ヒミコ
ふぅ。。。
ボスとリンは先に車を降りると倒れているヒミコの元に駆け寄った。
「大丈夫?」
「えぇ……」と答えるが重症である。
「すぐに運ぶわよ」と言うと二人で持ち上げキャンピングカーの中に運び入れ寝かせた。
「命ちゃん手を握っててくれる?」とボスが言うと命は頷きしっかり両手で右手を握った。
透と有は車を降りて見渡している。
戦闘の激しさが伺える。
「この死体の山は片付けた方がいいよな」
「そうだね、それにしても地面の模様はなんだろう?六芒星?」
「多分何かしようとしたんだろうよ、じゃなかったらこんな落書きはしない」
「そうだね、それにしても破壊力がすごい」
透は地面に書かれた六芒星が欠けているのをじっと見ていた。
「透どうした?」
「いや、ここだけ攻撃方法が違う気がする、他は無理矢理壊したって感じだけどここだけえぐり取られたみたいになっているんだ」
「本当だ、別の誰かがいたんだ」
そこにリンが歩いて来た。
「彼女はもうダメだと思うよ、魂にダメージが与えられてるよ」
「どう言うことだ?」
「誰か生ける武器を使ったみたいよ」
「聞いたことないな」
「簡単に言うと天使を武器に閉じ込めて魂と肉体同時に攻撃出来るようにするの、でもかなり希少でほとんどないと言われているよ」
「魂の回復は無理なのか?」
「時間がかかるよ、二万年くらい? その間武器に入ればいいよ」
「それで回復するのか?」
「他の天使にダメージ与えれば回復するよ」
「じゃあこの刀に入れるか?」
「それ無理よ」
「なんでだよ」
「それもう入ってるよ、他の神器があればいいのだけれど……」
「じゃあヒミコが死ぬ前に神器を探せばいいんだな?」
「そうね」
「なぁ透の壊れた刀はダメなのか?車に入ってる」
「壊れているのはダメね」
「そうか、残念だ」
と言うと透は車に戻って行く、リンは後ろをついて行くが有はまだそこに残って調べている。
車に戻ると透はヒミコを見てみたが確かに死にそうではあった。
「神器はどこにあるかわかるのか?」
「えぇ彼女が持っているわ」とボスが答えた。
「なら彼女をそれに閉じ込めるしかないのか?」
「それがいいのだけれど彼女から所有権を移さなくてはいけないの」
「俺はそんなことしなかったぞ?」
「透君はしなくてもいいの、前の持ち主の人がやったのよ」
「じゃあヒミコがやらないといけないのか?」
「そういうことね」
「じゃあ目を覚ますまで待つのか?」
「目を覚ますかしら?」と心配そうにボスが言うとリンがそっとボスの肩に手を置いた。
「電気ショック与えてもダメか?」と透が聞いてみたがボスは首を横に振るだけだった。
命は一生懸命に手を握っている。
そこに有が戻ってきた。
「どう?」
「ダメそうだ、取り敢えず武器を取り上げたいらしい」
「それってこれの事?」と言うとポケットから弾を取り出した。
「そう、それよ」とボスが言うと弾を持つ。
すると弾は浮き上がり体の周りをクルクル回ると消えた。
「流石ヒミコね、これでなんとかなるわ」
と言うとボスは命に手を離させみんなを少し離れたところに行かせた。
「汝は我と共に生き抜き力を蓄え共に戦う事を誓うか?」
すると倒れているヒミコの口が動き始めた。
「我、汝と共に歩もう」
その言葉と共に口から光が溢れ出し弾と交差してやがて一つになった。
「これでいいの」と言うがボスは座り込み明らかに体力を消耗している。
「ボス体力ないな」と透がからかっている。
ボスは透を睨み付けるとゆっくりと立ち上がる。
「透君はまだ使いこなせていないの一緒にしないでくれる?」
「わかったよ」
「本気よ、これから特訓です」
「わかったから勘弁してくれ」と軽くあしらうと透はヒミコの体を持ち上げた。
「埋めていいだろ?」
「えぇお願い」
先に有が出て行き穴を掘っている。
「あんたとももっと戦ってみたかったよ」と言うと掘られた穴に入れ火を放つ。
みんな穴の周りに立つと思い思いに偲んでいた。
完全に肉体が燃えるのを待ち終わると穴を埋めた。
みんな無言で車に乗り込むと出発した。
「次はどこに向かいますか?」
「そうね、取り敢えず特訓する為に青森に行くわよ」
「どこで特訓するんだ?」
「青森最大の霊場、恐山」
「途中大和の野郎をぶっ殺すか?」
「無理ね、避けて行くわよ」
こうして一同青森に行くことになった。
読んでいただきありがとうございます。
かなり遅くなってます。
進まない。。
頑張りますよ!!




