死への啓示
こんばんは。
やる気はあるのですが時間が無い。。
どうやって時間を作るのか、わからなくなってきました。
有は一人固まっている。
そこに透が歩いてきた。
「早く車を開けてくれないか?」
有はハッと我に帰ると何事もなかったかの様に鍵を開けて中に乗り込む。
「おい、どうした?」と言いなら透も乗り込むと有が助手席に座りだした。
「運転しないのか?」
「あぁ透頼むよ」
透は不思議そうに有を見ながらも運転席に座りエンジンをかけようとした。
「ちょっと待ってくれ」と有がいきなり止めて車を降りていった。
「急にどうしたんだよ」と言いながら見ていると有が少し大きめの石を持って外で透に見せた。
「だからなんなんだよ」と透は言うとその石を持って車に乗り込んできた。
「この石があったら車が横転するかもしれないだろ」
「その石でか? しねぇよ」と呆れ気味に言う。
やっとの事で走り始めると信号で止まるように言う。
「おい、青だぞ、それに俺だって運転くらいできる」
そう言うと車を走らせる。
「いいか、安全運転で頼むぞ」と念をおす。
しばらく行くと車の後ろでカタカタと音が聞こえる。
車を道路の脇に停めて透は降りて刀を持ち後ろを確認しに行った。
有は車内で荷物を取ろうと後ろの席に移った。
透が車の後ろを見てみるが何も無く、通った道路を少し戻ってみるが何も見つからなかった。
そして車に戻ろうとした時キャンピングカーの正面からトラックが走ってきてそのままぶつかった。
透は慌てて避けるとキャンピングカーとトラックは電柱にぶつかり止まった。
透は有を安全を確認しつつ、トラックの運転手も見ようと思い近づくがトラックには人がおらず何かが溶けた塊があった。
「おい、有大丈夫か?」
と声をかけながら近づくと助手席には座っていない。
無理矢理扉を開けて中に入ると有が倒れていた。
透は救急車を呼ぶとボスにも連絡した。
「有が事故にあって意識がない、相手の運転手は溶けてる」
「え? 有君が? 溶けた?」
「有は救急車呼んだから大丈夫だ、それより溶けた運転手について何か分からないか?」
「ないわ、調べてはみるけれど……」
「有は医者に任せるしかない、俺は救急車来たらそっちに戻る」
「車は無事?」
「いや、これはもう駄目だな」とキャンピングカーを見ながら言った。
しばらく待つと救急車が来た。
そして有は運ばれて行き、その後にレッカーが来た。
一応直せるか聞いてみたが買った方が安いぞと言われてしまった。
廃車をお願いし近くの町まで乗せて行ってくれた。
お礼を言い車を降りるとレンタカーを借りに行った。
刀は服を破って巻いて隠した。
なんとか車を借りるとすぐにアジトへと向かった。
アジトに着くと車庫でボス達が待っていた。
「有君はどうなの?」
「連絡待ちだ、まぁ乗ってくれ」と言うとボスとリンが乗る。
「二人は待ってて」と言うと車を発進させる。
来た道を戻りながらボスが調べたことを話してくれる。
「モスマンは啓示者であるみたいたなの。 だから殺すことは出来ないしモスマンが人を殺すこともないの」
「じゃあ何をするんだ?」
「モスマンは死を伝えるだけなの」
「それだけ?」
「そう、それだけ」
「じゃああの事故はどう説明する?」
「それは……」
「人が溶けていたよね?」と突然リンが言った。
「あぁそうだった」
「もしかしたら太歳?」と首を傾げながら言う。
「太歳が人の服を着るのか?」
「それはわからないよ」
「まぁ原因はわからないけれど今危ないのは確かなのよ、急いで」とボスが急かしたので透はアクセルを少し踏んだ。
病院に着くと受付で有の場所を聞く。
すぐに手術室の前に連れていかれ待たされた。
「あと6時間くらいはかかります」と言われてそれぞれ椅子に座った。
有は小さな小屋の中の椅子に座っていた。
小屋の扉が開くと透が入ってくる。
「最悪だ、何も手がかりが見つからない」
有は不思議そうに見ていると透は袋を投げて渡して来た。
「酒飲むぞ、やってられん」
有は袋を開けて中からウイスキーを出すと透に渡す。
自分には昔よく飲んでいたビールが入っていた。
有がビールを飲むと透は嬉しそうに見て酒を飲んだ。
「透、ここは夢の中だろ?」
「何を言ってるんだ? 今は試験中だ」と呆れながら言う。
「試験?」
「おい、寝ぼけてるのか? これで受かればUMA退治が出来るんだぞ」
そこで有は思い出した。
初めて透と会って試験をペアで受けることになったのだった。
確かその時の試験官が北さんだった。
