませるとまた頂上に行こうとする。


「おい、今からじゃ危険だぞ」


「大丈夫だ。 それに本当にあるか分からないからな」


透はそれだけ言うとすぐに暗闇に消えていった。


「本当に大丈夫か?」


有は不安になりながらも疲れて眠ってしまった。




朝眼が覚めると透がすでに横に座ってコーヒーを淹れていた。


「飲むか?」


「あ、あぁ。 もらうよ」


渡されたカップを受け取りながら体を起こす。


「それで、あったか?」


「いや、無い。 岩を砕いてみたが何も無かったよ」


「うーん。 何か書いてないかな」


そう言いながらバッグから本を取り出す。


「おい、それ持って登ってきたのか? すげぇな」


「手伝って欲しかったよ」


「分かった、次からは言ってくれ」


「……あぁ、分かった」


本をめくっていくと気になる文章が書いてあった。


「真の人間のみに扱える武器? なんだそれは?」


「真の人間か、どんな人だろうな? そんな奴いるのか?」


「いや、分からない……でも真の人間のみが与えられるみたいだ」


「クソッ!! 時間がねぇのによ」


「そう言われても……僕も試してみる」


「おいおい、お前が真の人間だと? あぁ、そうかもな。 真面目だし、本読んでるし、メガネもかけろよ」


「僕はふざけてない。 試してみるしかないんだ」


「わかったよ……行ってこい」


透はコーヒーを飲みながら言う。


有は立ち上がると山頂に向かって登り始める。


険しい山である、簡単に登ることなんて出来ない。


しかし山頂に立つと景色が凄い綺麗だった。


「真の人間……なんだ……」


隙間に手を入れてみたり影を見たりしているが何も起きない。


「何かヒントがあれば……」


持ってきた本を開く。


「人間は光の戦士、悪魔は闇の戦士?」


有はしばらく地面を見ていた。


そしてヘコミ部分が規則的にあることを見つけた。


そこへ水を入れてみる。


すると太陽の光が反射し一点に集中する。


「光の戦士……なるほど」


その部分を触ると手が中に入る。


なにか手に触れたのでそれを掴みゆっくりと引き抜く。


それはまるで剣の化石という感じで読めない文字が刻まれていた。


有はそれを体に縛り付けると降りていく。


透の元に戻るが透の姿が見当たらない。


「透!?」


嫌な予感がして有は銃を構える。







その頃透は3人に囲まれていた。


「お前ら人間じゃねぇな」


「サムの友達だよ。 僕はポイ」


「俺はゲン」


「私はマリよ」


なんかとってつけたようなに前だった。


「それで俺に何の用だ?」


「あなたを弱らせろとの命令よ」


マリが答える。


「お前女か?」


「男よ!! 失礼ね」


どこからどうみても女だ。


「お前体間違えて作ったからな……プフフ」


ポイは笑っている。


「まぁいい。 かかってこい」


透は何もない空間から刀を抜き取る。


既に刀身は赤い。


3人が飛ぶと同時に透に斬られていた。


「え!?」


「ポイ?」


「嘘よ!!」


そのまま3人は煙の様に消えていった。


「透、無事か!?」


有が走ってくる。


「あぁ、問題ない。 それよりも見つかったか?」


「見つけた。 これがそうだ」


有は背中から離すと透に渡そうとする。


透が触れようとした瞬間電気が走り透だけ吹き飛ばされる。


「なんなんだよ!!」


透はイラつきながらも立ち上がる。


「大丈夫か?」


「平気だよ。 これは何だ!?」


「これが神殺しの伝説の石版かな?」


「石の剣かよ。 文字が書いてあるな」


透は触らない様に近づいて文字を読もうとするが何も読めなかった。


「有は読めるのか?」


「ダメだ、読めない」


有もお手上げだった。


2人は車に乗るとアジトへと戻っていく。


「なぁ、モスマンに何か言われただろ?」


「いい加減にしてくれ、俺は何も言われてない。 疲れてるから寝かせてくれ」


透はヘッドホンをつけると目を瞑った。


「しょうがないやつだな……」


有は急いでアジトに向かった。



読んでいただきましてありがとうございます。

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