新たな戦い
更新遅くなりました。
家康の方はもう少しかかります。。
透は車の中で酒を飲みつつ前の席のボスに話しかける。
「ヒミコって大丈夫なのか?」
「彼女は平気よ殺されないもの」
「でもよ封印はされちまうんだろ?」
「それならあとは大和を封印するだけだから楽になるんだけれどね」
「ところであの球どうやって手に入れたんだ?」
「あれは師匠が彼女に渡したの」
「兄弟弟子だったのか?」
「あのね、彼女は弟子ではなくて世話係よ。 一緒にしないでくれる?」
「それなのに貰えたのか」
「当たり前よ、世話役は弱くてはいけないの」
「そういうものなのか」
「えぇそうよ」
「ボスの師匠はどんな奴だったんだ?」
「そうね、とても可愛らしいのに厳しいわよ、あと教え方が全く意味がわからないのよ」
「例えば?」
「そうね……例えば花を創る時は綿菓子を思い浮かべながらそれをどんどん飴に変えるのって言われたわ」
「全く意味がわからない」
「まぁそうね、ただ力はもの凄くあるのよ」
と微笑みながら答えた。
「まぁいいけどな」
と言いながら透はお酒を飲み始める。
車がしばらく進むと急にブレーキが踏まれた。
「道を塞いでる」
と有が言うと透は刀を持って一人車から降りていく。
「すまないがここを通してくれないか?」
「今は使用禁止なんだよ、他通ってくれないか?」
「何に使ってる?」
「お前には関係ない」
「お前ら大和とこの奴か?」
と聞くと何も答えないがみんな目が赤くなる。
「あぁやっぱり」
と透は言いながら刀を抜いた。
彼らもそれぞれ武器を抜いて構える。
透は敵の数を数え始めた。
「一……二…………三十」と数え終わると共に透がもの凄い速さで斬り殺していく。
車の中から見ていたボスはすごく驚いていた。
「透君すごく速くなってるけれど……」
「最近凄い成長しているんだ」
「もうすでに人間の速さではないわよ」
と言いながらボスは考え何か言おうとしたが有が先に、
「核は使ってませんよ」と言ったので頷くとまた考え始めた。
透は一人を残し全てを斬り殺してしまった。
そして一人に近付くと彼の足に刀を刺し尋ねた。
「お前のボスに連絡してくれないかな?」
しかし何も答えないので刀を一度抜くと反対の足に刺す。
「頼むよ、急いでるんだよ」
それでも何も答えない。
「そうか、じゃあいいさ」
と言うと刀を抜き後ろを向いたので胸を撫で下ろした瞬間透は回転して斬り殺した。
そして何も言わず鞘に刀をしまい車に戻ってくる。
誰も何も言わずに迎えると透はイスに座り酒を飲み始めた。
「早く出せよ、時間ないんだろ?」
と透に言われてようやく車は走り出した。
しばらく走ると大きな橋が見えてきた。
「あれを渡れば四国です、その後はどこに向かいますか?」
「剣山に向かって」
有は頷くと橋を渡り始めた。
ボスも後ろに移ってきて準備を始めた。
「透君、今回は一人で行動してはダメよ」
「みんなのお守りか?」
「いえ、あなたが一番狙われやすいから私が守ってあげるの」
「天使の戦いだろ、俺は関係ない」
「そうだといいわね」
「なんだよ、可愛い部下を脅すのか?」
「脅していないわよ、可愛い部下を守ってあげようとしているのよ」
「あぁそうかよ」
と言うと透は有の武器も準備し始めた。
その時ようやくリンと命が起きた。
「ようやくお姫さま方はお目覚めですか?」
と軽口を叩くとリンが真顔のまま、
「何か変な気配がする」と言い出した。
透は何にも感じないが命も感じているようだ。
一度道路の端に車を停めて外に出て見た。
すっかり夜になっていたが時々遠くの空が明るくなっていた。
「なんだあれ?」
「あれが天使同士の戦いよ」
「街はどうなる?」
「本気出したらすぐに壊れるわよ」
「それはマズイな」
「急ごう」と有が言いながら車に戻りエンジンをかけた。
そしてみんなが乗り込むとすぐに車を走らせた。
ヒミコは荒れ果てた広場に一人立っていた。
「あなたはなぜこのような事をするの?」
すると影が動いた。
ヒミコが視線を送ると影に向かって球が飛んでいき撃ち抜いた。
更に反対で動くと別の球が飛んでいく。
「出ておいで、筋肉バカ」
「出て行く訳がない」
「うるさいわね、本気で封印するわよ」とイライラしながら叫ぶ。
「出来るものならしてみろ、俺達はこれからやる事があるんだ」
「協定はどうするのさ?」
「そんなものもうどうでもいいんだ」
大和部下が跳んでくる。
それを交わす事なく立ったまま球で撃ち抜く。
しばらくすると死体の山が出来上がった。
「もういいでしょ? 出て来なさい」
「まだだ、これからが本番だ」
と言いつつ何か呪文を唱えると死体が次々起き上がり動き始めた。
「めんどくさいわねぇ」と言いつつも球で両足を撃ち抜き動けなくする。
「これでいいかしら?」
「しょうがない」と言うとヒミコの目の前の地面が膨れ上がり中から大和が現れた。
「さぁ勝負だ」と相変わらずの大声が響き渡る。
ヒミコはイラッとすると球を弾き飛ばした。
「それは効かないと知っているだろ」と言いつつも息で吹き飛ばそうとするが大和を直撃し、そのまま空まで押し上げた。
大和は空に上がりながらも空を殴りつける。
すると氷の塊がヒミコに向かって飛んでいく。
ヒミコはすべてを球で弾き落とすと大和体を押し上げている球も自分の元に呼び戻した。
大和はそのまま蹴りを入れると突風が吹きヒミコを飛ばす。
更に左手で殴り雷を落とす。
しかしヒミコには傷一つ付かないどころか球に電気を帯びさせるとそのまま大和にぶつけた。
大和は体に当たる球を気にせずに連続で殴る。
しかし全てをヒミコは避けると球を全て大和に向けて飛ばした。
「貴様は封印してやる」とヒミコは怒りに任せて攻撃すると共に地面に術式を描き始めた。
大和は球を受けるだけで術式を防ぐ事が出来そうになかった。
「ここで終わっては師に顔向けできん」
と叫ぶと同時に術式が完成し光に包まれた。
封印され始めた時不意に光が無くなった。
下を見るとヒミコが倒れている。
何が起きたのかわからないまま地面に降りた。
すると後ろから声が聞こえた。
「まだまだですね、修行をしっかり行なっているのですか?」
その声は冷静で大和は身動きが出来ないまま謝るしかなかった。
「すいません、俺の力不足です」
「いえ、気にすることはありません。 彼女はそうとうな力を持っていますので」
そう言うと気配が消えた。
大和が後ろを振り向くともう誰もいなかった。
そこにキャンピングカーが来たので大和は慌てて逃げた。
読んでいただきありがとうございます。
これからもゆっくり頑張っていきます!!!