「しかしあの変人はどこに隠れやがった」
と透はイライラしながら言った。
有は過去を思い出す。
「確か……木の側にヒントが……」
そういうと立ち上がり有は外に出る。
透は後ろからついてくる。
そうだあの時酔って外に出て木の側にいたらヒントを見つけたんだった。
木までたどり着くと入念に調べ始めた。
すると字が彫ってあった。
「見てみろ、ここに彫ってある」
と指を指しながら言うと、透がのぞきこんだ。
「お前はもう死ぬ?」と透は字を読む。
「え? そんなはずでは」と言いながら有も読むとそういう風に彫ってあった。
「違う、何かの間違いだ」と言うと透が急に笑い始めた。
「何がおかしい?」
「有、お前は今私の創り出した夢の中にいるの」
「透じゃない……」
「透ね、彼は外の世界で生きているから安心して。 むしろ自分の事を心配した方がいいわね」
と透の姿のまま言う。
有はポケットを漁ってみると昔持っていた隠しナイフの存在に気がついた。
ゆっくり相手に近付くと相手はクスクス笑いだした。
「隠しナイフね、それでは私は倒せないし届かない」
そう言われて有は走り飛びかかった。
しかし相手までの距離がかなり伸びて地面に倒れた。
「まぁまぁだったわ、それよりあなたは死ぬの。 それを回避する為に契約をしない?」
「しない」
「そう? それじゃあ貴方が良いと言うまで遊んであげる」
と言うと透の姿からリンの耳と尻尾が生えてる状態に変わった。
「あなたはこの姿が好みみたいね。 だからこの姿で遊んであげる」
有は何も言わずに走り始めた。
「どこにいくの?」と首を傾げながら聞くが有は答えない。
しかし見ていると小屋に向かっているのではと思い小屋を消し、更に有を自分のすぐ横まで移動させた。
「あなたは夢の中でも勝てないの、わかる?」
「勝てなくても良い、だけれど負ける事は許されない」
と言うと有は構えた。
「レディに向かって暴力とは失礼ね、それよりも少しお話ししましょうよ」
と言い指を鳴らすとテーブルと椅子とお茶のセットが現れた。
座ると有にも座るよう促す。
しかし有は座ろうとしない。
「あなたこれに座らないと負けよ」
そう言われてしぶしぶ座った。
「まず、あなたの名前は有でいいのね?」
「あぁ」
「私はジンと言うの、十神の一人ね」
そこで有は反応した。
「あら十神を知らない?」
「聞いたことないな」
「そう……まぁいいわ」と言うと紅茶を渡した。
ジンは一口飲むと話を続ける。
「十神は創造神の代わりをしている者たちでそこまで力がないから一人一つを創っているの。
私はこの世界を創る神なの」
「神は一人しかいない」
「え? そこから?」と驚きなが言う。
有は少し眉が動いたがなるべく平然を装っている。
「あのね、神は三人いるの。 創造神、破壊神、後の一人はその間を取り持つ神ね」
「最後のだけ名前ないのか?」
「えぇ、その神は仕事を放棄して消えたの」
「なるほど」
「創造神と破壊神は力が強すぎて人間や動物の生活に支障が出るほどになって、力を封じ込める印をつけ更に記憶を別の場所に保管して人間に近い形で生きることにしたの」
「でもそれだけだと不安だから二人の弟子を育てたの。 それが二神」
「二神……」
「そしてその創造神が更に自分の能力を十人の弟子にそれぞれ一つずつ与えたの、それが十神」
「ちょっと待ってくれ、破壊神の方は弟子がいないのか?」
「二人いたわ。 でも一人は創造神との戦いで死んでしまったの」
「戦い……」
「あなた達人間も一緒に戦ったわよ」
「でもどうやって死んだ?」
「彼女は封印する為の神柱になろうとしたの。 まぁ封印自体は失敗だったけれどね」
「そうか……」
「まぁあなたは今どちら側についてるのかわかっていないでしょうけれどね」
「僕は人間の味方だ」
「そう? あなたのアジトは壊滅したそうじゃない?」
「それがどうした?」
「沢山の人間が死んだのよ」
姿がボスに変わる。
「この女は正義の味方?」
「人間を守ってる」
「そう……あなたはとても純粋ね、人間としては素敵だわ」
クスクス笑いながらジンは言う。
有は馬鹿にされてるのが気にくわないが話も気になる。
相手の話を聞くしかなかった。
読んでいただきありがとうございます!
今日は猫が枕と布団にオシッコをかけてくれて帰ってきたらここだよと教えてくれました。
本人はきっと守っているつもりなのか褒めてとよってきましたが、、、、これは褒めるべきなのか迷いました。
永遠の子供の猫ちゃん、、、自分の負担は自分で守れます。。




